肉割れ・妊娠線の症状
肉割れは、皮膚表面にスイカの様なしま模様の亀裂が現れるのが特徴です。皮膚の断面に亀裂が入っているように見えることから、皮膚表面に傷が入ったと思われがちですが、実際には、表皮の下にある真皮の傷です。表皮は柔らかく伸び縮みできるので変化に対応できますが、真皮には、表皮ほどの柔軟性や伸縮性がないため、急激な皮膚の伸展が起こると裂けてしまうのです。肉割れができてからしばらくは、毛細血管が透けて見えるため、赤紫色のミミズ腫れのような線ができますが、時間が経つと退色していき、やがて白っぽくなっていきます。また、皮膚表面はわずかに凹んで見えたり、細かいシワができたりして、触れるとデコボコになっているのがわかります。 妊娠時(5~7ヶ月頃)にも同様のことが起きやすく、一般的に妊娠が原因でできた肉割れを妊娠線と呼びます。体型にかかわらず、体が急激に変化する時期であれば誰でも自然に起きてしまう症状です。全身どこにでもできる可能性がありますが、特に、腹部・ヒップ・太もも(外側・内側)・ふくらはぎ・二の腕・ウエストまわり・脇の下など、脂肪のつきやすい部位に出来やすいと言われています。妊娠時は、バスト(横乳のあたり)にできることもあります。肉割れ・妊娠線ができる原因
■成長期・急激な体型の変化 中学生や高校生などの成長期に、体が急に大きくなったり、部活などの運動で急激に筋肉がついたりすると肉割れが起こることがあります。また、成長期はホルモンの影響で、体重が増えなくても肉割れができてしまうことも往々にしてあります。 ■妊娠 妊娠でお腹が大きくなっていく過程でできる肉割れ線です。また、妊娠中に分泌が増える糖質コルチコイドというホルモンが関係しているとも考えられています。糖質コルチコイドは、線維芽細胞の活性を抑制する働きがあるので、コラーゲンやエラスチンの産生が減少して、真皮の再生する力が衰えることで皮膚に肉割れが出来やすくなります。 ■過度なトレーニング 肉割れは脂肪だけでなく、急激に筋肉量が増加することでも発生します。普段からあまり運動習慣のない方が、短期間で体型を変化させる急激なトレーニングを行ったり、偏った負荷をかけたりすることが原因に挙げられます。 ■加齢 真皮には、肌の弾力の維持に欠かせないコラーゲン線維が豊富にあります。しかし、年齢を重ねて減少すると、弾力が失われて、わずかな刺激で裂けてしまうことがあります。 ■副腎皮質ホルモンの影響 クッシング症候群などの病気や糖尿病の方がステロイド治療を受けることで肉割れを招く場合があります。副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)の一つである糖質コルチコイドは、真皮の線維芽細胞の増殖を抑える作用があるため、コラーゲンやエラスチンの産生が低下し、弾力が失われて断裂が起こりやすくなります。 ■乾燥や血行不良 皮膚は乾燥したり、血行不良により皮膚に十分な栄養が送られなくなったりすると、皮膚の伸縮性や柔軟性が低下するので、肉割れが起こりやすくなります。肉割れ・妊娠線の治療法
肉割れ、妊娠線(皮膚線状)は真皮が断裂し、深い部分でダメージを負っている状態なので、残念ながら、自力で治せるものではありません。既にできてしまった肉割れに美容液やクリームを塗る方もいらっしゃいますが、塗ったものは角層までしか浸透しないので治療効果は全くありません。そもそも肉割れは疾患(病気)ではないので、「医薬品」にあたるクリームも存在しません。妊娠線クリームについても、塗らないよりはいいというのが正直なところです。 肉割れや妊娠線を完全に消し去るのはなかなか難しいのが現状ですが、治療で目立ちにくくすることは可能です。銀座ケイスキンクリニックでは、コラーゲンの産生を活性化して、肌の再生力を高める治療をご案内しています。主な治療法はレーザーで点状に肌を入れ替える『フラクショナルCO2レーザー』や針傷で再生を高める『ダーマペン4』などになりますが、ダウンタイムを気にせず、高い効果を求める方には、効果の高い『フラクショナルCO2レーザー』がベストと言えるでしょう。ALMA社のピクセルフラクショナルCO2レーザー『肉割れレーザー(i-ピクセルローラー)』
皮膚に一時的に微細な傷をつけ、皮膚の入れ替えと再生を促進させて「新しい肌にリニューアルする」肉割れ・妊娠線専用の照射治療です。当院が採用している機種(アルマレーザー・サージカル社の『ピクセルフラクショナルCO2レーザー』)は、世界特許取得の先進技術により、レーザーが放射状に拡散するのが特徴です。過度な熱ダメージを抑え、痛みや照射後の色素沈着などの副反応を低減しながら、従来のフラクショナルCO2レーザーと比べて49倍高いエネルギーを作用させ、コラーゲンの収縮と新生を強力に高めます。 1回で肉割れをきれいにできるわけではないので、間隔をあけて何度か施術を繰り返す必要があります。『肉割れレーザー(i-ピクセルローラー照射)』は、ローラー状のハンドピースを動かし、短時間で効率良く、広範囲にレーザー照射が可能なため、従来の機器より料金が安く設定でき、施術を継続しやすくなりました。肉割れレーザー(i-ピクセルローラー)の痛み
外用麻酔後に照射しますが、施術時はピリピリとした軽い痛みがあります。施術直後から生じる熱感、ヒリヒリ感、浮腫性紅斑は1~12時間続きます。照射後、サイトプロMD(骨髄幹細胞培養上清)の導入をし、冷却すると痛みは早く治まります。i-ピクセルローラー(肉割れ・妊娠線・ストレッチマーク)のリスクとダウンタイム
翌日には赤みが軽くなりますが、肉割れ・妊娠線・瘢痕の治療目的の場合、照射出力を高くする必要があり、赤味が強く残る場合もあります。施術2日目から、無数の小さな痂疲が出来るので日焼け後のように浅黒く見え、ざらつきを感じます。10日~2週間で脱落し表皮のタイトニングを感じ始めます。 また、施術後は皮膚が若返り新生血管が増えるため、軽い紅斑が3~6ヶ月間続きます。また、東洋人の肌は施術部位に一過性の色素増強(炎症後色素沈着)が起きやすいです。照射後の注意事項をよく守って下さい。肉割れレーザー(i-ピクセルローラー)の施術頻度や持続について
3~4週間に1度の間隔で4回が1クールですが、施術前の状態・年齢・肌質・目的とする状態によって必要回数は異なります。5回目以降の施術は、改善した状態を維持するために、3~6ヶ月に1度のメンテナンス照射を推奨しています。肉割れレーザー(i-ピクセルローラー)の禁忌事項
下記に該当される方は、この治療を受けることが難しい場合があるので必ず医師にお申し出ください。 ・真性ケロイドの方(肥厚性瘢痕の既往は心配ありません。) ・治療部位に未治療の皮膚疾患・ヘルペスなど感染症がある方 ・妊娠中の方 ・悪性腫瘍の治療中・重症の糖尿病・膠原病・精神疾患の方 ・施術部位にアートメイクをしている場合、色素の一部が反応する可能性があるので、施術が出来ない場合があります。必ず事前に医師に申告ください。・安全のため、他院での美容医療の治療歴(脱毛レーザーなど)は全てお伝えください。 ※出産後は出産から3か月後以降からの治療を推奨しています。 ※治療前に強い日焼けした場合は美白剤の外用等で1か月準備をしてからの開始となります。 ※キシロカインなど麻酔薬にアレルギーのある方お受けいただけません。