溶けないフィラー・非吸収性注入剤(他院修正)に対する当院での治療方法
特定の表情を作ったときにのみ目立つしこり・不自然なシワ
⇒一時的に見えるものであるため、許容範囲内であればそのままにしておくことも一つの選択肢です。
不自然な影
⇒周囲への脂肪溶解注射、ヒアルロン酸注入による修正
線維化(硬いしこり)
⇒過剰な隆起を抑えるステロイド剤(ケナコルト)や脂肪溶解注射剤(ミケランジェロ)、ヒアルロニダーゼ等を最適な割合で混合した『オリジナル修正薬剤』を局所に注射し、過剰なコラーゲン繊維の形成を抑制すると触らなければ分からない程度に軽減することがあります。ただし、線維化や石灰化が強い場合は効果がみられないので手術をおすすめします。また、脂肪注入では遅延型異物反応よりも、石のように硬くなる(石灰化)ことがあります。表面に飛び出していなければ経過観察とします。ステロイドの局注も無効だからです。
凹凸(おうとつ・でこぼこ)
⇒過剰な隆起を抑えるステロイド剤(ケナコルト)や脂肪溶解注射剤(ミケランジェロ)、ヒアルロニダーゼ等を最適な割合で混合した『オリジナル修正薬剤』を局所に注射し、凹凸をなだらかにします。効果が出ない場合は、柔らかいヒアルロン酸で周りを埋めてなじませると目立たなくなることがあります。
頬が全体的にパンパン
⇒ウルセラ照射で皮膚をタイトニング、脂肪溶解注射で下床を柔らかくしてなじませると目立たなくなることがあります。
他院修正を受け付けていない治療
現在、グロスファクター(成長因子)そのものを注入する治療、またはグロスファクターを添加したPRPや自己培養真皮線維芽細胞療法後のトラブルに関する修正治療は受け付けておりません。過剰な隆起を抑えるステロイド剤(ケナコルト)での治療が基本になりますが、施術後に周囲組織のへこみ・萎縮が生じ、シワやたるみが目立つことがあります。そのため、通常はしこりを何とか小さくした後にたるみを改善する照射治療やなじませる注入治療などを始めます。
ところが、成長因子注入後のトラブル症例では、真皮から皮下組織内で創傷治癒作用が必要以上に高まり、再生のスイッチが暴走してしまっている状態なので、コラーゲンの過形成を助長させる医療機器照射治療、他の製剤の注入治療などが一切出来ません。ウルセラやサーマクールほど強力ではなく、コラーゲンの再生を促す作用が少しでもあるもの、例えばフォトフェイシャルやジェネシスのようなマイルド系の照射でも悪化した複数の症例経験があります。スレッドリフトのように糸でコラーゲン線維の増生を促すものも同様に危険です。
また、成長因子注入から数年経過して、収束しただろうと考えて照射治療を行った結果、腫れあがってしまうこともありました。つまり、シミ治療、毛穴治療、引き締め治療、リフトアップ治療、シワ治療、小顔治療、といったほとんどの美容皮膚科治療が約1~3年、場合によっては5年以上出来なくなってしまうのです。
さらに、一度改善したように見えてもちょっとしたきっかけで再び腫れあがることがあります。誘因は風邪などの感染症、飲酒、疲れ、長時間の入浴などが多いですが、原因不明がほとんどです。このような理由から、成長因子系注入後のトラブル症例においては、できることが少なくキレイに仕上げることにも難渋するため、現在、当院では修正治療を受け付けておりません。だからこそ、ハイリスクな施術についての情報発信を続けているのです。
溶けないフィラー・非吸収性注入剤(他院修正)の受診前にご確認いただきたいこと
非吸収性注入製剤注射後、時間が経過すると、周囲の皮膚組織に変化が生じます。また、硬い製剤をスペースの少ない組織に注入すると皮膚が伸展し、修正注射後中身のボリュームが少なくなることで、施術部位にシワやたるみが生じる場合があります。特に過剰注入により長期間不自然に皮膚が伸びている場合、溶かした事で一時的に老けて見える場合があります。たるみの顕著な皮膚に対しては、ウルセラ、ソノクィーン、シルファームX等の引き締め照射治療や症状を軽減し滑らかに整える『ヒアルロン酸のタッチアップ注入』の併用治療が必要になります。正しくヒアルロン酸製剤を注入し直すことで、段階的に改善させます。
下記の場合は治療をお断りする場合がございますので予めご理解下さい
・鼻筋・涙袋形成・上瞼、浅層への注入例、バスト等のボディへの施術例。
・注入した製剤名が不明な場合。
・修正処置後に生じるシワやしぼみ感を受け入れられない場合。(程度には個人差があります)
・処置後に引き締め治療やタッチアップ注入をお受けいただく事ができない場合。
・当院で他院修正の診察を受けたが金額の問題で他の施設で溶解を受けた。結局改善しないのでもう一度診察してほしい。
・当院で他院修正を受け改善したが、別の施設で新たに受けた治療でまた失敗したのでもう一度他院修正治療を受けたい。
溶けないフィラー・非吸収性注入剤(他院修正)の痛み
麻酔が効いてからしっかりと冷やし、細い針で注射しますが、チクチク感はあります。脂肪溶解注射の場合、1週間ほど軽い筋肉痛様の痛みが続きます。
溶けないフィラー・非吸収性注入剤(他院修正)のリスクとダウンタイム
・ 肪溶解注射液を含む『ケイスキンオリジナル修正薬剤』は、施術後3日程度軽い腫れと熱感が出ます。
・ ヒアルロニダーゼ注射は薬剤による腫れや痛みは少ないですが、水分が入るので当日は少し浮腫みます。
・ 羊由来の『ヒアルロニダーゼ』はまれにアレルギー反応が生じる場合があります。過去に腫れた既往のある場合は必ずお申し出ください。繰り返すとアナフィラキシーショックを生じる危険性があるので溶解注射にはヒト由来の『ヒレネックス』を用います。
・ 溶解でボリュームダウンが生じると、シワやたるみが現れることがあります。
・ 当院では、極細の針を用いリスクを最小限にしていますが、しこりや拡散したヒアルロン酸製剤を狙って広範囲に注射するので内出血は避けられません。内出血が出た場合は10日~2週間かけて消退します。
・ 医師が施術後に軽く馴染ませますが、特に指示がない限り効果が安定するまでの1週間、注射部位を揉む等の刺激を与えないでください。注射後1カ月間はエステやマッサージ・他施設での施術を避けてください。
・ 治療当日は内出血のリスクが高まる為、入浴や飲酒はなるべく控えてください。
溶けないフィラー・非吸収性注入剤(他院修正)の持続と頻度について
修正注射後2~3週間で効果が現れます。症状により4週間毎に3~4回繰り返し注射を行います。
※効果には個人差があり、無効な場合も多々あります。
溶けないフィラー・非吸収性注入剤(他院修正)の禁忌事項について
下記に該当される方は、この治療を受けられないことがあるのでご相談ください。
・ レシチン(大豆)アレルギーの方・ヒアルロニダーゼアレルギーの方
・ 注射希望部位に無治療の感染症及び炎症がある方
・ 血液凝固障害・重症気管支喘息・甲状腺機能亢進症・てんかん・重篤な心疾患などの全身疾患のある方
・ 妊婦または妊娠している可能性のある方、授乳中の方
*安全のため、他院での美容医療の治療歴を担当者にお伝えください。
*麻酔薬や内服薬に対してアレルギーのある方、喘息の既往がある方は事前にお申し出下さい。但し、今までにそのような経験がなくても、麻酔薬に対するアナフィラキシーショック(呼吸が苦しくなる、血圧が下がる等)を生じることは極めてまれに起こりえます。その場合は、速やかに適切な処置を致します。
溶けないフィラー・非吸収性注入製剤(他院の修正)のワンポイントアドバイスせっかく、綺麗になるために、注入治療を受けたのに・・・「凸凹して失敗だった」「しこりが残っている」「違うシワが出来てしまった」とお悩みになり、当院にご相談にいらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。ヒアルロン酸注入の場合は、ヒアルロニダーゼという分解酵素修正が可能ですが、溶解不可能な製剤の場合は絶望的な気分になる方も多いことと思います。完全に回復させることは困難ですが、症状の程度によっては、目立ちにくくすることができます。適応を見極め、手術が必要と判断すれば、除去手術の名医をご紹介いたします。美容医療や注入治療を怖いものだと思ってしまうのは本当に残念なことです。当院は99%の方が満足されるものでも、1%の方に回復不可能な後遺症が生じるリスクがある製剤や施術は行わない方針です。主にヒアルロン酸注入を行っておりますが、施術においては、解剖学的知識と肌質の見極め、正しい部位に注入するテクニックや経験に加え、美的センスが必要です。また、安全性の高い製剤を選び、注入のメリットと限界を知った上で、患者様がご希望されても過剰な注入をしないといった医師のポリシーが求められます。美しさは他者と比較するものではなく、その方の骨格と顔立ちによって微妙なバランス感覚が求められます。ぜひ当院にご相談いただき、美容注入治療の魅力を再認識してください。
溶けないフィラー・非吸収性注入製剤(他院の修正)の施術の流れドクター診察、カウンセリング施術前に、担当する医師が骨格や肌質、肌年齢などの診察を行います。溶けないフィラー・の残存状態を確認し、修正治療適応の有無について見極めます。理想とする状態について細かく伺いながらカウンセリングを行い、脂肪溶解注射やケナコルト注射をするポイント、ヒアルロン酸製剤を追加注入する部位や量など治療プランを決めていきます。注意点やアフターケアについても詳しく説明いたしますので、ご不明な点や不安なことがあれば遠慮せずにご質問ください。
同意書記入スタッフより治療内容・施術後の注意・治療費・治療スケジュールなど詳細をご案内させていただき、同意書にサインを頂戴します。この間に麻酔クリームを外用しますので、痛みに弱い方もご安心下さい。
修正処置33Gナノニードル(極細針)を使用し、脂肪溶解注射やケナコルト注射を一滴ずつ丁寧に注射いたしますので、痛みはもちろん、施術後の内出血などのダウンタイムもかなり軽減されています。過剰な施術を避けるため、初回は少量の注射に留めますので、ご安心ください。
終了脂肪溶解注射やケナコルト注射をした部分を10分程度冷却し、施術は終了です。直後のスキンケアやメイクは治療部位を避けて優しく行ってください。当日夜のスキンケアは施術終了後最低2~3時間空け、刺激のないクリームを優しく塗る程度としてください。翌日には通常のスキンケアとメイクが可能です。当日は飲酒、激しい運動、長風呂など、血流を上げる行為は避け、早めにご就寝ください。