爪を短く切りすぎると、爪の端の部分がトゲ状に皮膚に食い込むことがあり、これを「陥入爪」と呼びます。足の親指に多く、足に合わない靴を履く・つま先をぶつける・つま先に力がかかる・深爪・体重増加などが原因になります。初めは痛みを感じる程度ですが、進行すると、さらに深く爪が食い込み、赤く腫れあがったり、二次感染を起こして膿をもったり、化膿性の肉芽腫を併発したりすることもあるので注意が必要です。
緊急的な処置としては、食い込んだ爪を部分的に切除し、機械的な刺激を避け、炎症症状があれば抗生剤を内服いただきます。セルフケアとしては、深爪にならないように気をつけて爪を伸ばしていただき、爪の長さは指の先端より少し出るくらいとし、スクエアシェイプに整えることがポイントです。伸ばしている途中で痛みが出てくるようであれば、アクリル樹脂のつけ爪をつけるという選択肢もあります。爪にかぶさっている皮膚を外側に引っ張るようにテーピング固定することも効果的で、このように対処をしながら頑張って伸ばしていただきます。
両端がくるっと巻き込んでいる「巻き爪」タイプの場合には、爪の両端に形状記憶ワイヤー(超弾性ワイヤー)を通したり、形状記憶合金プレートを固定したりして巻き爪を矯正することが可能です。根治術として、巻き込んでしまう部分や食い込んでしまう部分を端から数mm程度切り取り、爪の根元を処置して爪が生えないようにする方法「フェノール法」もありますが、爪の幅が細くなることと、再発する可能性も高いことから最近ではあまり行われなくなっています。
銀座ケイスキンクリニックでは直線記憶の超弾性ワイヤーを通して巻き爪を治す「ワイヤー法」を行っています。麻酔不要、短時間処理、2~3日で効果が実感できることから人気の方法です。
ワイヤーを通す幅が必要なため、爪の先端の白い部分を5mm以上伸ばしていただく必要があります。挿入したワイヤーは医療用アロンアルファで固定します。爪が薄過ぎる、厚すぎる、脆い場合はワイヤーが固定できないこともあるのでご了承ください。治療後は、ワイヤーの弾性で食い込みが改善します。1~2か月で爪が伸びるたら、ワイヤーごと爪をカットします。改善していない場合は、もう一度同じ処置をすることがあります。
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