緑色爪は、爪甲が緑色に染まっている状態で原因は、細菌の一種である緑膿菌の感染によるものです。緑膿菌性急性爪囲炎に伴う場合と、変性した爪に緑膿菌が増殖して着色する場合があります。緑膿菌は腸内細菌の一つで、湿った環境を好む色素産生菌で、水回りに常在しています。爪甲剥離症(爪と皮膚の間に隙間が出来る)などがあると、爪甲の下に侵入し、繁殖することがあります。爪甲が緑色~褐色調を示すようになりますが、自覚症状はありません。白癬菌やカンジタなどの真菌症(カビ)との合併例もあるため、念のため顕微鏡検査で確認します。
治療方法としては、浮き上がっている爪甲を出来るだけ爪切りやメスで取り除いて、患部を乾燥させ、抗菌薬の外用を行います。真菌症の合併があれば、抗真菌薬の内服や外用薬を併用します。近年、多発しているのは爪甲の上に付け爪(スカルプチュア・ネイルやジェル・ネイル)をしたことが原因で発症するグリーンネイルです。ジェルネイルは紫外線による「光重合」を応用して硬化させます。ジェルは硬化するとわずかに縮み、爪のカーブが広がります。ところが新しく伸びた爪は変形していないので、付け爪が自爪から浮いてくるのです。
付け爪と自身の爪甲との間にできた隙間に湿潤した環境ができると緑膿菌感染を生じて変色することになります。まず付け爪を取り除いて患部の乾燥化を計り、自身の爪甲表面が変色していればヤスリで変色部分をけずります。そして、抗菌薬の外用剤を1日2~3回塗布します。付け爪はネイルサロンで外してもらってから皮膚科を受診しましょう。