色素性母斑・黒子・ホクロ・ほくろ

くろあざ、黒子(ほくろ)のことで、胎児の頃成長過程で生じた神経櫛由来の異常分化細胞である母斑細胞が、皮膚で増殖したものをいいます。

母斑細胞はメラニン色素を作る働きを持ち、増殖する皮膚の深さやメラニン色素の量により、ほくろの形態は異なり、褐色から茶色の平らな色素斑や皮膚から盛り上がったイボのようなものまで様々です。子供のころには平らでも、大人になると母斑細胞の数が増えて隆起してくることがあります。

また、ほくろは加齢によって色が薄くなる場合もあります。皮膚の深い部分、真皮内に母斑細胞があるものでは、多数の毛包を含んでほくろから毛が生えていることがあり、有毛性色素性母斑と言います。あまりにほくろに生える毛が太く気になるようであれば、抜いたり剃ったりせずにほくろを除去し、残った毛に対してはGentle Laseによる医療レーザー脱毛をおすすめしています。レーザー光を毛の中にあるメラニンに吸収させ、その後に起こる熱作用で、毛根と毛包(毛穴)を壊して脱毛させる方法です。これらの脱毛は毛周期(成長期・退縮期・休止期)のうち、成長期にある毛幹のみに作用しますので、処理回数は数回必要になります。

ほくろの切除にはCO2レーザー治療や切除縫合手術が一般的です。切除縫合手術の場合、ホクロの約3倍の大きさの線状の傷になります。術後は、厚めのガーゼで保護し、約1週間後に抜糸を行います。
大きさや部位、状態にもよりますが、術後数日は水に濡れない様にする必要があります。傷跡は線状に残りますが、一度に深く、広めに切除しますので、病理組織学的に顕微鏡で確認し、十分取りきれていれば再発の可能性はありません。縫合切除の一番のメリットは、組織学的に確定診断がつけられるところ、悪性腫瘍との鑑別ができるところと言えます。CO2レーザーは病変部のみを蒸散させるので、メスを用いる切除手術より圧倒的に傷口はきれいに仕上がり、術後の処置も比較的簡便です。
出血もほとんどなく、当日から入浴、洗顔の制限がありません。ただし ほくろは深くまで母斑細胞が存在するものもあり、1回の治療では取りきれずに再発することも多く、2〜3回に分けて手術が必要な場合もあります。一度に深く削りすぎると陥凹したり、逆に隆起した傷になることもあるため銀座ケイスキンクリニックでは、半年以内は3回までの保証で追加治療を行っています。

1回ごとの治療の傷を浅くすることで、切除縫合手術より目立ちにくい傷に仕上げることができ、深く大きなほくろも縫わずに治療が可能です。とても簡便なCO2レーザー治療ですが、悪性黒色腫(メラノーマ)、基底細胞癌などのほくろとよく似た皮膚癌には要注意です。悪性黒色腫(メラノーマ)は、はじめは隆起しない斑状の皮疹としてみられることが多く、ほくろとの鑑別が困難なこともありますが、経過とともに皮疹の一部ないし全体が隆起してきたり、非対称性で不規則な形状や色むらが出てきたり、急に大きくなり、最大径が6mmを超える大型の病巣となったりと通常のほくろとは異なります。

さらに進行すると表面の一部がびらんや潰瘍化することもあります。基底細胞癌は高齢者の顔の中央に好発するほくろに似た褐色結節で、悪性黒色腫に比べ悪性度の低いものの、いずれも切除縫合手術による全切除が必要です。銀座ケイスキンクリニックでのCO2レーザー治療は、皮膚科専門医がダーモスコピーによる臨床診断を行い、良性と判断したものにのみ行いますので安心です。悪性の可能性がある場合は、必ず大学病院等にご紹介し、皮膚生検など精査を受けるシステムが確立しています。

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