ステロイドホルモンは、その機能から糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド、性ホルモンなどに分類されますが、治療薬として用いられる「ステロイド」は主に糖質コルチコイドが使用されています。
ストレスを受けた時や体内にウイルスが侵入した時などに副腎皮質から分泌されるホルモンに似せて合成された薬剤で、全身療法として用いられる内服、注射剤と局所療法に用いられる外用剤があります。
抗炎症作用や免疫抑制作用等があるため、アトピー性皮膚炎や湿疹、やけど、虫刺され、その他皮膚科領域の幅広い疾患において、主にステロイド外用剤が治療薬として処方されています。外用剤は、作用の強さによって5段階にランク分けされており、症状の度合い、炎症の部位によって使い分ける必要があります。
改善においては比較的即効性がありますが、漠然と長期連用すると毛細血管拡張や皮膚萎縮、ステロイドざ瘡等の副作用をもたらすことがあります。薬剤の性質と個々の状況を把握した皮膚科専門医師の指示に基づき、適切な使用量、使用方法を守って使うことが大切です。ステロイド外用剤は効果と安全性に優れた薬ですが、近年マスコミの誤った報道によりステロイド拒否の患者様が増えています。
民間療法などの商売目的にステロイドを悪と決めつけ正しい治療を受けられず、アトピー性皮膚炎が急激に悪化し紅皮症となったり、日常生活に支障を来すことがあり、社会問題になっています。