食事などで過剰摂取し代謝しきれなかった糖がタンパク質と結びつき、劣化したタンパク質に変わるサイクルを糖化(メイラード反応)と呼びます。砂糖が焦げて黒くなった状態や、お肉を焼いた時に表面が焦げて茶色くなり固くなるのも糖化現象の一つです。
肌を支え、若々しさを保つコラーゲン線維やエラスチン線維はタンパク質で出来ているので、代謝されなかった糖と結びつくと固くなり、弾力性・柔軟性が低下して皮膚がたるんだり、ゴワついた硬い肌になったりします。
さらに、糖化によってできる糖化最終生成物AGEs(Advanced Glycation End products)には「褐色化する」という特徴があり、これが肌にたまると肌が黒く黄ばんでくすみます。ヒトはAGEsを分解する酵素を持たないため、一度できるとそのまま体内に蓄積され、なかなか排出されません。糖化が進むといくら表面から角質ケアや美白ケアをしても、肌の柔らかさや透明感を取り戻すのが難しくなります。ケアをしても取れないくすみ(黄ぐずみ)はメラニンのせいではなく糖化によるものです。
このような性質から、糖化研究の重点は、糖化を体内で起こらないよう予防する「抗糖化」に置かれています。
しかしながら糖は人間にとって生命維持の為欠かせない大切なエネルギー源です。『摂らない』のではなくGI値(低いほど血糖値の上昇が遅くなり、糖化リスクも低い)が低い食材や、GI値を下げる効果のある食品を上手に組み合わせてバランス良く食事する事が大切です。