多汗症は、交感神経が失調し、体温上昇とは関係なくエクリン汗腺より汗が過剰に分泌される疾患のことをいいます。汗腺の比較的多い頭部・掌蹠(手の平、足の裏)・わき(腋窩)に多く見られ、緊張や不安、気持ちの持ち方などの精神的な原因による発汗ではなく、身体機能の失調により引き起こされる病的な発汗を指します。
全身にみられる「全身性多汗症」は体質によるほか、有熱性疾患、バセドウ病、リウマチ性関節炎、糖尿病、体温調節中枢の異常や薬剤、妊娠や更年期などでみられます。体の特定の部分にみられる「局所性多汗症」は、顔面、わきの下、掌蹠、外陰部に精神的な緊張で普通以上に汗をかくものをいいます。また多汗症には重症度分類(HDSS)があり、
1:発汗は全く気にならず日常生活に全く支障がない。
2:発汗は我慢ができるが日常生活に時々支障がある。
3:発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある。
4:発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある。
に分けられ、3と4の場合を重症の指標としています。治療は塩化アルミニウム液、抗コリン剤、精神安定剤、漢方、イオントフォレーシス、ボトックス注射、交感神経ブロック、手術などがあります。重症度分類の3と4にあたるワキの重症多汗症にはボトックスの局所注射が2012年11月より保険適応になりました。またワキの多汗症と腋臭症(わきが・ワキガ)を同じ病気であると思っている方がいますが、両者は違う病気です。銀座ケイスキンクリニックでは、厚生労働省で認可されているアラガン社のボトックスビスタを使用しております。外用麻酔後に極細の針で、わきの皮膚の浅い部分にボトックスを細かく注入していきます。
痛みは少々チクチクする程度です。効果は半年~10か月ほど持続しますので、2~3シーズン楽に過ごすことができます。レーザー脱毛で腋毛を減らし、ボトックス注射でワキの多汗症を治療するとワキガを軽減させる効果があり人気治療となっています。
関連治療
レーザー脱毛、ボトックス注射(多汗症)