レチノイン酸とは、ビタミンAの誘導体で生理活性はビタミンAの約100~300倍と言われ、別名トレチノインとも呼ばれています。
米国ではシミ・しわ・ニキビの治療医薬品として、FDA(Food and Drug Administration)に認可されており、日本でもシミ・しわ・ニキビの改善を目的に医師の診察のもとに処方することが義務づけられた外用剤です。
レチノイン酸は、表皮の新陳代謝を促進してターンオーバーを正常化し、古くなった過剰な角質を減らす働きがあります。毛包部の過角化を解消し、皮脂分泌を抑えることで、ニキビを出来にくくします。
また、線維芽細胞の働きを活発にしてコラーゲン線維の産生を促し、ちりめんじわが解消され、はりのある若々しい肌を作ります。レチノイン酸(トレチノインナノエッグ)を使用すると、皮膚の代謝、ターンオーバーを活性化することにより、一時的に、皮膚が薄く剥けて乾燥したり、赤くなったり、ヒリヒリしたりすることがあります。
そこで、聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センターで、上記のような副反応を抑えるため、レチノイン酸をナノカプセル化したトレチノインナノエッグが開発されました。トレチノインナノエッグは、レチノイン酸をナノスケール(直径15~20ナノメートル)の無機質コーティングカプセルにすることで、安定性や透過性が向上し、従来のレチノイン酸に比べ、炎症反応が軽減され、少量でもより効果的にターゲットとする表皮細胞へ到達できるようになりました。
トレチノインナノエッグは、シミ、くすみ、肝斑、ニキビ、脂漏肌、ニキビ跡の色素沈着、虫さされや熱傷後の色素沈着、ちりめんじわ、老化肌の改善に効果的で、シミ、くすみ、肝斑、色素沈着の治療には、メラニン産生を抑制するハイドロキノンクリームと一緒に使用するとより効果的です。