腋臭症(わきが・ワキガ)は、汗腺の「アポクリン腺」から出る汗が原因です。
エクリン腺は全身にあるのに対して、アポクリン腺は脇の下や外耳道・外陰部など体毛が生えている部位に限られ、汗自体は無臭ですが、皮脂や細菌、エクリン腺から出た汗などと絡み合い不快な特有の臭いを発します。遺伝傾向がみられ、しばしば軟耳垢が認められます。
また夏季、運動時、不潔時などに症状著明となり、黄菌毛(多汗で不潔にしている人の腋毛・陰毛に、菌塊が固着して全体が黄色の粉末をまぶしたような外観)を合併することもあります。発汗量が多いと増悪するため、治療としてはまずエクリン腺からの発汗量を抑え、表面の細菌を抑えることが大切です。
発汗抑制については多汗症の治療(塩化アルミニウム液、抗コリン剤、精神安定剤、漢方、イオントフォレーシス、ボトックス注射、交感神経ブロック、手術など)を行い、剃毛、レーザー脱毛による常在細菌の培地の減少、アルコール消毒・制汗剤による殺菌で細菌を抑えます。
ただし、これらは保存的な治療であり、永続的な治療では手術によるアポクリン腺の破壊・除去があります。日本人の腋臭症(ワキガ)は本人が思うよりも軽症例が多く、レーザー脱毛とボトックス注射で充分満足なさる場合がほとんどです。