特集「やってはいけない!夏のNG美顔ケア6」に慶田院長の監修記事が掲載されました。
こちらの記事の内容は、6月25日に発売された慶田院長の拙著『女医が教える、やってはいけない美容法33』の一部を抜粋したものです。
洗顔後には念入りにマッサージ...
テレビを見ながらローラーをコロコロ...
よかれと思ったその習慣が、かえってトラブルを招いてしまうことがあります。
●キレイになるためのお手入れのはずが、"シワシワ肌""輪郭崩壊"の原因に!?
夏本番、日差しによるダメージから肌を守るための対策は必須です。同時に体型がわかる服装になる季節とあって、小顔になるためのケアを意識する人も多いようです。どのような美容習慣を心がけているのか、クリニックを訪れる方に問診すると、美肌のためにと思っていた行為が、じつは肌を痛めつけていたというケースが本当に多くあります。
きちんと洗顔して、保湿をする!外に出るときにはUVケアをすることが美肌キープの基本!ですが、マッサージやパックなどをやりすぎてしまったために、かえって肌への負担を作り出している方も多くあります。
肌の老化の原因の8割は紫外線によるものです。朝、お手入れの際には洗顔、保湿、日焼け止めをしっかり塗って正しいケアを行えば美肌をキープできます。ところが、美に対する意識が高いゆえ、やりすぎてしまい肌にダメージを与えてしまってクリニックを訪れる人が多くいます。
【シートマスクの防腐剤が肌トラブルの原因に】
まずはメイク落としの際のクレンジングマッサー!汗をたくさんかく季節にはベタつく顔をスッキリさせようと、マッサージしながら毛穴の汚れをとろうと念入りにクレンジングしたくなりますが、メイク落としに含まれる成分が肌の潤いのもとをメイクと一緒に溶かし、乾燥肌にしてしまうこともあります。マッサージはむくみを取る効果はありますが、リフトアップまでは望めませんし、乾燥を悪化させます。マッサージをするなら、洗顔後に乳液をつけてゆっくり行うほうがいいでしょう。また、洗顔後にシートマスクを顔に長時間貼るケアがブームになっていますが、大容量タイプのシートの使いすぎはNGです。これは細菌がついた素手で取り出すことを想定しているため、個別に包装されたものよりも強い防腐剤が含まれていることがあるためで、トラブルのもとになりかねません。
美肌をキープするためには、十分な睡眠と食事も不可欠です。しかし、薄着の季節に急いでダイエットをしようと、脂肪分や油分をカットしたがる人もいます。コレステロール等の油脂は、肌の潤いのもと細胞間脂質を作る大切な材料でもあります。必要以上に油を抜くダイエットで肌はシワシワになってしまうので、食事制限はしても、適度な栄養素は確保してください。
その他、顔まわりのシルエットが気になるからとよくやりがちな美容習慣では、たるみを解消すると話題の〝顔ヨガ〟はやりすぎに注意してください!
皮膚と筋肉は綱引きのようにバランスをとっていて、口を両端に『イー』と動かすと、下顎からフェイスラインにかけて引き下げる筋肉、首筋の左右に浮かぶ広頚筋という薄い筋肉が発達して、かえって皮膚のたるみを助長し〝輪郭の崩壊〟を招くこともあります。テレビを見ながら顔をマッサージするだけで人気の根強いコロコロローラーにも注意です。皮膚を筋膜と骨に固定しているコラーゲン線維は、引っ張る力にダメージを受けやすく、マッサージローラーで皮膚をつかんで引っ張ると、伸びて弱くなります。
適度に使用するぶんにはむくみを解消させるメリットは得られるので、朝起きて顔がむくんでいるときなど、軽く短時間転がす程度にしましょう。
最後に、近年若い層だけでなく中高年女性の間にも流行している、目元をパッチリ印象づけるためにまつ毛エクステ!これにはまぶたが下がってしまう「眼瞼下垂」を招くリスクがあります。上まぶたを持ち上げる筋肉に、まつエクの重さが負担になり、思うように眼が開かなくなくなってしまいます。長時間続けていると少しずつ悪化するので、中止するか、本数を減らす、軽いタイプに替える、などの工夫が必要です。
美しさを保つための習慣には、情報の取捨選択が大切です。誤ったケアで時間や労力を無駄にしないよう、気をつけましょう。
欠かさず行っている美容習慣を、一度見直してみましょう。
【NG習慣】
《過度なクレンジングマッサージ》
メイクを落とすのに欠かせないクレンジングは、時間をかけすぎるとクレンジング料に含まれる界面活性剤が肌の潤いを奪ってしまい、乾燥肌や肌あれの原因になります。肌にのせてから1分以内にすすぎましょう。
《シートマスクを顔に長時間貼る》
シートマスクには、保湿成分などのほかに防腐剤が含まれている。長時間貼ると肌に刺激を与え、バリア機能を壊す可能性があります。使用時間は10分以内として、個別包装のものを週1〜2回程度使うようにしましょう。
《油抜きはシワシワ肌に》
油脂を取らない食生活を続けていくと、肌のバリア機能が低下して、乾燥してちりめんシワができてしまいます。食事制限をしてもいいが、オリーブオイルや「オメガ3系脂肪酸」を含む亜麻仁油や荏胡麻油を摂りましょう。
《顔ヨガで輪郭が崩壊》
目を大きく見開いたり、口を大きく動かしたりすることで表情筋を鍛え、リフトアップ効果があると言われていますが、むしろ、目元や口周りに表情ジワが深くなり老け顔を助長してしまうこともあります。
《コロコロローラーでたるみ加速》
Y字の先のローラーで肌の上をコロコロ転がすマッサージ器は、やりすぎると皮下組織にある「コラーゲン線維」を傷つけて、たるみが加速しやすくなることもあります。むくみを取るために週2回くらいを限度にとどめましょう。
《まつげエクステでまぶたが下がる》
手っ取り早く目元をパッチリした印象に見せたい、という人に人気の「まつエク」だが、接着剤の成分でまぶたがかぶれるほか、まぶたが重く下がってくる「眼瞼下垂」の進行を早めてしまうリスクがあります。
著者『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)をご参考に、ご一読ください。