雑誌『婦人公論』 2019年8月9日号(7月23日発売 掲載ページP76~77)

特集:美容の豆知識 おいしく食べてキレイになろう「夏の紫外線対策に、高カカオチョコレートが大活躍!」に慶田院長の監修記事が掲載されました。

強力な日差しが降り注ぐ夏の盛り、日焼け止めクリームを塗るだけでは、紫外線対策は十分ではありません。美容と健康のためには、インナーケアのプラスが必須です。

【紫外線は肌の老化のほか、健康被害を招くことも】
紫外線が強い季節になりました。オゾン層の破壊などにより、地球に降り注ぐ紫外線量は昔よりも増えていると言われています。出かける時にUVケアをしていても、それだけでは不十分です特に夏の薄い衣類では紫外線が透過してしまうため、肩や胸元も日焼けしてしまいます。

日焼け止めには、SPFなどの表示がありますが、これは紫外線B波を浴びて、かすかに赤くなるまでの時間(MED:最小紅斑量)が何倍長くなるかを表したものです。MEDは個人差がありますが、日本人の平均が1MED=20分なので、SPF30の日焼け止めを塗ると約600分(約10時間)赤くならずにすむとされています。
しかし、この数値(SPF)は2mg/㎠という超厚塗りで測定した時の数値です。そのため、実際に肌に伸ばした時には、表示のSPF値の1/5程度しか効果が発揮されません。つまり、SPF30の日焼け止めの効果は2時間程度しか続かないということになります。

ですから、UVケアをして出かけたとしても、2~3時間に1度は、こまめに塗り直す必要があります。時間が経つと紫外線吸収剤は化学的に劣化し、紫外線散乱剤は凝集してしまうので紫外線防御力は下がります。また、汗や皮脂で流れたり、衣服でこすれて落ちることもあります。屋内にいる時間が長い方でも、お昼ぐらいには塗り直しましょう。メイクの上から日焼け止めクリームを重ねても構いませんが、仕上がりが気になるようなら、SPF効果のあるファンデーションをポンポンと重ねてください。

体には、服を着る前に塗ることをおすすめします。(服を着てからだと日焼け止めがつかないようにと塗る量が控えめになりがちです)
腕はもちろん胸のあたりからあごの下、首の後ろにもしっかり塗りましょう。日焼け止めの塗布が十分ではない「スキマ」になりやすい箇所は、耳、額、鼻(汗などにより落ちやすい)、あご下、首やデコルテ、足の甲(サンダルのベルトまわり)などです。地面からの反射や、日陰に入ってくる日差しでも日焼けしますので要注意です。

紫外線による影響は、シミやシワ、たるみなどの「光老化」だけでなく、細胞のDNAが損傷されるので、修復が間に合わないと老人性イボや皮膚がんに進行するリスクもあります。さらに免疫力が低下し、疲れやすくなったり、ヘルペスが出たりします。このように健康維持の面からみても、紫外線対策は必須なのです。
 
目安は「実使用でSPF15 」をキープすること。SPF50の日焼け止めを塗っていても、実際には10程度の効果ですから、あと「5」足りません。足りない分は、UV効果のある化粧品を重ね塗りしたり、衣類で覆ったり、インナーケアで補うことが大切です。抗酸化作用の期待できる食品を日々摂れば、血管の老化予防、ひいては病気の予防にもつながります。

また、UVケアをサポートするサプリメントを併用するというのもひとつの手です。
飲む日焼け止め「ヘリオケアウルトラD」は抗酸化作用の高い成分が理想的に配合されており、紫外線以外でも発生する活性酸素からも体を守り、免疫力を高めてくれます。
『ヘリオケア(飲む日焼け止め)』https://www.ks-skin.com/35h11/ 
また、抗酸化作用と抗糖化作用を持ち合わせる「ソルプロプリュスホワイト」の組み合わせが当院では人気です。
・ヘリオケアウルトラD 1箱(30カプセル/30日分) ¥6,000
・ソルプロホワイトプリュス 1箱(30カプセル/30日分) ¥5,000

【抗酸化作用の高い「カカオポリフェノール」】
ポリフェノールは高い抗酸化作用を持つと言われ、緑黄色野菜や緑茶、赤ワインなどに含まれています。トマトやパプリカ、ブロッコリー、ブルーベリーなどの鮮やかな色や苦み、えぐみなどがその正体です。そして、チョコレートにもカカオポリフェノールという抗酸化成分が含まれています。なかでも、カカオが70%以上配合されている高カカオチョコレートには、多くのポリフェノールが含まれていて、植物性食品ではダントツの量です。
ある研究では、高カカオポリフェノールである、カカオフラバノール320mg入りのココアドリンクを毎日連続で3か月摂取したことで皮膚の弾力が高まり、6か月摂取によって、『最小紅斑量』=『B波紫外線が照射されて微かな赤みが出現するまでの時間(分)』が長くなり、紫外線への防御力が高まるという報告がされています。また、皮膚のキメが整うという結果も出ているので、紫外線による皮膚中のコラーゲンの断裂や分解が抑制される可能性が示唆されます。

さらに、別の研究では、1日当たり、カカオフラバノールが326 mg入った高カカオドリンクを12週間摂取したことで、水分量・バリア機能・皮膚の厚み・血流量が改善し、紫外線防御効果が高まったという報告もあります。
そのほかに抗酸化作用が期待できるのがビタミンEです。アーモンドにはビタミンEが多く含まれているため、高カカオチョコレートとアーモンドの組み合わせは、紫外線対策に最強と言えるでしょう。
カカオ70%以上のチョコレートを1日25gほど、個包装になっているものなら3~5個程度を目安に、アーモンドとともに摂るのがおすすめです。野菜は持ち歩くのが難しいですが、高カカオチョコレートなら気軽に携帯できて便利なのがメリットです。

≪チョコレートにまつわる【ウソ】【ホント】≫
●チョコレートは太りやすい➡ウソ
チョコレートに含まれる主な脂質は「ステアリン酸」という、体内で吸収されにくいものです。次に含有量が多いのが、オリーブオイルに多く含まれる「オレイン酸」です。酸化しにくい脂で、生活習慣病予防にも良いと言われています。
また、チョコレートは糖質の吸収をおだやかにする低GI食品です。ですから、高カカオポリフェノールを謳う商品の場合、糖質と脂質が少ないので、太りやすさに関してはあまり気にする必要はないと思います。もちろん食べ過ぎはNGです。

●チョコレートを食べると虫歯になる➡ウソ
カカオには、むし歯や歯周病の予防に効果的な「テオブロミン」という成分が含まれています。歯のエナメル質の再石灰化を促し、歯を強くする効果で、フッ素化合物よりも強力であるという研究発表もあります。実際に、「テオブロミン」配合の歯磨き粉も販売されているほどです。ただし、砂糖が多く入っているチョコレートを食べた時はしっかり歯磨きをしてください。

●昔チョコレートは、薬として用いられていた➡ホント
チョコレートの主成分となるカカオは、学名を「テオブロマ」といい「神の食べ物」という意味があります。古代、カカオは超高級品で、不老長寿、疲労回復や滋養強壮の薬として高貴な身分の人に愛飲されていました。

この夏の紫外線対策は、高カカオチョコレートでインナーケアをプラスして、美肌を目指しましょう。

是非、ご一読ください。

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