富士薬品発行『健康通信』2021年7月号

富士薬品発行のオリジナルフリーペーパーの特集『人には聞けない健康のあれこれこっそり相談室 夏場の気になる汗そのニオイの原因は?』(P13)に慶田院長監修・取材記事が掲載されました。

発汗は、気温の上昇や運動による体温調節を担っている大切な機能です。
しかし、気温や湿度が上昇して汗をたくさんかく夏場、一段と気になるのがニオイ問題です。汗を分泌する汗腺には、「エクリン腺」と、わきの下など特定の部位にある「アポクリン腺」の2種類があります。
♢「エクリン腺」は全身に分布し、体温の調節を行うのが主な働きで、その99%は水分、それ以外の成分はほぼ塩分のため無色無臭です。たくさん汗をかいたあと、服に白い跡が残るのはそのためです。
ただし、もともとは無臭のエクリン汗も、大量に汗をかいてそのまま放置すると皮膚上に存在する常在菌が汗の中の成分を分解し、変質させることでニオイが発生します。
♢「アポクリン腺」は、ワキの下、外耳道、へそ、乳輪回り、デリケートゾーンなど、毛が多く生えている限られた部位に分布しています。脂質やタンパク質などニオイのもととなる成分を多く含み、細菌の分解によって臭いが発生しワキガ臭の原因になります。

■疲労やストレスがニオイの原因になることも!
緊張や焦りなどによる精神的な汗は「緊張汗」(精神性発汗)と呼びます。疲労やストレスが蓄積すると肝臓がうまく機能せず、体内で作られたアンモニアが尿として排泄されず体内にたまりニオイが強くなるといわれています。
肝臓機能の低下は、過度な労働や加齢による疲労の蓄積、ストレスによる免疫力の低下、飲酒、肥満などが原因です。一回の飲酒量は少なめ(日本酒は1合、ワインはグラス2杯、ビールは3杯程度)に保ち、休肝日を設けるようにしてください。定期的に運動をしたり、気晴らしの趣味を楽しむことも効果的です。また、体内に取り込む食品もニオイに直接影響するため、健康的な食事バランスを心がけましょう。カレーやキムチ、ニンニクなど、刺激の強い食品はニオイに影響があるので適量に調節をし、野菜、海藻、発酵食品を多く摂るように意識することが大切です。

■夏に実践したい汗のニオイ対策
毎日、全身を洗うことと、汗をかいたら早めに拭き取ることが基本です。拭き取るときに乾いたタオルで拭いた場合、水分は吸収しますがニオイの成分が皮膚の表面に残ってしまうため、ボディシートか濡らしてしぼったタオルを使って、早めにニオイの元を取り除くようにしましょう。また、汗がしみこんだ下着や衣類などをそのままにしておくと、皮脂が酸化してにおいやすくなります。さらに、汗あれの原因になります。下着や夏のトップス類はそんなに荷物にならないので、着替えを持ち歩き、潔く着替えるのも有効です。

■美容医療で汗&ニオイ対策
★おすすめの治療『医療レーザー脱毛』×『脇ボトックス治療
『医療レーザー脱毛』は、レーザーの熱エネルギーが毛と毛の周囲に広がり脱毛効果を発揮するのですが、この熱は毛包に付着している皮脂腺にも作用します。それにより、アポクリン汗腺の活性が少し弱まるので実はワキガにも効果的なのです。当院で採用している『ジェントルレーズ・プロ』は、日本で初めて『医療レーザー脱毛』の効能で薬事承認を受けた医療機器で、デリケートゾーンなど、生理的に色素の濃い部位の脱毛も安全に短時間で照射できます。強い熱エネルギーによって毛と毛を作る器官(毛母)を壊すため、半永久的に毛が生えてこなくなります。さらに、レーザーの美白作用に加え、熱作用で皮膚も引き締まるので、継続すると肌のハリと透明感が高まります。
女性の場合、おりもの・月経血がありますし、普段の排泄時の尿・便なども毛があることで付着しやすく、デリケートゾーンが汚れやすい状態です。それらの汚れがもとになってニオイが発生します。陰毛は臭い物質が付着する温床となるので、『VIOラインのレーザー脱毛』がおすすめです。Vの部分を残すかどうかはお好みになりますが、IとOは衛生的にも全て脱毛するのがおすすめです。医療レーザーは出力が高いため、脇やVIOなら3回で毛量と毛の太さが半分になり、6回程度でほとんど剃らないでよい状態になります。(肌の色と毛量で必要な回数は異なります。)
また、"メスを使わない多汗症治療"として人気なのが『脇ボトックス注射』です。
ニオイのもととなるアポクリン汗腺、汗ジミとニオイを拡散させる原因ともなるエクリン汗腺の働きを弱める効果のあるボツリヌストキシンを利用して、ニオイと汗の量を軽減させます。この2つの治療を組み合わせると、より高い効果が得られます。なお、VIOエリアにボトックスを注射する『すそワキガボトックス注射』メニューもあるのでご相談ください。

暑い中、清潔感を保つには普段以上の気遣いが必要です。自分も周りの人も快適でいるために、においの原因や対策を知って、デオドラントケアを習慣にしましょう。
ぜひご参考になさってください。

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