特集「3人の達人に学ぶ。紫外線の正しい知識と対策」
慶田院長が紫外線対策の達人として、VTRとスタジオ生放送に出演しました。
シミやシワ...これら肌の大敵といえば紫外線。4月頃から徐々に増え、紫外線は7月~8月が最も強といわれています。紫外線量が強く、日照時間も長い、正に今が、最も対策が必要な時期といえます。太陽光は上から降りそそぐだけでなく、下からも反射しています。紫外線量は、紫外線量の強さと時間の掛け算で決まります。つまり、紫外線量の少ない曇りの日でも、長時間日に当たっていれば、晴れの日に短時間外出したのと同様の影響があるといえます。弱火でじっくり焼くか、強火で短時間焼くのかの違いに似ていますね。結果的にどちらも日焼けしてしまうと心得ましょう。もちろん、「発ガン」という観点では、リゾート地などの強い紫外線がリスクは高くなります。DNAにつく傷の数が多いため修復が間に合わなくなる可能性が強くなるからです。
紫外線にはどのような悪影響があるのでしょうか?
太陽から降りそそぐ光は、主に外に露出している肌と目の老化現象を引き起こします。これらを「光老化」と呼びます。太陽の光を無防備に浴びることで、強い作用を起こすのは、主に紫外線A波、B波。波長の短いB波は、主に肌表面(表皮)の細胞を傷つけることで、シミやイボの原因になり、長期的には皮膚がんのリスクも高めます。一方波長の長いA波は肌の深く(真皮)まで到達し、エラスチン線維・コラーゲン線維などを破壊することで、シワとたるみを引き起こしてしまいます。
肌の美しさのためだけでなく、将来的な皮膚がんの予防のためにも光対策が重要です。
では、目に対してどのような影響を与えるのでしょうか?
無防備に紫外線を浴びることで、白内障、加齢黄斑変性などの眼病を引き起こす恐れがあり、失明など重篤な障害になることがあります。
目のために、紫外線やブルーライトを効率的にカットすることが有効です。対策としては、サングラスを活用すると良いでしょう。
<紫外線対策クイズ>
問題1:
次の4つの野菜や果物のうち、紫外線対策のために朝食で積極的にとるべき食品はなんでしょう?
Aセロリ、Bイチジク、Cトマト、Eオレンジ
正解:
Cトマト
トマトはβカロテン、リコピンなど抗酸化作用が高い成分が豊富。夏の朝に食べることで、からだの中から紫外線への抵抗力を高める効果が期待できます。
スイカもトマト同様にリコピンが豊富なので、夏に一押し食材です。
問題2:
紫外線対策のために、朝摂取すると逆効果になるものはどれでしょうか?
Aリンゴ、Bキャベツ、Cパクチー、E大根
正解:
Cパクチー
果物や野菜の一部には、光毒性物質といわれる「ソラレン」を多く含むものがあります。朝に大量に食べると、2時間位で体内に吸収され、紫外線の害を高めてしまうことがわかっています。ソラレンを多く含む食品は、レモン、グレープフルーツ、オレンジなどの柑橘類、セロリ、パセリ、パクチーなどがあります。これらを朝にたくさん食べるのは避け、夕方以降にとるようにしましょう。
問題3:
サングラスは、色が濃いほど紫外線をカットする?〇か×か。
正解:
×
レンズの色の濃さと、紫外線のカット量はほとんど関係しません。そのレンズに紫外線カットの機能がどの位あるかを確認してから、買うようにしましょう。
問題4:
次の繊維のうち、紫外線カット効果が高いのはどれでしょうか?
Aシルク、B綿、Cナイロン、Dポリエステル
正解:
紫外線カット率はAシルク66.7%、B綿69.8%、Cナイロン66.7%、Dポリエステル86.5%ということで、同じ条件の厚さ、色、織り方の場合正解はDポリエステルとなります。その他の生地でも厚みがあり、密に織られたものは紫外線カット率が高く、また、色が濃い素材の方は紫外線カット効果が高くなります。最近では、薄く涼しい素材でもUVカット効果がある素材もでています。これからは生地の厚さや、UVカット加工にも注目して選びましょう。ちなみに、線維にはUPFという指標が表記されています。化粧品類のSPFと似た意味で、紫外線のカット力の目安になります。
日焼け止めなどの化粧品には紫外線防御能を示すっ数値が記載されています。SPFはシミやそばかす、皮膚がんの原因となる紫外線B波をカットする指数です。皮膚が赤くなるまでの時間を何倍延長できるかを表します。日焼けによるひりひりする症状もB波によるもの。一方PAは、肌の深部に到達し、シワやたるみなどを招くA波を防止する効果を指数化したもので、+~++++の4段階あります。夏は最高値の++++を選ぶようにしましょう。
日焼け止めを塗り、衣類で防御し、食べ物にも意識を向けながら楽しい夏をお過ごしくださいね。ぜひご参考になさってください。