特集「週末メンテ」(掲載P104~P105)に慶田院長の監修・取材記事が掲載されています。
【週末メンテ:気になる夏のニオイケアを万全に】
ソーシャルディスタンスを守っていても、ふと人との距離が近くなるシーンで気になってしまうニオイ。性別や年齢だけが原因ではなく、生活リズムやストレス、食事の内容、遺伝やホルモンバランスなどの様々な理由で、「ニオイ問題」は生じてしまうものです。これからの暑い季節は、汗やムレなど気になる悩みが増えるので、なおさら気をつけたい問題です。今回はそんな全身のニオイの原因と対処法について、本誌でお話させていただきました。
■ボディもお肌もココロもお手入れするための『TODOリスト』
TODO①:腸内環境の悪さが体臭の大きな原因。発酵食品を摂取し善玉菌を増やそう
体内に取り込む食品が直接ニオイに影響します。具体的には野菜をほとんど食べず、動物性たんぱく質ばかり摂取することで腸内環境が悪くなり、そのせいで便秘がちになると体臭がキツくなってしまいます。カレーやキムチ、ニンニクなど、刺激の強い食品もニオイに影響があるので、適量に調節をしましょう。また、普段から良質な腸内環境に整えるため、善玉菌が増えやすい野菜、海藻、発酵食品を多く摂るように意識しましょう。
TODO②:汗や皮脂による頭皮臭のケアは殺菌や制汗成分配合のシャンプーで!
30代前半までは、ラクトンという物質が加齢臭を消してくれるため、花のような甘い香りがするものです。女性は男性より皮脂量が少なく、脂臭は軽めです。でも、体温調整を司るエクリン汗腺由来の汗をかけば、誰でも汗臭くなってしまいます。特に、髪の毛に覆われてムレやすい頭皮はニオイやすいので対策が必須です。年々減少してしまうラクトンを配合した頭皮用のシャンプーを活用するのもありですが、洗い方も重要。ご自分の好みのシャンプーを用いて、良く泡立て、皮脂や汚れをきちんと落としながらケアしましょう。
TODO③:水虫や雑菌繁殖からくる足のニオイ。爪や足指の間をしっかり洗って防止
足は発汗量が多く、ムレて雑菌が繁殖しやすい部位です。足白癬(水虫)があると角質が厚くなり、強烈に臭くなることもあります。嫌なニオイを防ぐなら、通気性の良い靴や靴下を選び、汗をかいたらこまめに替えましょう。お風呂では、足指や爪の間もしっかりと洗ってください。水虫の可能性がある人は自己処理せず、早めに皮膚科医受診をしましょう。足専用のフットブラシを使うとしっかり洗浄でき、角質のケアにもなるのでおすすめです。水虫の原因菌である「白癬菌」は高温多湿の環境を好みます。梅雨時期から夏場にかけての高温多湿な時期に最も繁殖しやすいので足のケアは入念にしましょう。
★おすすめの治療法:『ジェネシス』
水虫の治療は、抗真菌薬の内服が主体になります。爪は薬剤が浸透しにくい部位であり、抗真菌薬の外用単独では治療効果が出にくいためです。けれども、肝機能障害などの基礎疾患がある場合や、他の内服薬との相互作用や併用禁忌などで内服出来ない場合は、外用治療に頼らざるを得ないこともあります。当院ではレーザー治療による温熱効果により爪白癬を殺菌させる治療を行なっております。
TODO④:口臭対策は口内環境を整えることが先決。歯磨きにマウスウォッシュをプラス
ドライマウスや口呼吸の影響で口腔内の細胞が増え、唾液が減ることで口臭が悪化します。また、歯磨きや舌ケアが丁寧にできていないと、食べかすが溜まったたり、舌垢が過剰に付着してニオイの原因になります。ガムを噛んで唾液を増やしたり、毎食後に歯間フロスで掃除するのを心がけましょう。胃腸の荒れも口臭が強烈になる原因なので、胃炎を患いがちな方は治療を優先するようにしましょう。歯磨き以外にも、マウスウォッシュをこまめに使って口臭を軽減させることを習慣にしてみましょう。
TODO⑤:"疲労臭"は肝機能の低下が原因。気晴らしの飲食はほどほどに
疲れが蓄積すると肝臓がうまく機能せず、体内でつくられたアンモニアが尿として排泄されずに体内に溜まり、汗として出るためニオイます。肝臓機能の低下は、過度な労働や加齢による疲労の蓄積、ストレスによる免疫力の低下、飲酒、肥満などが原因です。休肝日を設けてください。また、一回の飲酒量は少なめ(日本酒は1合、ワインはグラス2杯、ビールは3杯程度)に保ちましょう。定期的に運動をしたり、気晴らしの趣味を楽しむことも効果的です。夜は早めに就寝して、身体を休めましょう。
TODO⑥:デリケートゾーンのニオイはVIOのレーザー脱毛や、吸収性のいい下着選びで対策を
デリケートゾーンはムレて汗臭くなりやすく、尿や便、おりものや月経血が陰毛に絡みつくと、嫌なニオイの原因になります。体質による「すそワキガ」や子宮、膣の感染症によるおりものの悪臭にも注意が必要です。健康な女性のおりものは酸っぱいニオイがして、透明から微かな乳白色です。他のニオイや色に変化したら病気のサインかも。日頃から気をつけましょう。また、コットンなど吸湿性の良い素材の下着を選び、蒸れない衣類がおすすめです。優しく洗って清潔を保つことも基本です。
★おすすめの治療法:『VIOのレーザー脱毛』×『ボトックス注射』
陰毛は臭い物質が付着する温床となります。レーザー脱毛は汗腺だけでなく皮脂腺の働きも抑制する効果もあります。5回程度受けると、処理が相当楽になり、下着の蒸れなども軽減され快適になります。「衛生・清潔な状態」を意味するハイジニーナ脱毛(VIO全脱毛)する方も最近増えています。
さらにボトックス注射の治療を組み合わせることで、ニオイの軽減に相乗効果があります。ニオイのもととなるアポクリン汗腺、ニオイを拡散させる原因ともなるエクリン汗腺の働きを弱める効果のあるボツリヌストキシンを利用して、ニオイと汗量を軽減させる治療です。外性器周辺と陰毛部に注射を打つだけなので施術時間が15分程度と短く手軽でありながら、効果は半年~10か月程持続します。
TODO⑦:夏のフレグランスは柑橘・植物系など爽やかなものが◎
耳の後ろや手首、足首などにフレグランスをつけると、それぞれの体臭と混ざって魅力的な香りになります。自分のニオイと付き合っていく手段として有効です。
体臭の強い人は、すっきりとした香りのものを選んでみましょう。特に夏は柑橘系や植物系の爽やかなものがおすすめです。"香水"とひと口に言っても、香料の濃度によって持続時間が変わるので、シチュエーションにあったものを探してみてください。濃度が低く、香りがキツすぎないオードトワレは気軽に挑戦できておすすめです。ただし、つけ直す際は少し時間を空けましょう。