産婦人科医師のための学術誌、『産科と婦人科 2015年増刊号「よく分かる検査と診断」』に院長の論文が掲載されました。
産婦人科領域は周産期、生殖内分泌、婦人科腫瘍、女性医学の4つのサブスペシャリティーに分かれており、各領域には特有の多くの疾患が存在します。産婦人科医師は、日常臨床の現場で、これらの疾患群を診断し、適切な治療をするために様々な検査を行っています。今回の特集号では、「よく分かる検査と診断」というタイトルで、疾患や症候からみた適切な検査方法や診断、さらには検査方法からみた場合の検査対象、診断について、検査を中心にコンパクトに分かりやすく解説されています。院長が依頼された内容は、
「第1章 周産期分野」の中の、「B.妊娠中の合併症」のうち、「妊婦に特有の皮膚疾患」についてです。
妊娠と皮膚病変に関しては、3本目の論文となります。妊婦にみられる皮膚の変化を大別すると、①妊娠に伴う生理的な変化、②妊娠に特異的な皮膚病変、③その他の妊娠中に見られる皮膚疾患に分類できます。妊娠に特異的な皮膚病変はその激しい痒みのため、精神的に不安定になりがちです。妊婦をいたずらに心配させないよう十分な説明と、妊娠中でも比較的安全に使用できる薬剤や紫外線療法などによる積極的な治療が重要となってきます。また、③は湿疹や感染症などが妊婦に生じたもので、感染症に関しては、皮膚科専門医の適切な治療、産婦人科医との連携が必要になることもあります。
また、最近では①に含まれる妊娠中の肝斑や色素増強、多毛などに対する積極的な治療をご希望される女性が増えています。「妊娠と皮膚疾患」のスペシャリストに是非ご相談ください。