雑誌『美ST』2017年11月号(9月17日発売 掲載ページP58~59)

特集『こだわりすぎて、こじらせていませんか?〝スキンケア好き〟こそ要注意!「そんな保湿はやめなさい」』に慶田院長の監修記事が掲載されました。

いいと聞けば、何でも試し、悪いと思ったら徹底排除。それを繰り返し、誤ったスキンケア法を正しいと信じ込んで疑わず実践する人が増加。でもそれって本当に肌にいいことなの?理にかなっている?いつの間にか自己満足なっていませんか?
その疑問に皮膚科専門医がお答えしました。

① 乾燥が心配だから、洗顔はお湯だけ。
A.洗いすぎると乾燥の原因になるからと、洗顔料を使わないのは要注意です。夜に塗った化粧品が酸化すると刺激になる恐れが。洗顔料を用いるのが無難です。洗浄力の弱いタイプをしっかり泡立て、さっと洗えば十分です。
②ヘアケア剤が顔についた時の刺激が心配だから、スタイリング剤はオーガニックバームを毛先にだけつける。
A.確かにニキビや皮膚炎を生じた患者さんを時々拝見します。ヘアケア剤によっては肌に刺激になる可能性がある成分を含んでいるので、大量に使うのは避けましょう。
③浴室内で顔を洗うと乾燥しそうなので、お風呂は洗顔+保湿をしてから入る。
A.浴室内は湿度100%。ドライサウナなどは別ですが、基本的に室内より明らかに乾燥しにくいはず。これは心配しすぎです(笑)
④入浴中のシートパックは、絶好のスキンケアタイム。
A.お風呂では皮膚が柔らかくなっており、浸透は確かに高くなります。ただし、湿度で乾きにくくても長時間使用はNG。刺激性接触皮膚炎を起こすリスクも高くなります。決められた時間を厳守しましょう。
④シャワーの刺激が心配だから、直接顔に当てない。
A.高温+圧力はNG。もちろん刺激になります。弱流水で人肌温度以下なら大丈夫。
⑥夜のスキンケアには、たっぷりアイクリームを塗る。
A.限度を超えた大量塗りをしても効果に違いはありません。規定量を守りましょう。アイクリームはアイホールに薄く塗り重ねれば十分。目が曇る人は塗りすぎです。
⑦スキンケアの「蓋」って必要?オイル、クリーム、乳液...どれがベスト?
ケアの最後の蓋は、確かに効果的です。保湿力の高いコスメを最後に塗れば、水分蒸発の防止になるのでクリームがベストです。

<摩擦でこじらせています>
Q.マッサージや美顔器も、摩擦になるって本当?
A.マッサージでたるみケアはできません。靱帯や皮膚を劣化させたるみを進行させます。
Qとにかく摩擦が心配で、枕カバーさえ怖いんです
A. 摩擦刺激は乾燥肌を引き起こし、角質状態を乱れさせるので、キメの乱れに直結します。シミの原因にもなり得ます。枕カバーも盲点ですが、気にすべき。シルクや柔らかなガーゼなどの肌あたりのいい素材を選びましょう。

<日焼け止めでこじらせています>
Q.日焼け止めは重ねて使えば効果が上がりますか?
A.はい、1品で求めるSPFを出すのは困難です。ミルフィーユ状に丁寧に塗り重ねましょう。
Q.人により合う美白成分が違うと聞いたけど本当?
A.効果が出やすい人、出にくい人がいるのは事実ですが、割り出す方法は確立されていません。

情報過多な現代、正しい知識を取捨選択するのが難しく、誤ったスキンケアをしている方を多く見かけます。惑わされないように気をつけたいものですね。
是非、ご一読ください。

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