特集「若いころと同じではダメ!50代からは肌をいたわるスキンケア」に慶田院長の監修記事が掲載されました。
<おとな世代の肌はこう変わる!>
乾燥、小ジワ、敏感肌、角質肥厚などトラブルが続出!
加齢に伴う肌トラブルの一つが乾燥です。肌のうるおいは、皮膚のいちばん表面の角質層という部位に、汗と皮脂が混ざった「皮脂膜」と、水分を蓄えて保つ「NMF(天然保湿因子)」、角質細胞同士のすきまを埋めて水分蒸発を抑える「角質細胞間脂質」があることで保たれています。ただ、これらは加齢とともに減るため乾燥が進み、小ジワも増えるのです。角質層には刺激から肌を守るバリア機能がありますが、これらの物質が減るとこの機能が落ち、敏感肌になることも。
一方、肌はバリア機能を補おうと角質を厚くしますが、加齢によりターンオーバーの速度は遅くなるので、古い角質がたまって肌がゴワつきやすくなります。
また、肌の奥の真皮層では長年の紫外線などのダメージから、コラーゲンやエラスチンなどの肌の弾力を保つ物質が劣化し、これによってたるみが生じます。皮膚を支える顔の靭帯(骨と骨をつなぐ組織)もゆるんでいくため、強くこすると切れる可能性も。
ですから、おとな世代には刺激の強いケアは禁物。肌をいたわるケアを心がけることがポイントです。
<50代からの肌をいたわる化粧品選び&スキンケアテクニック>
充分な保湿は必須!角質ケア、エイジングもプラスして
50代からのスキンケアで大切なのは、まず、若いころ以上にしっかりと保湿をすることです。化粧水などはしっとりした感触の保湿力の高いものを選び、必ず乳液やクリームなどの油分も与えてふたをし、水分の蒸発を防ぎましょう。また、洗浄力が強い洗顔料の使用洗いすぎは、潤いが奪われるのでNG。洗浄力が穏やかなものを選び、やさしく洗いましょう。
肌が敏感に傾いた場合には、低刺激の化粧品を使うこともおすすめです。また、角質が厚く肌が硬くなりやすいので、定期的に古い角質を取り除く化粧品も取り入れて柔らか肌の維持を。
さらに、シミやシワ、たるみなど自分の悩みに合った美容液やクリームなどのエイジングケアコスメも取り入れましょう。
おとなのスキンケアここがポイント!
●水分だけでなく必ず油分も補給して、潤いを逃さない
化粧水やジェルなど水分が中心の化粧品で済ませてしまう人がいますが、水分はすぐ蒸発し、乾燥してしまうので、必ず乳液やクリームなど油分を多く含むものでふたをすること。
●ピーリングコスメや酵素洗顔料で週1回は角質ケアを
おとな世代になると、ターンオーバーの速度も遅くなり、角質がどんどん厚くなっていき、肌がゴワついて化粧品の浸透も悪くなります。週1回は古い角質を取り除く化粧品でケアを。
●悩みに合わせたエイジングケアコスメもプラス
シミやシワ、たるみなど加齢に伴い、さまざまな悩みが増えます。最近は、こういった悩みに対応する優秀な商品が増えているので、積極的に取り入れましょう。
<クレンジング>
クレンジングにはさまざまなタイプがありますが、一般的に洗浄力の高い順でいうと、オイル、クリーム、ミルクとなります。オイルタイプで洗浄力が強めと感じる場合は、クリームやミルクタイプを使い、目元は専用のリムーバーと使い分けるのも良いでしょう。
ただし、洗浄力は製品によってさまざまなので、ご自身の肌質やメイクの濃さにあったものを選びましょう。肌の負担になる、こすりすぎや洗いすぎは厳禁です。
<洗顔>
洗顔アイテムでおとな世代におすすめなのは洗顔フォーム。保湿剤が配合され、一般的な洗顔石鹸よりも潤いを奪いすぎません。泡で出る洗顔フォームまたは、泡立てネットを活用し、たっぷりの泡で洗いましょう。朝も寝ている間の皮脂や汚れを落とすため、水洗いだけでなく洗顔フォームの使用を。酸化した汚れが付着したままだと、乾燥や肌荒れなどのトラブル原因になることがあります。洗顔料は洗った後につっぱり感がないものや敏感肌用を使い、しっかり泡立て、肌への摩擦を極力少なくして優しく汚れだけを落とします。小鼻などのすすぎ残しやすい部位は指で優しく触れてすすぎましょう。
洗い流す時の温度は、高すぎると水分が蒸発して乾燥の原因となり、冷水で肌温度が下がると、角質細胞同士の接着力が弱まり、細胞間に隙間ができ、バリア機能が乱れて水分が逃げていってしまいます。適温は、冷たすぎないぬるま湯(36℃前後)がベスト。洗顔後は化粧水やクリームなどで、速やかに保湿しましょう。
また、角質が厚くなりやすいおとな世代は、週1回程度のペースで酵素洗顔料を使うと効果的。たんぱく質分解酵素や脂肪分解酵素などの力で、古い角質を除去することができます。
<化粧水>
化粧水も選び方がポイントです。収れんタイプのものは、乾燥しやすいおとな世代には向いていません。しっとりした感触の保湿力の高い化粧水を選びましょう。
化粧水が浸透しにくいと感じたら、拭き取り化粧水がおすすめです。古い角質を除去でき、浸透が高まります。または、肌を柔軟にする成分が配合され、化粧水や美容液の浸透を高める効果がある、ブースターも良いでしょう。
<美容液>
美容液は、肌悩みをケアする成分が多く配合されたアイテム。シワやシミ、たるみをケアするものなど、さまざまな種類があります。自身の悩みや目的に合わせて取り入れましょう。特に目元は皮膚が薄いので、アイクリームを使うときは、十分な量をこすらないようにやさしく伸ばしましょう。
化粧水や乳液、美容液などが1つになったオールインワン化粧品は、時短になり人気ですが、油分が少ないものが多く、おとな世代はこれだけでは乾燥しがち。見た目が透明でないものは油分が多めの傾向なので、選ぶときに参考に。
<乳液>
乳液は、水分と油分をバランスよく含んでいるのが特徴です。さっぱり系のものとしっとり系のものがあるので、乾燥しやすい人はしっとり系にするなど、自分の肌に合わせて選びましょう。油分には化粧水や美容液で与えた水分を逃さないようにするふたの役割があるので、水分が蒸発しないうちにすばやく塗りましょう。手のひらでやさしくなじませればOK。
<クリーム>
乳液よりもさらに油分を多く含んでいるのがクリームです。水分の蒸発を防ぎ、保湿効果の持続も期待できる、おとな世代に加えたいアイテムです。
乾燥がひどい人は、さらりとした感触のものでなく、しっかりと硬めの感触のクリームを選びましょう。目の周りや口の周りなど乾燥しやすい部位には、重ねづけするのがおすすめです。
肌がゴワつく場合は、美容オイルもおすすめです。スキンケアの1番最後に使うと、肌を柔らかくする働きがあり、潤いを閉じ込め乾燥を防ぎます。メイク前は、化粧がくずれやすくなるので、夜のお手入れがおすすめです。
<スペシャルケア>
ベーシックなスキンケア以外に、おとな世代が加えるとよいのがシートマスクやホットタオルパック。
シートマスクは、化粧水や美容液などがたっぷりしみ込んだシート状のマスク。成分がよいのものを上手に活用すれば、肌に密着させることでの浸透が高まり、肌が柔らかくなって高い保湿効果も得られます。乾燥がひどい人は毎日使いもおすすめです。ただし、製品に記載された使用方法をしっかり守りましょう。製品に定められた時間以上に肌に付けていると、肌荒れなどのトラブルになる可能性があります。
くすみが気になる場合は、ホットタオルでのパックを。血流がよくなって、くすみや目の下のくまの改善に役立ちます。
<日焼け止め>
紫外線は年中降り注いでいるので、日焼け止めは毎日塗るのが鉄則。数値の効果を確実に得るためには、必ず2度は塗り、さらにシミができやすい頬などには、重ねづけしましょう。紫外線が強い時期に屋外で長時間過ごすときは、SPF50以上の、PA+++のものがおすすめですが、秋冬の日常生活ではSPF20~30、PA+++程度のものでもOK。
肌が敏感に傾いてきた人は、負担が少ない低刺激のものを選びましょう。
肌にムラなく均等に塗るために、パール大を手に取り、額、左右の頬、鼻の頭、あごの5点にのせ、そこから全体に伸ばします。再び同量を手に取り、同じように塗ります。頬の高い部位や、こめかみなどシミができやすい部位は、さらに重ね塗りしましょう。全体に2度塗りする時間がない時は、全体塗り1回+シミができやすい部分への重ね塗りを。
おとな世代は、乾燥やシミ、シワと悩みが増えてきます。これからは、"肌をいたわるスキンケア"へ切り替えを。その方法と、化粧品選びの参考になさってください。
ぜひ、ご一読ください。