WEB『@コスメブログ「教えて!トモコ先生」』(2018年3月1日)
特集「まだ3月だけど・・・UVケアは必要?」連載「教えて!トモコ先生」第一弾。皮膚科専門医の慶田院長が、紫外線対策に関するお役立ち情報を解説します。「今年こそ紫外線ダメージを受けたくない!」という方は、紫外線対策の基本を見直していきましょう。
■知っているようで知らない「UV-A」と「UV-B」の違いとは?
紫外線とは太陽光線の一種。波長の長いものからUV-A、UV-B、UV-Cの3種類にわけられます。UV-Aは波長が長く、肌の奥深く(真皮)まで届きます。真皮にはコラーゲン線維などがありますが、UV-Aに当たるとコラーゲンの分解を促す酵素の活性が高まり、しわ、たるみなどを引き起こす原因になります。また長時間当たると肌が褐色に日やけし、これをサンタンといいます。UV-Aは冬でも多く降り注いでいますし、窓ガラスも通貨してしまいます。
UV-Bは比較的波長が短く、肌の表皮から真皮の上層くらいまでに届いて、肌を赤くヒリヒリさせます。ひどいときには、やけどになることも。また、UVBに当たると肌を守るためにメラニンが活性化するので、肌が浅黒くなってきます。繰り返し浴びることで、必要が無くなってもメラニンを作り続けるようになり、これがシミの原因です。さらに、UV-Bには、肌の基底細胞の核に作用してDNAを傷つけ、長期的には皮膚がんを引き起こすリスクもあります。UV-Bの量は春~夏がピークですが、UVAよりも細胞へのダメージが強いので冬でも油断は大敵です。ちなみにUV-B の一部とUV-Cは波長が短く、オゾン層でカットされるので地上までは届きません。
■まだ3月だけど・・・紫外線対策は必要?
私たちは、UV-AとUV-Bの両方を同時に1年を通して浴び続けています。ですから紫外線対策は本来1年中必要なのですが、特に3月は気温は低くてもUV-Bの量と強さが急激にアップ。いよいよ本格的な紫外線対策が必要になります。
外出するときは帽子、日傘、衣類などを活用し、肌に紫外線が当たらないようにします。頭上からの日射だけでなく、路面からの反射もあるので注意しましょう。
真夏のように太陽がギラギラ、日差しがジリジリしていなくても、3月には地上に強い紫外線がたくさん降り注いでいます。暑い、温かいと感じるのは赤外線によるもので、紫外線はいくら浴びてもなんの自覚症状もありません。『今日はそれほど暑くないから、紫外線は強くないだろう』など自分の肌感覚に頼ることなく、確実な紫外線対策を行いましょう。
■季節の変わり目だからこそ、注意したいこと
冬から春への季節の変わり目は、肌の調子が不安定になる方も多いのではないでしょうか。冬の間に肌の乾燥が進んで敏感になっているところに花粉などの外的刺激が重なり、角層のバリア機能が落ちやすい時期といえます。肌が炎症を起こした後に日やけをするとシミになりやすいので要注意です。
環境の変化によるストレスで自律神経のバランスがくずれることも、肌の不調の一因になります。肌が不安定なときは、新しい化粧品や美容法にトライすることは控え、使い慣れた化粧品でシンプルなスキンケアをしましょう。また、基本的な生活習慣が乱れていると、せっかくのスキンケアの効果も出にくくなります。バランスのよい食事、質のよい睡眠をとることを心がけてください。
■今月の格言
気温と紫外線の強さは比例しない!
3月でもUV-Aは多く降り注いでいる
是非、ご参考になさってください。
WEB『@コスメブログ「教えて!トモコ先生」』(2018年4月5日)
特集「UVケアを習慣づけるには?」
今回は、慶田院長自身も実践しているUVケア習慣をレクチャー。「UVケアの重要性はわかっているけど、面倒くさくて習慣にできない・・・」という方に紫外線対策をわかりやすく解説します。
■紫外線を甘くみていると、10年、20年後に後悔するかも!?
【光老化】という言葉をご存じですか?肌が老化する原因の約8割は、紫外線などの太陽光によるものと考えられています。紫外線の中でも特にUV-Bは肌細胞のDNAを傷つけ、シミなどの原因に。長期的には皮膚がんを引き起こすリスクもあります。
日やけ止めなどで紫外線対策をするということは、単にシミを防ぐためだけでなく、皮膚がんのリスクを減らすためにも必要なこと。紫外線は細胞を傷つけ、免疫力を低下させます。健康のためには、大人も子供も、女性も男性も、老若男女を問わず紫外線対策が必要だということをぜひ覚えておいてください。
特に子供はお日さまが大好き。だからといって、日やけ止めも塗らずに大量の紫外線を浴びていると、細胞が傷つき発がんリスクを高めます。子供の健康を考えたら、素肌を紫外線にさらさないように大人が気をつけてあげるべきですね。
■日やけ止めを習慣づけるコツとは?
朝、ゴミ出しをする数分だけのために、わざわざ日やけ止めを塗るのは面倒だと思っていませんか?しかし紫外線を浴びる量というのは、毎日リセットされるわけではなく、一生積み重ねられていくもの。すっぴんで紫外線を浴びる時間が1日2分だとしても、1カ月合計では60分。つまり、無防備なまま1時間日光浴をしているのと同じ結果になるんです。それを毎日、10年、20年と続けていたら肌はどうなるか・・・考えただけでドキッとしますよね。
1番よいのは、日やけ止めを毎朝のスキンケアに組み込んでしまうこと。外出する・しない、メークする・しないに関わらず、朝のスキンケアの最後には日やけ止めを塗ると決めてしまいましょう。そうすれば、ゴミ出し、新聞取り、洗濯物干し、子供の幼稚園の送迎などちょっとした外出のたびにいちいち塗る手間が省けます。また、窓ガラスやレースのカーテンを透過して室内に入ってくる紫外線も防げます。
日やけ止めなどUVケアグッズは、外出時にさっと使えるよう、ポーチの中はもちろん、玄関、車の中、自転車のカゴ、ベビーカーなど、ありとあらゆるところに配置するのが習慣化するコツです。私の場合、自転車のカゴには帽子とUV手袋、ベビーカーには日やけ止めを入れています。
■「日やけ止めは1日の間に数回塗り直すもの」と心得る
日やけ止めは、朝塗ってしまえばOKというものではありません。時間が経つと紫外線防御力は下がりますし、汗や皮脂で流れてしまったり、衣服でこすれて落ちることもあります。屋内にいる時間が長い方でも、お昼ぐらいには塗り直しましょう。会社員の方がランチで外に出るときは、その前に塗り直すのがおすすめです。
長時間外にいるときは、日やけ止めだけでなく日傘や帽子も併用します。また、外を歩いていて暑くなったら、上着を脱いで半袖になることもありますよね。そんなときは面倒くさがらずに、腕に日やけ止めを塗りましょう。もし日やけ止めを持っていなかったら、コンビニなどでも売っていますので躊躇せずに!今日ぐらいはいいかと油断して、紫外線対策をおろそかにすると、皮膚の健康も美しさも損なわれて、美容医療の手をかなりかけなくてはならなくなりますよ。
■今月の格言
毎朝のスキンケアは日やけ止めまで!
紫外線、毎日の積み重ねが後悔のもと!
是非、ご参考になさってください。
WEB『@コスメブログ「教えて!トモコ先生」』(2018年4月23日)
特集「"うっかり日やけ"を防ぐ方法を教えて!」
「日やけ止めを塗ったのに、なぜか日やけしちゃった」という経験はありませんか?
そんな"うっかり日やけ"の原因と対策を、皮膚科専門医の慶田院長が伝授します。この機会に、日やけ止めの正しい塗り方も覚えてください。
■日やけ止めは塗る「量」「タイミング」「塗り方」がポイント
日やけ止めを塗っても日やけするという方は、今一度、量と塗り方を見直してみて。日やけ止めは、塗る量が少ないことが多いので、2度塗りすると良いでしょう。まず普通に塗って肌になじませたら、もう1度同じことを繰り返します。自分が思っているよりも気持ち多めの量が適量だと考えて。重ね塗りすると白浮きが気になる方がいらっしゃるかもしれませんが、最近の日やけ止めは白くなりにくいので、重ね塗りしても気になりません。その上からメークをすることで、さらに紫外線防御効果がアップします。
腕のような広い面に塗るときは、指全体や手のひらを使って一気に伸ばします。肌に擦り込む必要はなく、肌の上に乗せるイメージで塗りましょう。ストロークが少ないほど、肌への負担も軽減できます。
朝、日やけ止めを塗るタイミングですが、私は服を着る前、下着の状態で塗るようにしています。服を着てから肌が露出しているところだけに日やけ止めを塗ろうとすると、洋服が汚れるのが気になって塗り方がいい加減になりがちです。また、バストが大きい人は要注意。紫外線は真上からも降り注ぐので、服と肌の隙間からバストの谷間に向かって大量の紫外線が入ってくる可能性があります。服を着る前に、デコルテの広範囲にわたってたっぷりと日やけ止めを塗っておきましょう。
■塗り忘れエリアにご用心!
肌が露出しているのに、日やけ止めを塗り忘れがちなエリアがあります。例えば、髪をアップにしたときの首周り、耳周り、襟足から背中にかけてなど。普段は髪をおろしているのに、日中暑くなって髪をアップにするときは注意してください。ほかにはデコルテ、腕の内側、手の甲、足の甲などが塗り忘れて日やけしやすいエリアです。
また、顔のこめかみに近い頬骨の上~頬~鼻のラインは、シミの好発部位といわれている要注意エリア。太陽光は斜め上から降り注ぎますから、単位面積当たりの紫外線量が一番多くなって、もっともダメージを受けやすい部位です。日やけ止めやファンデーションの重ね塗りで、完全防備を心がけましょう。
意外と盲点なのが頭皮。髪の分け目は、直射日光が当たって日やけしやすい部位といえます。日傘や帽子を活用して、紫外線をブロックしましょう。帽子は、つばの長さが15cm以上で下向きの角度があるものがベスト。頭皮はもちろん、顔やデコルテなど広範囲をカバーすることができますよ。
日やけ止めやUVケアグッズを駆使して、日やけしないように気をつけるのが基本。そうはいっても、BBQなどアウトドアを楽しんでいるとき、マラソンやサイクリングなどのスポーツ中、スポーツ観戦時など、思うように日やけ止めを塗れなかったり、日傘を差せない状況もありますよね。そんなときは、UVケアをサポートするサプリメントを併用するというのもひとつの手です。
■"うっかり日やけ"してしまったらどうする?
日やけは、やけどと同じ。ヒリヒリしたり赤みがあるときは、まずは冷やして炎症を抑えます。最初の30分は濡らしたタオル(水気を含んだタオルのほうがよく冷えます)で保冷剤を包み、患部に当てます。長時間冷やし続けていると肌のバリア機能が下がるので、30分経ったら保冷剤を乾いた薄いガーゼなどで包み直し、引き続き患部を冷やして炎症が治まるのを待ちます。日やけ直後は、この方法で乗り切りましょう。ヒリヒリ感が強くて痛みを感じるときは、市販の消炎鎮痛剤を飲むのもよいでしょう。
日やけ後、1週間くらいは保湿を心がけてください。バームタイプの保湿剤を塗る、肌あたりのよい衣服を着て寝るなどして、できるだけ患部を刺激しないように過ごします。2週間くらい経ったらいつものスキンケアに戻し、3週間目から美白ケアを始めるとよいでしょう。
日やけ直後は、肌のバリア機能が壊れている可能性があります。日やけ後3週間くらいは保湿に専念し、積極的なスキンケアは控えるのがベターです。ただし、冷やしても炎症が治まらない、痛みがひかない場合は、速やかに皮膚科医の診察を受けてくださいね。
■今月の格言
日やけ止めは最低でも2度塗り!
うっかり日やけしたら冷却&保湿を
是非、ご参考になさってください。
WEB『@コスメブログ「教えて!トモコ先生」』(2018年5月23日)
特集「雨の日もUVケアしなくちゃダメ?」
「雨の日は日やけ止めを塗らなくていいからラクチン!」なんて思っていませんか?
実は、曇りでも雨でも、お天気に関係なく紫外線は降り注いでいます。そこで、油断しがちな梅雨どきの紫外線対策について、皮膚科専門医の慶田院長が解説します。
■太陽が見えなくても、紫外線は存在している!
曇りや雨の日にはUVケアは必要ないと勘違いしていませんか?紫外線は、お天気に関係なく地表に降り注いでいます。晴れの日の紫外線量を100%とすると、曇りの日は約65~80%、雨の日は約20%程度。太陽が見えていなくても、紫外線は降り注いでいます。
1回に浴びる紫外線量は少なくても、その積み重ねがシミなどの原因に。たいていの人は、シミが出るのに十分な量の紫外線を、20歳までには既に浴びてしまっていると考えられています。コップに水を注ぎ続けるとやがて水が溢れ出すように、肌も紫外線を浴び続けていると、あるときから次々とシミができ始めることがあります。ソバカス、肝斑などは、紫外線の影響を受けると短期間で悪化するので要注意です。
■梅雨の晴れ間は、特に油断大敵!
雨が上がって太陽の光が射し込み、空が明るくなると気分まで明るくなりますね。こんなときこそ紫外線を警戒しなければいけません。雨が降ると、空気中に浮遊する粒子(エアロゾル)が流されて、空気がキレイになります。空気がキレイになると、紫外線が地表まで届きやすくなります。雨上がりには、植物の緑がパキッと色鮮やかになりますよね。そういうときは紫外線が強力なのだと覚えておいてください。
■6月は、日が長くて紫外線が最も強い要注意月間!
真夏と比べると、まだそれほど気温が高くないので油断しがちですが、実は紫外線の強さは6月がピーク。夏至(2018年は6月21日)の頃が、最も強いとされています。紫外線の量も8月とほぼ同程度。つまり6月は、日が長い(夏至が最も長い)、紫外線が最も強い、紫外線の量がピークに近い、という条件が揃っていて、日やけのリスクが高いということがおわかりいただけるかと思います。梅雨だからといって油断せず、しっかりと紫外線対策を続けていきましょう。
お天気って、1日の中で結構変わるもの。朝、家を出るときには雨が降っていても、日中には止んで快晴になることも珍しくありません。この時期は、晴雨兼用の傘を携帯するのがオススメです。ちなみに私の場合ですが、季節や天候に関係なく1年中同じUVケアをしています。アウトドアのイベントのとき、南国のリゾートで過ごすときは、倍量の日やけ止めを使うこともあります。みなさんも、雨だからといって気を抜かず、朝のスキンケアの最後には日やけ止めを塗って"積み重ね日やけ"をしないように気をつけてくださいね。
■今月の格言
6月は紫外線の強さが最強!
雨でも日やけ止めを欠かさずに
是非、ご参考になさってください。