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特集:SKIN&HAIR 「朝は洗顔しないは間違い? 正しい洗顔をドクターが伝授【前編】」に慶田院長の監修記事が掲載されました。
誰もがやっているけれど、実は案外知らない「正しい洗顔の方法」。自己流の洗い方で肌を傷めたり、トラブルを招いてしまっている可能性もあります。「では、どうやってどんなアイテムで洗顔すればいいの?」という素朴な疑問にお答えしています。
Q1、メイクを落とすには、クレンジングじゃなくちゃダメ?
A1、基本的にはクレンジングがマストです。メイクには油分が含まれるので、きちんと乳化させる必要があります。そのためにも、基本的にはクレンジングすべ気なのです。特に夏場は下地もファンデーションもお粉も崩れにくい処方になっているため、洗顔料では落ちにくいのです。オイルでもジェルでもクリームでも良いのですが、メイク汚れを落とすためのクレンジングは必要です。 ただ、最近のミネラルコスメなど「洗顔料だけで落ちる」というタイプのメイクはクレンジング不要なこともあります。また、石けんで落とせる日焼け止めに仕上げ用のお粉を重ねただけ、というような日は洗顔料のみでもOKです。どんなメイクをしたのかに合わせて、クレンジングを使うか判断しましょう。
Q2、濡れた手でクレンジングってダメ?
A2、乳化しなくなるので基本的にはNGです。クレンジングは、メイク汚れ(油分)をクレンジング剤(油分)に溶かし出し、それを乳化させて落とす仕組みです。始めから手が濡れていると乳化しにくくなり、汚れ落ちが悪くなります。濡れた手でもOKという製品は違う仕組みなのでお風呂場で使っても大丈夫ですが、基本的には乾いた手で使用しましょう。
Q3、洗顔料のタイプはいろいろ。どうやって選ぶの?
A3、剤形より、泡のクオリティにこだわりましょう。石けんが肌に優しいと思っている方も多いのですが、昔ながらの石けんは肌がアルカリ性に傾きます。肌は本来弱酸性なので、石けんはマイルドというわけではありません。それよりは、洗浄成分がアミノ酸系や、肌への負担が減る保湿剤入りのもののほうが肌に優しいことが分かっています。そして、どんな洗顔料を選ぶかと同じくらい大切なのがが、"泡立ての仕方"です。しっかり泡立てれば洗顔料は100倍にも膨れ、実際に肌に触れる界面活性剤の量が少なくてすみますし、洗浄力が高まることが分かっています。たっぷりの泡なら肌をこすって傷める心配も減ります。泡立てが苦手な方はフォームで出てくるポンプタイプを選んだり、泡立てネットを使うなど便利アイテムを活用しましょう。
Q4、きちんと洗えていない人が多いって本当?
A4、本当です!「正しく洗う」というのは案外難しいことです。美容皮膚科では、診察の前にメイクをすべて落とし、素肌になっていただきますが、ダーマスコープ(肌の拡大鏡)で診察すると、メイク汚れが残っている方が案外多いのです。頬や額など広い面だけをクルクルしていて、目もと、口もと、生え際に汚れが残りがちになります。クレンジングを伸ばしたら、すぐすすいでしまうと、汚れがクレンジングとなじんでいないこともあります。また、メイクを落とそうとグイグイこすって肌に負担をかけてしまうのも要注意です。洗い残しがある方が3〜4割、逆に洗いすぎで必要な潤いを肌に残せていない人が1〜2割くらいはいると思います。メイクは油性ですから、肌に残ると酸化して肌の負担となり、それが刺激となって毛穴が詰まり、ニキビになることもあります。理想の洗顔方法としては、優しい圧で顔のすみずみまでクレンジングをゆきわたらせ、軽くクルクルしてなじませてから、20回くらい丁寧にすすぐのが良いでしょう。
Q5、「朝は洗顔しないほうがいい」って本当?
A5、基本的には朝も洗顔をおすすめします。夜に塗った化粧品も時間が経てば酸化します。乾燥が気になる敏感肌の場合ぬるま湯ですすぐだけでもいいですが、皮脂をきちんと分泌している普通肌、脂性肌、混合肌なら洗顔料を使ってOKです。 驚くべきことに、洗顔をしたほうが肌の水分量は上がるという研究結果もあります。肌表面の皮脂汚れが落ちないと、角層のバリアが乱れます。そのため潤いを抱え込めなくなってしまうケースがあります。正しい洗浄でお肌のターンオーバーが整えば、自らの力で潤う肌に変わっていくのです。洗わない=乾燥しない、ではありません。皮脂膜は洗顔後1〜2時間で回復しスキンケアで保湿できるので、洗顔による乾燥は気にしなくて大丈夫です。お肌のバリア成分が失われてしまうと回復に数日かかるので、マイルドな洗浄剤で擦らず優しく短時間で洗いましょう。
Q6、高い洗顔料やクレンジングのほうが、効果が高いの?
A6、値段が高い=効果も高い、というわけではなく、必ずしも安いから悪いとは限りません。高いクレンジングや洗顔料をケチってちょっとしか使わなければ、肌をこすることになりますから、リーズナブルなものでもたっぷり使い、指が肌に直接触れないようにするほうがおすすめです。ただし、洗浄剤はものによってはとても原料が高いので、肌に優しい処方にしようと思うとコストがかかります。研究機関がしっかりしていて、処方の安全性を臨床試験すれはどうしても原価が上がります。肌への負担を心配するのであれば、数百円のものより数千円のものを選ぶほうが良いでしょう。
スキンケアの基本は洗浄・保湿・光対策。ファーストステップとなる正しい洗顔法の参考になさってください。