特集「女医さんが教える冬の肌と髪にやっていいこと&ダメなこと25」に慶田院長の監修記事が掲載されました。
【寒さが本格化する今、やっぱり気になるのが肌と髪の乾燥!】
正しい保湿の仕方とヘアケアを理解し、潤いを保つのはもちろんですが、実は日々の誤ったケアが引き金となり、乾燥を促し、肌トラブルを引き起こしていることも。肌と髪の専門家である女性皮膚科医たちが、徹底レクチャーします!
◇Oh!No!やってはいけない肌のケア◇
毎日せっせとお手入れする割に、肌にハリがなかったり乾燥しがちだったり・・・。それは、ケアが根本的に間違っているのかもしれません。習慣にされている方が多い『シートマスク』使いや『朝はあえて湯洗い』というのも、一歩間違えば、肌トラブルの原因に。自分の肌に合わないケアや間違った美容法は、老化を加速させ、お金も時間もムダにするという悲惨な結果に。ついやってしまいがちなスキンケアに対し、医学的見地から正解を教えます!
■読者の31.9%がやっている!
やってはいけない① 大容量シートマスクで肌荒れを起こすことも!
美容液や化粧水が含まれたシートマスク。ぷるぷるの質感が気持ち良く、保湿や毛穴の引き締めに効きそう。
「残念ながら、根本的な保湿ケアにはなりません。夜の入浴後に必要以上に肌に長時間のせ続けると、マスクが乾燥して肌の水分を奪ったり、刺激性の接触皮膚炎を起こしたりします。毎日使える大容量タイプは素手で触ってもカビが生えないよう、多量の防腐剤が使われていることが多いもの。シートマスクは個包装されたものを選び、スペシャルケアとして特別な日の朝に使うなどしましょう。」
これが正解! 個包装タイプをここぞという日の朝だけに使用して
■読者の9.9%がやっている!
やってはいけない② クレンジングマッサージで肌のきめが崩壊!
温感クレンジング剤などで、肌を温めながらマッサージをして毛穴の汚れを浮かすといったモノが人気ですが、そもそも『クレンジング行為』と『マッサージ』とは全く別のケア。
「クレンジング剤にはメイクを落とすための界面活性剤が多く含まれています。長時間、肌にのせていると、肌の潤いのもとである保湿因子も一緒に溶かし出し、乾燥肌やきめが崩れる原因になります。クレンジングは『1分以内』『ゴシゴシこすらない』のが鉄則です。またクレンジングはシートタイプより洗い流すタイプがベターです。」
これが正解! 肌にのせて1分以内を目安に手早く洗い流して
■読者の10.8%がやっている!
やってはいけない③ スクラブ洗顔で乾燥肌が悪化!
キュッとした洗い上がりが魅力的なスクラブ洗顔ですが、皮膚科医の立場から考えると『避けたいアイテム』です。
「スクラブ洗顔の粒子は毛穴よりも大きいため、毛穴詰まりや黒ずみを解消する効果は薄いのです。細かな粒子の刺激で角層に傷がつくと、肌はさらに角層を厚くして外部の刺激に備える⇒ゴワつくという悪循環に。角層の傷は肌のバリア機能を乱し、乾燥肌をも引き起こします。ゴワつきや毛穴トラブルには、たんぱく質や皮脂を分解するパウダータイプの酵素洗顔料を使いましょう。」
これが正解! ゴワつきや毛穴詰まり対策には酵素洗顔が◎
【もう乾燥しない!冬の肌の正しい保湿ケア】
保湿の基本は"正しい洗顔"から。『冬になると肌が乾燥してツラい』という人は、間違った自己流で洗顔していないか見直して!
○これが正解!④ 正しい洗顔
極端に皮脂の少ない人以外は、朝・夜ともに洗顔料を使って洗顔するのが望ましいです。
「実は皮脂分泌量は年間変動があまりなく、『冬に洗顔すると乾燥する』ということはありません。洗顔による乾燥はこすりすぎ、刺激の強い洗顔剤が原因となるので注意しましょう。」
KEYWORD こすらない 短時間で すすぎもれを防ぐ 洗浄力は弱めのモノ
◇正しい洗顔の手順◇
1.ぬるま湯で手を洗い、清潔にする。
2.洗顔料を手のひらにのせ、水を混ぜながら反対の手の人さし指、中指、薬指で泡立て、卵1個分の大きさを目安に泡をつくる。うまくつくれないときは泡立てネットを使って。
3.泡をTゾーン(額、鼻、あご)など皮脂の多い箇所にのせる。その際、なるべく指が肌に触れないようにする。
4.泡をUゾーン(頬、目元、口元)などの残りの箇所にのせる。
5.ぬるま湯(33~36度)で泡を落とすようにすすぐ。20回を目安にすすぎ、洗顔料が肌に残らないようにする。
6.清潔なタオルで顔にスタンプを押すように、肌を軽く押さえ水分を取り去る。
■読者の24.3%がやっている!朝洗顔しない美容法でさらに乾燥してしまう!?
夜はメイクをしないから、朝の洗顔は水やぬるま湯ですすぐだけという人も多いのでは?「寝起きにTゾーンに触れても皮脂がつかない人なら、水ですすぐだけでも十分です。でも、『テカるのに乾燥する』という人は洗顔料を泡立て、泡でなでるように優しく洗いましょう。皮脂や夜のスキンケアで使った化粧品は空気に触れると酸化します。そのまま顔に残っていると、肌を刺激してバリア機能を乱し、乾燥の原因になります。正しい洗顔をすると、高級クリームに匹敵する美肌効果があります。試してみてください。」
○これが正解!⑤ 正しい保湿
化粧水
「医学的に見ると、乾燥肌は『角層のバリア機能障害』。バリア機能が低下すると肌の水分が蒸発し、乾燥肌に。空気が乾く冬は角層から水分が奪われやすいので、洗顔後はすみやかに保湿を心がけましょう。」
乳液、クリーム
「人間の体は60%以上が水分なので、水分は体内にあります。その潤いを逃がさないために、肌表面の角層で保湿バリアをつくることが大事です。化粧水のあとは、保湿成分や油分を含んだ乳液・クリームを使いましょう。」
KEYWORD 手でなじませる 指の腹でやさしく
◇化粧水で保湿◇
1.500円玉硬貨大の量を目安に、化粧水を手のひらに取る。
2.両手でなじませてから、肌を軽く押さえるようにして塗る。目の周りや小鼻などは薬指の腹でやさしく。最後に首全体を塗る。
◇乳液、クリームで保湿◇
1.乳液またはクリームを手のひらまたは甲にパール粒2個分取る。
2.手にのせたものを指で取って塗る。まずは頬から。中指と薬指の2本または人さし指を加えた3本の指の腹で塗る。
3.同様の指使いで、額、顎、鼻に塗る。
4.さらにパール粒1個分の乳液またはクリームを手のひらに取り、首からデコルテになじませる。
5.両手のひらで顔を包み込むようにして、肌になじませる。
◇Oh!No!やってはいけない髪のケア◇
年齢とともにツヤやコシがなくなる、薄毛が気になる、カラーリングやパーマで傷む・・・と髪の悩みは根深いですよね。ついヘアパックやマッサージに頼りたくなりますが、髪には全身の栄養状態やホルモンバランス、薄毛の遺伝子なども大きく影響しています。特にホルモンバランスや遺伝子による悩みは、シャンプーなどの表面的なケアでは解決できません。正しいヘアケアをしつつ、専門クリニックでの診断も視野に入れましょう。
■読者の6.1%がやっている!
やってはいけない⑥ 頭皮をもんでも毛は生えない!
頭皮をもんだり、ヘアブラシで刺激したりすると血行が良くなって薄毛の解消に......というのは気休めにすぎない。
「健康な髪が生える条件は血行が良いだけではダメ。『毛包幹細胞がある』、『男性ホルモンのジヒドロテストステロンが過剰分泌されていない』、『栄養状態が良い』などの条件を満たすことが必要です。特に最近はホルモンバランスの崩れによる女性男性型脱毛症(FAGA)が増えているので、心配なら専門クリニックを受診しましょう。」
これが正解! 薄毛は頭皮の血行不良以外に大きな原因も。検査の検討も。
■やってはいけない⑦ 2度洗いで頭皮が乾燥!
頭皮も『こすりすぎ』、『洗いすぎ』はNG。
「複数の洗浄剤を使ったダブル洗いなど、シャンプーのし過ぎで頭皮が乾燥し、粉吹き状態になることも。フケだと思って、ゴシゴシ洗うのは逆効果です。反対に皮脂の過剰分泌による脂漏性皮膚炎でフケが出る人は専用シャンプーを使いましょう。どちらもお湯で予洗いし、シャンプーを泡立ててから頭皮に乗せ、指の腹で洗います。濡れたままだとキューティクルが剥がれるので、ドライヤー乾燥を行いましょう。」
これが正解! ダブル洗いは不要。よく泡立て地肌にのせ、丁寧な洗い方を。
■読者の20.9%がやっている!
やってはいけない⑧ 貧血を放置した状態で薄毛が加速!
健康な髪が生えるには諸条件があるが、『発毛に必要な材料がある』ことも重要。
「毛根に酸素や栄養がきちんと届いていることが肝心です。赤血球のなかにあるヘモグロビンは酸素を運ぶ役割がありますが、ヘモグロビンが不足して体内の酸素が足りないと貧血になり、髪が細く、全体的に薄くなります。まずはヘモグロビンを構成する鉄分を食事でしっかり補給しましょう。各種レバー、カツオ、卵などをバランス良く食べましょう。」
これが正解! 貧血のままの頭皮ケアは意味なし。食事で鉄分を摂取。
◇もうパサつかない! 冬の髪の正しいお手入れ◇
洗いすぎ、ゴシゴシ洗いに注意し、髪よりも"頭皮"を主に洗うことで、キューティクルを守りパサつき防止に。シャンプー後は頭皮と髪を濡れたままにせず乾かしましょう。
「頭皮も皮膚ですから、顔と同じく『保湿』が大事です。シャンプーは泡立てて頭皮を洗い、こすり過ぎないように気をつけましょう。また、髪はむやみにカラーリングをしない、カラーリングとパーマを同時期にしない、シャンプー後に頭皮と髪を濡れたまま放置しない、などを守るとキューティクルを傷めず、パサつきを防げます。」
KEYWORD 指の腹で洗う よくすすぐ タオルドライ ドライヤーで乾かす
○これが正解!⑨
1.髪と頭皮をぬるま湯で軽く洗う。
2.シャンプーを手のひらに取り、軽く泡立ててから頭皮の数箇所に分けてのせる。爪を立てず、指の腹を使ってマッサージするように洗う。
3.頭皮をしっかり洗った後は、髪を洗う。泡でなでるように、両手のひらで髪を挟み込むなどして洗う。
4.たっぷりのぬるま湯で、すすぎ残しがないように、しっかりすすぎ流す。特に髪の内側は忘れないように、洗い流して。生え際や耳の後ろ側なども流す。
5.トリートメントを手のひらに取り、髪全体になじませる。しばらく時間を置いた後、すすいで洗い流す。
6.頭からタオルをかぶり、そのまま頭皮を押さえるようにしながら水気を取る。
7.残った水気をドライヤーで乾かす。毛先に向かう方向に、温風を当てる。仕上げに冷風を当てキューティクルを締め、潤いを閉じ込める。
◇Oh!No!やってはいけない美容習慣◇
話題の美容法はつい、試してみたくなりますよね。でも、ひとつ間違えると老化を加速させる事態になりかねません。取り入れるときは目新しさだけでなく、『医学的なエビデンス(証拠)はあるのか』で判断を。美容の正しい情報を取捨選択できるよう、知識を磨くことも必要です。また、真面目な人ほど美容習慣に力を入れすぎて、『やりすぎ』にもなりがちです。セルフケアには限界があると心得ておくだけで、正しいブレーキがかかりますよ。
■読者の9.3%がやっている!
やってはいけない⑩ 毎日コロコロローラーでたるみが加速!
美容ローラーの転がしすぎは、たるみを加速させる。
「肌のハリはコラーゲンによって支えられています。皮膚を筋肉や骨に固定しているリガメントという靱帯もコラーゲン線維ですが、引っ張る力に影響を受け、伸びて弱くなります。美容ローラーは皮膚を奧からつかんで引っ張るので、コラーゲン線維がいじめられ、伸びたり切れたりする可能性があります。むくみ解消のために週に2回程度、軽く転がすぐらいにしておきましょう。」
これが正解! むくみ取りの目的なら週2回までの使用に。
■読者の4.4%がやっている!
やってはいけない⑪ 顔筋トレのしすぎで、かえって老け顔に!
日頃使わない表情筋を鍛え、リフトアップ効果があるという顔の筋トレ。
「残念ながらやりすぎは、たるみの原因になります。表情筋を緩めるボトックス治療があるぐらいですから、鍛える必要はありません。特に口を横に開く『イーッ』という動きは、下あごからフェイスラインを引き下げる下制筋を発達させてしまうので、やめましょう。下制筋と逆の働きをする挙上筋を優位にするため、かすかに微笑みを浮かべた状態をキープして。」
これが正解! 筋肉は緩めたほうが若々しく見えやすい。
■読者の4.0%がやっている!
やってはいけない⑫ まつエクで眼瞼下垂が悪化!
毎朝マスカラを塗る手間が省け、ドラマチックな変化を楽しめる、まつエク。ところが"盛りすぎ"は上まぶたが垂れ下がる眼瞼下垂を進行させてしまう。
「エクステは両目で120本ほどつけるのが一般的ですが、これは自まつげの1.5倍の量。接着剤の重さもあるので、まつげやまぶたに大きな負担がかかります。まつエクを何年も続けていると上まぶたを持ち上げる上眼瞼挙筋が伸びることもあるので、本数を減らすなど工夫しましょう。」
これが正解! 本数を減らす、軽いタイプに替える工夫を。
今回掲載されたこちらの記事の内容も含め、慶田院長の新著「女医が教える、やってはいけない美容法33」(小学館)には、33のやってはいけない美容法の事例が載っています。目次を開いて、気になったところからお読みいただけます。
是非、ご一読ください。