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2013年11月 6日

皮膚科医の必須道具「ダーモスコピー」

皆様こんにちは、高山有由美です。

ほぼ全ての皮膚科医が診察時に頻用する道具に
「ダーモスコピー」というものがあります。

ざっくり言うと虫眼鏡、ですが、単なる拡大鏡ではありません。

皮膚に見られる色を作り出しているものには、
メラニン、血液、角質、脂肪、石灰、異物固有の色調以外に
光の散乱、屈折という光学的効果も加わっています。

表面反射により隆起や陥凹といった情報は良くわかりますが、
反射が多くなるとぼんやりした色調になり、
詳細な情報が分かりにくくなってしまいます。

そこで、表面反射をゼリーで押えたり
ゼリーの代わりに偏光フィルターをつけて反射を 押えたりして見えやすくしたものが
「ダーモスコピー」です。

この「ダーモスコピー」は、悪性腫瘍の鑑別時に重宝されます。
数ある色素性母斑を見てきた皮膚科専門医ならば、
肉眼でも何となく怪しいな、と思うことがありますが、
この特殊な拡大鏡「ダーモスコピー」を使用することにより、
さらにその判断の確率を上げることができます。

ゼリーをつけて見やすくするものや、
PCにつないで画像を映し出して皆で見ることが可能なもの、
ゼリーなし、ハンディタイプで簡単に使用できるものなど、
様々なタイプがあります。

私は普段はゼリーなし、ハンディタイプをポケットに入れて持ち歩き、
色素性母斑に限らず、
イボ(尋常性疣贅、老人性疣贅)から血管腫、シミに至るまで、
隆起したもの、色のついた疾患は何でもこれで確認しています。

その疾患によって特徴的な所見があるため、
数を沢山見ることが、自分の判断材料の幅を広げるのです☆☆

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