冬でも厚着、暖房、ブーツなどの影響で、夏に気にされることが多いと思われるような疾患でも、冬に見られることがあります。
足の多汗症との関連で、水虫との鑑別を必要とする疾患に
「pitted keratolysis (蚕食性角質融解症)(点状角質融解症)」
というものがあります。
病名の漢字の通りなのですが、
見た目は足の指の腹や足の裏の角質層がボコボコと虫食い状に浅く陥凹した状態です。
自覚症状はほとんどありませんが、多汗症を伴うことが多く、悪臭を放つことがあります。
多汗による湿潤環境の中で、細菌(グラム陽性菌)が増殖して発する角質融解酵素が、
角質を溶かすことにより引きおこります。
治療は抗生剤の外用が主体です。
御自身で出来るケアは、局所を石鹸で良く洗って乾燥させることです。
その他制汗剤などで汗を押えたり、靴下を履き替える、一日履いた靴はよく乾燥させるなど、
足底の環境を整えることが大切です。
水虫を併発していることもあり、顕微鏡での真菌検査も並行して行います。
市販の水虫の薬でよくならない、臭いが強い、等あれば
皮膚科専門医のいるクリニックでの診察をおすすめします。