肌が炎症を起こしているときに必要な対策をお伝えします。
肌の炎症とは
肌の炎症とは皮膚炎のことで、様々な疾患が含まれますが、多くの場合「湿疹」です。
肌が赤くなる、ブツブツができる、じくじくする、みずぶくれができる、カサつくといった痒みをともなう皮膚の病気の総称のことです。
異物や細菌などが皮膚内に侵入してきたときなどに肌の免疫システムが働き、サイトカインの信号をきっかけに炎症が起こります。
かゆみは、炎症に伴い産生されるサイトカインの作用で生じます。また、皮膚炎になるとさらにバリア機能が低下し、衣服や汗といった通常なら刺激にならないものが、刺激になってしまいます。
炎症が悪化するサイクル
皮膚炎になると軽い刺激にも敏感になるため、炎症が悪化しがちです。かゆみのために掻いてしまうと、さらにひどくなってしまいます。掻くことで炎症が悪化して、さらなるかゆみが生じる「炎症の悪化サイクルitch scratch cycle」に陥ります。
また、炎症は慢性化しやすいので注意が必要です。長期的な炎症の結果、表皮が厚くなって皮膚がごわごわしたり、黒ずみが残ったりすることがあるので気をつけてください。炎症の原因を取り除くだけでなく、掻いて刺激を与えないことが重要です。
炎症によるかゆみ対策
かゆみ対策で大切となるのは、かゆみを悪化させる原因を除去することです。炎症が起きているとかゆみが治らないので、抗炎症作用のあるステロイド外用薬を用いて炎症を抑える必要があります。
また、乾燥を防ぐために保湿剤を塗ります。かゆみを抑えるために抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬の内服も有効です。日常生活においては、かゆみを悪化させる恐れのあるストレスや発汗、熱いお風呂、飲酒、睡眠不足、刺激の強い香辛料などを避けるよう気をつけてください。
炎症の対処法
炎症を抑えるために、下記のような対処が必要となります。
○冷却
かゆみをともなうときは、患部を冷やしましょう。この際、濡れタオルではなく、保冷材に薄いタオルやハンカチを巻き、温度だけ下げることがポイントです。
○化粧品
普段使っているスキンケア用品などの刺激が強い可能性があるので、刺激の少ない敏感肌用に切り替えるとよいでしょう。炎症が強いとき、化粧水や乳液はしみることがあります。バームやオイルを塗るだけでも十分です。肌への刺激や摩擦にならないよう手で優しくぬるようにしましょう。
○皮膚科の受診
炎症がひどい場合には皮膚科専門医の診察を受け、適切な薬を処方してもらいましょう。炎症の原因を明らかにすることも再発予防のために大切です。