皆様こんにちは。
数年前によく流れていた、「ニキビは皮膚科へ」というテレビCMが耳に残っている方も多いのではないでしょうか?「ニキビは青春のシンボル。生活習慣、洗顔、民間療法や化粧品で治すもの」、と思っていた時代もあったかと思います。
2008年以降、日本皮膚科学会ではエビデンスに基づいた標準的なニキビ治療を目指して「尋常性ざそう治療ガイドライン」を作成し、改訂を繰り返してきましたが、2008年10月にディフェリンゲル(アダパレン)が保険承認されて以降、世界の標準治療から大きく遅れを取っていた日本のニキビ治療が大きくかわりました。
女子医大皮膚科の恩師で、現虎ノ門病院皮膚科部長の林伸和先生が中心となって著名な先生方とお作りなられた素晴らしいガイドラインです。
今回、新しい治療薬として
2015年4月:べピオゲル(過酸化ベンゾイル(BPO)2.5%)
2015年5月:デュアック配合ゲル(クリンダマイシン1%、BPO3%)
2016年1月:ゼビアックスローション2%(オゼノキサシン)
が保険適用の医薬品として承認されたのを踏まえ、さらなる治療レベルの向上を目指しガイドラインが改訂されています。
尋常性ざそう(ニキビ)治療ガイドライン改訂のポイントとしては?
①抗菌薬の適正使用
②過酸化ベンゾイル(BPO)の登場
③併用療法の重要性
④維持療法の重要性
の4点。近年、抗菌薬に対するアクネ桿菌の耐性獲得が世界的に問題となっており、薬剤耐性菌を回避するための抗菌薬治療が見直されています。
過酸化ベンゾイル(BPO)はピーリング作用、アクネ菌の殺菌作用、抗炎症作用を持っていながら、抗生剤ではないので長期使用で耐性菌が生じにくい点から急性炎症期から維持療法までずっと使用することが可能です。べピオゲル、デュアック配合ゲルのどちらにも過酸化ベンゾイル(BPO)が含まれています。
急性炎症期には抗生剤内服もしくは外用と過酸化ベンゾイル(BPO)もしくはアダパレンの併用療法が強く推奨されており、維持期には過酸化ベンゾイル(BPO)もしくはアダパレンの単剤使用が強く推奨されています。
ゼビアックスローション2%(オゼノキサシン;ニューキノロン系抗生剤)は1日1回外用で効果を発揮してくれるため、忙しくて2回外用するのを忘れてしまうような方にもおすすめですね。
ニキビ治療は皮膚科専門医にぜひご相談ください。