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2016年8月16日

大人のアトピー性皮膚炎

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皆様こんにちは

「アトピー性皮膚炎」というと喘息と同じく、アレルギー疾患というイメージがとても強いと思いますが、研究が進むにつれて、アトピー性皮膚炎は、持って生まれたアレルギー体質の他に、皮膚が乾燥し、バリア機能が低下した肌質を持つという2つの体質をあわせもっていることが分かりました。

皮膚のバリア機能とは?

このバリア機能の要となるのが角質細胞と角質細胞の隙間を満たしている角質細胞間脂質と呼ばれる潤い成分「セラミド」です。「セラミド」は角質細胞間脂質の約半分を占める主成分ですが、アトピー性皮膚炎の人は、この「セラミド」がもともと減っているため、水分が逃げやくす、乾燥肌になりやすい傾向にあります。この肌質はバリア機能が低下していて、普通の人にとっては何でもないような刺激、例えば少しこすったり、汗をかいたり、花粉が付着したりしただけでも強いかゆみが起こりやすい敏感なお肌なのです。

このバリア機能を少しでも高める術が「スキンケア」です。アトピー性皮膚炎の方はいつも強い炎症が起きると薬を塗って落ち着かせる、ということを繰り返して治療していると思いますが、外来で診察をしていて驚くのは、こんなにカサカサと乾燥しているのに、保湿剤を毎日きちんと塗っていらっしゃる患者さんはそう多くはないということです。アトピー性皮膚炎の方は、始めにもお話したとおり、2つの体質をあわせ持っているため、この体質を根治するということは、残念ながら難しく、治療のゴールは「炎症があまりおこらないようにする、出ても軽くすむようにコントロールしていく」というところになります。そこで、しっかりと「スキンケア」をしておくと、軽い炎症であればそれだけでよくなることもありますし、強い炎症が起こるのを防ぎ、アトピー性皮膚炎をコントロールしやすくなります。

スキンケアは入浴直後に!

「スキンケア」は入浴直後が最も有効、というのは何となく常識的に知っている方が多いかと思いますが、実際どのくらいまでに行うと有効だと思いますか?ある研究によると、入浴後10分後からどんどん皮膚表面の水分が蒸発し始め、何もしないと20分後には入浴前よりも乾燥しているという結果がでています。お顔に限らずボディーの「スキンケア」は入浴後10分までに素早く行うように習慣化していくといいですね。

以前はよく、アトピー性皮膚炎は、乳幼児頃に発症し、思春期以降収まっていくと言われていましたが、最近では大人になっても症状を繰り返している人、一旦収まっていたのに大人になって再燃する人が少なくありません。大人になると、セラミドの数もさらに減少し、思春期にピークを迎えた皮脂腺の活動がおちつき、さらに乾燥肌に傾き、バリア機能も弱まります。

そうなると、ダニ・ハウスダスト・花粉・ペット・合わない化粧品・ストレスなどが悪化要因となり、炎症をひきおこしやすくなります。また、アトピー性皮膚炎の悪化因子の中でも、精神的ストレスは大きな因子の1つと言われていて、睡眠導入剤や軽い抗うつ剤などを処方したり、精神科や心療内科と連携をとって併診していただいたりします。大人になると色々なストレスを抱えながら生活するのが当然になってしまいますので、うまく息抜きをしながらスキンケアと治療を継続頂けたらと思います。


当院ではアトピー性皮膚炎の炎症後に起こる色素沈着やゴワゴワした肌の肌質改善などの治療もご案内しております。ぜひ一度ご相談ください。

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