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2016年12月14日

床ずれ「褥瘡」

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皆様こんにちは。
なかなか元気な方で床ずれを起こすということはありませんが、ご家族の介護等で目にする機会がある方もいらっしゃると思います。美容皮膚科で拝見することはまずありませんが、入院施設のある病院や介護施設では寝たきりの患者様も多く、大学病院時代は褥瘡回診についたり、往診に伺うことがありました。

褥瘡は、どうしてできるのでしょうか。
普通は眠っている間も無意識のうちに寝返りを打ったり、長時間椅子に座っている時はお尻を移動したりして同じ部位に長時間の圧迫が加わらないようにしていますが、自分自身で体の位置を変換できない人(寝たきりの人や、車椅子に座りっぱなしの人)は、骨の突出部など、皮下組織の薄い部分へ圧迫が集中します。そうすると、皮膚やその下にある皮下脂肪組織、筋肉への血流が途絶えて、これらの組織が死んでしまうことがあります。この状態を褥瘡と呼んでいます。褥瘡の大きさや深さは、圧迫の強さ、持続時間、皮膚のズレの程度に影響を受けると考えられています。強い圧迫が長時間加われば筋肉にまで達する深い褥瘡ができることもあります。

その他に発症に関与する要因はあるのでしょうか。
褥瘡が生じる場所の皮膚の状態、体圧分散寝具(骨の突出部など、一部に体圧がかからないようにするマットレスなどのこと)や体位変換などによる介護の状態、栄養状態が大きく影響します。栄養状態が悪化すると褥瘡発症の危険性が高くなりますし、既にある褥瘡の治癒も遅くなります。そのため、褥瘡治療では医師、看護師、介護士、栄養士などがチームを組んで治療にあたることが必須になります。

一度大きくて深い潰瘍ができると治癒までに2~3か月以上かかることもあります。体圧分散寝具を賢く利用し、体位変換をこまめに行い、予防することが大切です。



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