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2017年3月 8日

汗管腫と似た皮膚疾患「顔面播種状粟粒性狼瘡」

皆様こんにちは。
黄白色~皮膚と同じ色の目の周りの小さなブツブツ。当院でよくお見かけし、炭酸ガスレーザーで治療するのは「汗管腫」と言ってエックリン汗腺系の腫瘍で、思春期をすぎた女性のまぶた、特に下まぶたによくできます。

この「汗管腫」と似た見た目の皮膚疾患に、「顔面播種状粟粒性狼瘡」という疾患があります。何やら難しげな病名ですが、20~30代の男女のお顔に肉芽腫と呼ばれるブツブツをつくる疾患です。こちらも汗管腫と同じく、黄白色~皮膚と同じ色、あるいは紅色の小さい丘疹で、下まぶたが好発部位です。左右対称にできて、膿疱となることもあります。時に中心が陥凹することもあり、慢性の経過をたどり、瘢痕化したりすることがあります。まぶた以外にも鼻の周囲の頬など、お顔の他の部位にもできるので鑑別点として重要です。

かつては皮膚結核の一種とされていましたが、現在は否定されていて、毛穴や毛穴の分解産物、皮脂、にきびダニに対する肉芽腫性反応と推定されており、酒さ性ざ瘡に近い疾患との意見もあります。なかなか視診だけでは診断がつかないこともあり、皮膚生検による病理検査で中心壊死と類上皮細胞肉芽腫を認めることにより確定診断が可能です。治療には数か月~1年程度、長い方だと数年かかりますが、テトラサイクリンの少量内服が基本です。
ご心配な方は皮膚科専門医へご相談ください。

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