皆様こんにちは。
成長因子といえば、当院ではダーマローラーやスカーレット、フラクショナルレーザーなどの孔をあける系の治療をした際、コラーゲン線維の産生をさらに高めるため、塗布してパックをしています。
成長因子の種類はたくさんありますが、その中でもbFGFを使用した薬は、糖尿病壊疽や、褥瘡などでどうしたものかしら、というくらいとても深い潰瘍になってしまった患者様の傷に振りかけて、むくむくと赤色の肉芽が増殖する頼もしい治療薬なのです。けれども、効果が絶大なゆえ、使い方を誤ると、悲しい症状を引き起こすこともあります。残念なことに一部のクリニックでは、PRPに混入したり、単体で直接注入したりすることにより、しこりが生じる合併症が報告され注意が呼びかけられています。
成長因子の種類や投与する量・混合するものにもよると思いますが、固まり注入ですと、1箇所に高濃度の成長因子が入るため、その部位のみに強いコラーゲン産生の刺激が働き、硬いしこりとなってしまう例が見受けられます。この刺激は量や手技などでコントロールすることができないため、線維化の具合も調節が不可能ゆえ、人によってしこったり、しこらなかったりします。改善方法は基本的には手術で除去することですが、顔に傷をつけてまで除去するほどではない、とそのまま放置されている方も多いと思います。けれども硬く触れて嫌だな、という思いはどこかにあるはずです。当院では、そんな方に少しでも治療方法の一選択肢をご提案できればと思います。
3年前に他院で鼻唇溝に単独注入した成長因子が、しこりとなり硬く触れ、隆起していたものが、ケナコルト(ステロイド)を3回注射したところ、しこりが柔らかくなり、隆起もほぼ改善された症例がありましたのでご紹介いたします。この方は鼻唇溝も気にされており、しこり周囲の鼻唇溝上の脂肪組織に対して脂肪溶解注射も3回併用しています。
当院では、このように、他院でのトラブルに対する修正治療についてもご相談を承っております。なかなか相談するところがなくてお悩みの方、ぜひご相談ください。