【つらい片頭痛】痛くなったら試したい、ボトックス注射による片頭痛の緩和治療

【つらい片頭痛】痛くなったら試したい、ボトックス注射による片頭痛の緩和治療

    目次
  1. 1. 慢性頭痛は現代病
  2. 2. ボトックス注射の片頭痛緩和への期待

1. 慢性頭痛は現代病

原因となる疾患がないにもかかわらず、頭痛を繰り返す『慢性頭痛』は本当につらいものです。特に季節の変わり目ともなると、ズキズキ、頭が重い、気分が晴れないという症状が出てくるのではないでしょうか。

ただの頭痛と侮るなかれ。『慢性頭痛』は、15歳以上の日本人の40%に当たる約4000万人が悩まされている『現代病』なのです。一口に『慢性頭痛』といっても、様々なタイプがありますので、主な頭痛をみていきましょう。

■ 片頭痛

片側あるいは両側のこめかみから目の奥にかけて、脈を打つようにズキンズキンと痛みます。動いて体が温まってくると、血流が良くなって痛みが悪化してしまい、ときには寝込むこともあります。その発作が出てから24~48時間も痛みが続くことさえあります。

■ 緊張型頭痛

頭全体が何かで締め付けられているかのように痛みます。『慢性頭痛』の中で最も多いのがこのタイプです。子どもから高齢者まで、年齢に関係なく幅広い層に見られます。別名『筋緊張性頭痛』とも呼ばれる通り、日常生活でのストレスの蓄積、過度な緊張、長時間同じ姿勢でいることなどが重なって、起こるとされています。

■ 群発頭痛

片目の奥やこめかみにかけて、突き刺すような激しい痛みが襲います。20~40代の男性に多いのが特徴で、ある期間集中して頭痛が続きます。原因はアルコールが引き金になることが多いようです。

2. ボトックス注射の片頭痛緩和への期待

実は私も片頭痛持ちで、思春期の頃から得体のしれない痛みに悩まされてきました。頭痛薬はいつも化粧ポーチに常備していましたし、胃を荒らしにくく、即効性があるのでボルタレン座薬も併用していたほどです。

誘因は、過労や睡眠不足、低気圧などで、これらが重なると発作が起きます。温まりすぎると発作が出るので、サウナは調子の良い時に短時間限定です。実母、実弟、長女も同じ症状に悩まされているところをみると、遺伝性の要因が大きいようです。10年くらい前からエルゴタミン製剤に切り替え、半年前から予防薬を併用したところ発作の頻度が減りました。私は重症なほうでしたので、夏から抗CGRP抗体の注射も始めたところ、頭痛が来るという予兆までも減って快適です。

実は遡ること20年程前に、シワ改善の目的で、額や眉間に『ボトックス注射』を受けた方から、「悩まされていた片頭痛が緩和された」「頭痛の頻度が減った」などの声が偶然にも複数報告されるようになりました。

それ以降、ボトックス注射の研究症例が世界中から数多く出てきました。『片頭痛』に対する有効性が示され、2010年10月には、アメリカのFDA(食品医薬品局)により、片頭痛の治療薬として、ボトックス注射が正式に認可されました。その後、イギリス、カナダ、オーストラリアなどにも使用が認められています。残念ながら日本では保険診療の項目として、ボトックス注射は認められていませんが、重症な方は抗CGRP抗体の注射がベストだと思います。

現在でも『ボトックス注射』が片頭痛に聞く理由が完全に解明されたわけではありませんが、頭痛の引き金となる眉間部分の三叉神経(感覚神経)が『ボトックス注射』によって緩むことや、痛みの神経に作用して緩和するのではないかと言われています。全ての人に効果が認められるわけではありませんが、1回の注射で、約半年程度効果が持続する人もいます。

美容クリニックでの『ボトックス注射』というと、眉間や目じりなどの表情ジワの改善に使用されることが多いですが、他にも様々な用途があります。

『エラボトックス』は、小顔、エラ張り、歯ぎしりの改善。
『ワキ・女性外陰部ボトックス』は、汗やニオイの軽減。
『ガミースマイルボトックス』は、笑った時の歯茎の露出を防ぐ。
『肩ボトックス』はつらい肩こりの解消。

シワも気になるし、片頭痛もあって『ボトックス注射』を受けてみたいという方は、美容専門医に相談してみてください。