睡眠不足の翌朝は肌色が冴えない...肌が黄色くくすむ原因の一つは‶ビリルビン″だった!
1. 睡眠不足と肌の関係
「余計なことをするなら、早く寝よう!」
美肌の基本は、『食事』『睡眠』『腸内環境』『運動習慣』『ストレスコントロール』の5本柱であると、取材の度に繰り返しお伝えしています。
なかでも、今回お話する睡眠に関しては、全身への影響が甚大です。睡眠不足は、うつ傾向・うつ病などメンタルヘルスにも影響を及ぼします。そして、肌への影響はというと?
睡眠=肌を作る工場の稼働時間です。稼働時間が少ないと健やかな肌の産生量も減ってしまいます。すると、乾燥からバリア機能低下、キメの悪化や毛穴目立ち、ストレスによるメラニン増生でシミやくすみが悪化するなど美肌の真逆につながります。
寝不足の朝に「顔色が冴えない」 と感じた経験はありませんか?
青黒いような、黄味がかったような何とも言えない肌色...
血行不良による問題はもちろんありますが、SK-IIが2020年に国際色素細胞学会で発表した研究によると、このくすみの原因が表皮細胞の中に産生される黄色い色素「ビリルビン」だと判明しました。
2. ビリルビンって何?
ビリルビンというと、医学生や医師にはお馴染みの『黄疸(おうだん)』の原因物質です。まずは、ビリルビンについての基礎知識を確認しておきましょう。
血液中の赤血球は、全身に酸素を運ぶ重要な役目を果たしています。赤血球の寿命は120日前後で、寿命を迎えた赤血球は分解され、その一部がビリルビンという黄色い色素に変化します。そして、ビリルビンは血液によって肝臓に運ばれ、そこで処理されて胆汁の中に排出されます。
ビリルビンは正常範囲の量では細胞保護効果をもつ有益な物質ですが、何らかの原因で量が増えすぎると、様々な臓器に悪影響を及ぼします。そして、皮膚や白目の部分が黄色くなる黄疸といった症状が現れるようになります。
ビリルビンが増える要因としては、肝機能の障害・胆管の閉塞などのほか、体質性や赤血球が過剰に破壊されてしまう溶血性貧血などがあります。
さらに、睡眠不足といった酸化ストレスがかかることでも表皮細胞の中に産生され、それが黄ぐすみとして肌に現れることが最新の研究によってわかったのです。
in vitro試験(試験管試験)では、ケラチノサイトに酸化ストレスを与えるとビリルビン合成酵素(ヘムオキシゲナーゼ-1やビリベルジンンレダクダーゼ)の遺伝子発現が高まり、三次元皮膚モデルにおいてビリルビン色素の産生が確認され、in vivo試験(生体試験)では、24時間無睡眠状態の肌で、黄色みが急上昇し、5日間持続するという結果を得ています。
3. 睡眠不足で黄色い色素‶ビリルビン″が増える理由
答えは、ビリルビンは抗酸化物質だから。
昔、『24時間戦えますか?』というキャッチコピーの栄養ドリンク剤がありましたが、睡眠不足状態では、交感神経が優位な戦闘状態です。
このような酸化ストレス状態では、身体の酸化(錆び・さび)による血管や皮膚のダメージを防ぐための防御反応として、抗酸化物質のビリルビンが産生されてしまうわけです。
紫外線に対する人体の防御反応としてメラニン色素が増えるのと似ています。メラニン色素は紫外線にあたらずとも擦る刺激や睡眠不足、精神的ストレスでも増えます。
私たちの体に備わった、素晴らしい抗酸化力、防御反応ではありますが、継続的に繰り返されると見た目の印象を大きく損なう事に繋がるわけです。
いくら良い化粧品を塗っても、効果的な美容医療を施術しても、基本的な生活習慣という命の土台が揺らぐと結果が出にくいのです。
寝る直前までスマホを使用しているという方も多いと思いますが、ブルーライトの影響で自然な眠りを誘うメラトニンの分泌が抑制されて、寝つきが悪くなり、睡眠の質も低下します。就寝の2時間前には、スマホをはじめとしたデジタル機器の使用をやめましょう。また、忙しいと入眠時間が遅くなりがちですが、6時間以上は眠るように心がけてくださいね。
4. スキンケアや美容医療での黄ぐすみ対策
現代人は、慢性的な睡眠不足と様々なストレスにさらされています。それらに立ち向かう手立てはいくつかありますのでご紹介します。
睡眠不足と黄ぐすみの関係を研究したSK-IIは、in vitro試験(試験管試験)でビリルビン合成を抑制する成分、SDL(ショ糖脂肪酸エステル)を発見し、商品化しています。8週間連用させたヒトでのin vivo試験(生体試験)で黄色味の改善も認められているので、ご興味ある方は試してみるのも良いと思います。
さらに、美容医療の黄ぐすみ対策もご紹介しましょう。慶田も定期的に受けている治療です。
【抗酸化剤を全身に送り込む点滴】
点滴で有効成分を直接体内に取り込むことでサプリメントよりも吸収効率がよく、美肌効果を促進します。
■NMN若返り点滴
NMNの正式名称は「ニコチンアミドモノヌクレオチド」です。NMNの効果の一つにさまざまな疾患を引き起こす可能性のある「活性酸素」を除去する抗酸化作用があります。
本来、NMNはビタミン類似物質で、体の中で自然に作られるものですが、加齢に伴い体内での生産量が減少していきます。NMNを多く含む食材として、枝豆やブロッコリー、キュウリなどがありますが、ブロッコリーの場合、1日100㎎のNMNを摂取しようとすると約40㎏(約2000房)もの量が必要になります。現実的ではありませんよね・・・。そこで、効率よくMNMを体内に摂取する方法として登場したのが『NMN若返り点滴』です。
■高濃度ビタミンC点滴
血中のビタミンC濃度を高めることで、抗酸化作用、メラニンの生成抑制、コラーゲンの生成促進、抗アレルギー効果、免疫力の向上など多くの美容・健康効果が得られます。
■白玉注射
「グルタチオン」という成分を高配合した美白注射です。老化の原因となる活性酸素を消去する強力な抗酸化作用や、体内の毒素や老廃物を分解・排泄するデトックス作用を持ち、健康や美容を維持するためには欠かせない成分です。
【潤い・ツヤ・透明感を上げる美肌効果の高い薬剤を注入】
■水光注射(極水光プラス)
水光注射は、専用の注入機器を用いて美肌効果の高い薬剤を短時間でお顔全体に注射できる肌質改善治療です。高品質の非架橋のヒアルロン酸に、極上美肌メソカクテルを贅沢に混合した美肌成分の極みをリッチに注入するメニュー「極水光プラス」は、潤いとツヤ、内側から押し上げるようなハリ感が生まれ、回数を重ねるごとに透明感の高いクリアな肌に導きます。
【ハリ弾力アップ・コウジ酸配合で黄ぐすみも改善するピーリング】
■マッサージピール(コラーゲンピール)
マッサージしながら塗るだけで、表皮のターンオーバーを高め、真皮に作用して、コラーゲンの再生を強力に促進するピーリングです。肌にハリと弾力をもたらし、シワやたるみといったエイジング症状を改善させるほか、強力な美白作用を持つコウジ酸も配合されており、くすみ改善や美白効果も得られます。