かすみ目・ドライアイの原因は?目を老化させるNG行動と対策~目周りのエイジングケア
1. 目のかすみは近くを見続ける習慣から
夕方になると、なんだか目がかすむ、PCの画面を見るのがつらい。こんな症状が出ることはありませんか?まだ老眼の年齢でもないのに、どうしたんだろうと不安も感じますよね。その原因は、近くのものを見続ける習慣にあります。
私たちはスマホやPCを長時間使用しています。行き帰りの通勤電車の中でも、食事中でもスマホが身近にあるため、ついつい見てしまいがちですよね。コロナ禍で、動画視聴が習慣になってしまった方も多いのではないでしょうか?実は私もそうです。
IT機器を長時間使用していると、目の中のレンズ、水晶体を支える毛様体筋が収縮し続けるため負担がかかり、水晶体のピントを調節する機能が疲れてしまいます。そのため、老眼でなくても目がかすみ、ものが見づらくなってしまうのです。
また、液晶画面に集中しているため、無意識にまばたきの回数が減り、目の表面が乾燥しやすくなってしまいます。最近では小学生のドライアイ症状が問題視されています。またコンタクトレンズを長時間装着している人は、乾燥リスクが高まります。ファッション目的のカラコン愛用者の眼の健康リスクも社会問題になっています。さらに、まつ毛のすき間を埋めるように描くアイラインやマスカラなど、まぶたの粘膜ギリギリを覆うようなアイメイクによって、ドライアイが進むこともあります。
目と目周りの皮膚は、取り換えのきかない一生モノのパーツです。不調や老化の兆候を見逃さずに早めに対処しなければならないのです。
2. 目を老化させる、NG行動
■ 長時間のスマホやPC
液晶画面を凝視するので、どうしてもドライアイやかすみ目の原因になります。さらに液晶画面から発せられる「ブルーライト」が、角膜や水晶体を通過して網膜にまで届くため、長時間見続けると網膜の中心部にダメージを与え、加齢黄斑変性症のリスクを高めてしまいます。
■ がっつりアイメイク
まぶたの縁には眼脂を分泌する「マイボーム腺」の開口部があり、ここが濃厚なアイメイクでふさがれてしまうと、眼脂の分泌が妨げられてドライアイになります。しかもアイメイクが目に入ると眼球結膜の充血や角膜の炎症の原因にもなってしまいます。
■ 乱暴なスキンケアア
目元の皮膚は、私たちが思っているほど丈夫ではありません。顔のパーツで最も皮膚が薄く、皮脂腺もなく角層のバリアも弱いので、乾燥し傷つきやすいのです。そのため、メイクを落とすのにゴシゴシ擦っていると、エイジングがどんどん進んでいきます。
■ コンタクトレンズの乱用
30代では、メガネよりも圧倒的にコンタクトレンズの使用が多いようです。眼科医の診察をしないで、コンタクトレンズを適当に購入し、長時間装着して寝たまま、などという話も聞こえてきます。ドライアイや目元のトラブルの原因にもなるので、装着の仕方をきちんと守り、眼科健診を受けましょう。
3. 予防と対策
まずブルーライト対策をこころがけましょう。ブルーライトは、紫外線に近い短波長で、非常に強いエネルギーを持つ光です。目の角膜や水晶体のみならず、目の奥の網膜にまで達します。
就寝前に網膜がブルーライトによる強い刺激を受けていると、体内時計が乱れ、自律神経系や内分泌系、免疫系にも悪影響を及ぼします。寝つきが悪い、熟睡感が低いなどの睡眠の質を低下させる大きな要因でもあるのです。また3時間以上ブルーライトを見続けると空腹感が増し、肥満の原因になるとも言われています。
とはいえ、スマホやPCを完全に排除する生活は無理ですよね。ブルーライトをカットするフィルムやPCメガネ、ブルーライトを軽減する蛍光灯型LED照明などを使用するなどの工夫をしましょう。睡眠1時間前には、スマホの電源を落とし、目をいたわることを忘れないようにしたいですね。
ウォータープルーフのマスカラやアイライナーを使って濃いアイメイクをしている人は、擦らずに落とせる、専用のリムーバーを使用して、ふやかすように落とすようにしましょう。また日中は、こまめに保湿することも大切です。乾燥した状態を放置してしまうと、バリア機能が乱れて炎症を起こしやすくなります。目尻や下まぶたのしわの内側まで届くように重ねてなじませましょう。
さらに気になる人には、老化してしまった目周りの皮膚をふっくら潤いのある状態によみがえらせる美容治療もあります。
表情ジワを防ぐ『ボトックス注射』やコラーゲン線維を増やす『スネコス注射』、たるんだコラーゲンを強化する照射治療の『ウルセラ』や『スカーレットS( ニードルRF) 』、刻まれてしまったしわや凹みクマには『ヒアルロン酸注入』などの施術を組み合わせれば、目周りも若々しくよみがえります。
美容経験豊富な皮膚科専門医にご相談くださいね。