【皮膚科医が教える春の紫外線対策】未来の肌を明るく健やかに保つにはアウターケア&インナーケアが常識!

【皮膚科医が教える春の紫外線対策】未来の肌を明るく健やかに保つにはアウターケア&インナーケアが常識!

光老化を防ぐ紫外線対策として日焼け止めは一年中必要ですが、それでも春から夏にかけての強烈な紫外線は防御しきれません。そこで重要なのが、サプリメントや食事で栄養素を補う「インナーケア」です。外側と内側から、ダブルでアプローチすることで、紫外線による肌トラブルを最大限防ぐことができます。また、美白コスメを併用するのも有効です。自分の肌悩みに対して必要な成分が何かを知り、上手く取り入れることで透明感のある美肌を手に入れましょう。

    目次
  1. 1. 紫外線による肌トラブルと老化症状
  2. 2. 紫外線対策は外側&内側からのWケアが効果的


1. 紫外線による肌トラブル&老化症状

紫外線による肌トラブルとして代表的なものに、「シミ」「そばかす」「くすみ」などがあげられます。肌に影響を及ぼす紫外線には、UV-AとUV-Bの2種類があり、真皮層にまで到達するUV-Aは、慢性的に浴びることでハリや弾力を保つのに欠かせないコラーゲンやエラスチンなどを変性させ、シワやたるみの原因となります。

一方、UV-Bは主に表皮に作用し、メラニンを増加させて日やけによるシミ・そばかすの原因を作り、肌にヒリヒリとした赤い炎症(サンバーン)を引き起こします。また紫外線から肌を守ろうと角質が厚くなり、毛穴の入り口が詰まって「ニキビ」ができることもあります。

今あげた以外にも、紫外線はさまざまな症状を引き起こします。表皮の良性腫瘍である「老人性イボ(脂漏性角化症)」や皮膚がんのリスクにもつながるDNAや細胞膜の損傷、さらに紫外線の浴びすぎは免疫低下にも繋がります。

2. 紫外線対策は外側&内側からのWケアが効果的

■ 飲む日焼け止めや美白サプリメントの活用

塗る日焼け止めは必須ですが、実際は日焼け止めの性能テストで使われる使用量の1/5程度しか塗られていません。また汗や皮脂によって崩れやすく、マスクで擦れて取れてしまうこともあります。そこでおすすめしているのが、日焼け止めと併せて紫外線対策ができるサプリメントやドリンクなどのインナーケアをプラスすることです。最近では「飲む日焼け止め」と言われるほど効果が期待できるものも増えていますので、ぜひ取り入れてみてください。内側からのケアは、顔だけでなく髪や目、首など全身をくまなくケアできること、エイジングケアや健康維持にも繋がるなどさまざまなメリットがあります。

■ 食事やサプリメントで取り入れたい栄養素とは?

紫外線に負けない美肌を保つためには、食事やサプリメントで必要な栄養を取り入れることが大切です。まずはビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、アスタキサンチンなどの抗酸化作用が高い成分を積極的に摂りましょう。中でもアスタキサンチンは、紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能性や、紫外線を浴びた肌を乾燥から守り、肌のうるおいを守る機能性が報告されています。

食材で言えば、トマトやパプリカ、ニンジン、カボチャ、ブロッコリー、アスパラガスなど、色素の濃いカラフルな野菜が当てはまります。肉なら鶏や豚のレバーがビタミンAを、魚であればサーモンや甲殻類がアスタキサンチンを多く含んでいます。そのほかフルーツやナッツ類もおすすめです。

抗酸化作用のある成分を摂ることで、紫外線により増えた体内の活性酸素を消去して、色素沈着や肌の老化を防ぐことができます。サプリメントの場合は、出かける30分前くらいに飲むと効果的です。日焼けをしにくくなりますし、日焼け後の回復も早くなります。また抗酸化力が高い成分は、肌以外にも血管や目などさまざまな部位の酸化ストレスを防ぎ、アンチエイジング効果も期待できます。またブルーライトによる目の疲れや痛みを楽にしてくれる働きもあります。

■ 美白成分入りのスキンケアの使用

朝晩のスキンケアの際に、美白成分入りの化粧品を取り入れるのも有効な手段です。

高い抗酸化力を発揮する「ビタミンC」

メラニンの生成を抑制してシミを予防するほか、メラニン色素を淡色化し、できてしまったシミの色を薄くする働きがあります。さらに、抗酸化作用、コラーゲンの産生促進、過剰な皮脂分泌を抑制するなどマルチな作用を持ちます。

美白に加えて肌の炎症も抑える「トラネキサム酸」

トラネキサム酸は、メラニン色素を作る上で不可欠な「プロスタグランジン」という成分の働きを抑制します。さらに炎症にかかわる物質を誘発する「プラスミン」の過剰な生成や増加を抑える働きもあり、メラノサイトの活性化を抑え、シミや肝斑の改善に期待ができます。

■ 美白効果を高めるための保湿と角質ケア

できてしまったシミにはレーザーなどでの除去が必要になりますが、年間を通してブライトニング効果のあるアイテムを使うことで、シミのできにくい肌を育てることができます。

とはいえ、古い角質や酸化した皮脂が溜まって肌がゴワついているときは、せっかく美白ケアしても有効成分が浸透しにくくなります。

まずは角質ケアができるクレンジングや洗顔を取り入れて、汚れをしっかりと落とすことが大切です。また美白と同時に保湿ケアも肝心です。スキンケアの最後は乳液やクリームで仕上げて、しっかりと保湿することで肌のバリア機能が高まります。健康な肌をつくるには、やさしく洗う、しっかり潤す、紫外線対策をするという3ステップを心がけましょう。

肌のターンオーバーを促す「レチノール」

レチノールはビタミンAの一種で、肌のターンオーバーを促進する作用があります。メラニンをスムーズに排出し、毛穴の詰まりを防いだり、黒ずみ、ニキビ跡の改善にも繋がります。さらにコラーゲンの合成を促す作用もあり、シワ対策にも効果的です。ただし濃度の高いものを使うことで肌にピリピリとした刺激を感じたり、赤みやかゆみがでたりすることもありますので、まずは少量から試してみてください。