【ヒアルロン酸注入 技術指導医が解説】クリニック・医師選びの重要性!後悔しないために、施術を受ける前に確認すべきポイント!

【ヒアルロン酸注入 技術指導医が解説】クリニック・医師選びの重要性!後悔しないために、施術を受ける前に確認すべきポイント!


    さまざまなエイジング悩みに対する効果的な治療として、『ヒアルロン酸注入』が身近になってきました。多くのクリニックで施術を受けることができ、手軽さや安全面ばかりがクローズアップされがちですが、実は重篤な事故が起きる可能性もある非常に高い技術が必要な施術だということをご存じでしょうか?今回はそんな『ヒアルロン酸注入』について、知っておくべき基本知識からクリニックの選び方などを詳しく解説します。

    目次
  1. 1.『ヒアルロン酸注入』の効果やメリット
  2. 2. 高い技術が必要な施術だからこそ、信頼できるドクター選びが重要
  3. 3. クリニック選びでチェックすべきポイント


1.ヒアルロン酸注入の効果やメリット

ヒアルロン酸注入』の効果は3つあります。1つ目はシワを目立たなくすること、2つ目は靭帯を補強してリフトアップすること、そして3つ目は、顔の萎縮・ボリュームロスを整えてふっくらと若返らせることと、額やあご、くちびるなどのパーツの形を魅力的に整えることです。

さらに数ある注入剤の中でヒアルロン酸製材の優れている点として、すぐに効果を実感できること、気に入らない場合やアレルギーが生じた場合でもすぐに溶かす溶解酵素が存在することが挙げられます。

2. 高い技術が必要な施術だからこそ、信頼できるドクター選びが重要

このように多くの効果が期待でき、メリットの多いヒアルロン酸注入ですが、その手軽さゆえ誰が施術しても同じだと思っていませんか?実はヒアルロン酸注入は医師の解剖学的知識・技術力・経験・美的センスによって大きく結果が変わります。また知識がないことで重篤な合併症を起こすこともある、非常にリスクの高い施術でもあるのです。実際当院には全国から他院修正の希望があります。

3. クリニック選びでチェックすべきポイント

ではどのようなクリニックを選べば良いのでしょうか。ここではクリニックに行く前に確認しておきたいポイントをお伝えします。

■ 費用よりも医師の専門性や経歴、症例数などをチェック

同じ施術なら価格を比べてしまうのは当然ですが、それだけを見るのは要注意です。実は他院修正を希望する方のほとんどが、キャンペーンやインスタグラムの広告に惑わされてしまったというケースです。

何よりも大切なのは、医師の経歴と専門性です。まず目安として欲しいのは、「日本形成外科学会認定形成外科専門医」または「日本皮膚科学会認定皮膚科専門医」を所有しているかどうかです。

皮膚のたるみ具合、骨の状態、脂肪の萎縮や形状、靭帯の劣化の具合、本人の希望などを考慮した上で注入部位や注入量を適切に加減する作業は、基礎を学び、長期に渡る臨床現場を経験してこそ身につくものです。まずは基礎領域となる皮膚科学や形成外科学のトレーニングをしっかりと受け、「保険診療のスタンダードな治療を納めているかどうか」がカギになります。また、「学会に所属している」だけでは専門医取得の証にはなりません。学会は会費を払いさえすれば医師であればいくつでも所属することができるので、大学病院での研修歴、専門医取得の有無といったドクターズの経歴を必ず確認してください。

■ 安全で信頼性の高いヒアルロン酸製剤を使用しているかをチェック

ヒアルロン酸製剤と言ってもたくさんの種類があります。どの製剤を選んでいるのか、使用する製剤の特性を熟知し、説明できる医師でなくてはなりません。そのうえで、目的に合わせた製剤を適切な場所に最小限の量で、さらに長期的にコラーゲンを再生させることを考慮しながら入れていくことが、医師の腕の見せ所になります。

当院の院長は厚生労働省認可のヒアルロン酸製剤「レスチレン」を販売する製薬会社、ガルデルマ社の認定するヒアルロン酸注入の技術指導医(トレーナー)を、2015年に日本で承認された当初から務めています。ヒアルロン酸注入に関わる医師への技術指導・安全教育・トレーニングマニュアルの作成・到達指標の作成などに関わることで、日本国内でのヒアルロン酸注入の技術の向上と、不幸な事故ゼロを目指しています。さらに2020年からは国際会議で日本代表として意見交換をするファカルティメンバー(日本人では2名)にも選任され、ますます責任ある立場になりました。

■ HPでの症例写真や医師自身の顔で美的感覚が合うかチェック

クリニック選びでもうひとつ大切なことは、医師の美的センスです。まずはHPの症例写真や医師自身の顔が自然な顔かどうかをチェックしてください。不自然な顔になっているということは「入れすぎ」です。加齢の仕組みをわかっていない、本人の希望のままに追加注入をする、売上目的でどんどん入れてしまう、美的感覚が少しずれている......などさまざまな理由がありますが、症例写真とドクターの顔を見れば、仕上がりのイメージがつくはずです。

ナチュラルな仕上がりにするには、顔をパンパンにしてはいけません。消すべきシワと残すべきシワを仕分け、自然で美しく見えるようにすることが大切です。そのためには、注入量は0.05ml単位で調整し、真皮中層、真皮深層、脂肪浅層、脂肪深層、骨上の5層に、0.1㎜単位の正確さで注入すべきです。基本的な知識や技術とともに、ナチュラルに仕上げるセンスがあるかどうかもチェックしてみてください。

■ 医師のカウンセリングがしっかりあり、納得できるかをチェック

クリニックに行って、「カウンセラー」という職種の方がいたら要注意、できれば逃げ帰ってください。施術をするかしないか、治療方針を決めるのは医師です。問診として美容履歴を聞く看護師やスタッフがいるのは一般的ですが、治療方針や治療内容、同意説明までをカウンセラーが決めてしまうクリニックは意外と多いです。適応のない治療を先に契約させ、オプション治療をいくつも追加し、ローンを組ませ、医師は簡単に同意説明をとるだけでいきなり施術、という流れのクリニックは避けた方が無難です。

医師とのカウンセリング時にも、注意すべきポイントがいくつかあります。まずは「どうなりたいか」という本人の悩みをきちんと聞いたうえで客観的な提案をしてくれるかどうかです。例えば「ほうれい線が気になるのでヒアルロン酸を入れてほしい」という希望はよくありますが、実はいきなりヒアルロン酸注入することが望ましいという方は少なく、さまざまな老化症状を踏まえた総合的な判断が必要になります。悩みを十分に汲んだうえで、現状を客観的に捉え、老化症状を分かりやすく説明し、何を順番にしていくべきなのかをしっかりと提案してくれる医師であるかをよく見極めてください。適応が無い場合は施術をしないという判断ができる医師かどうかも信頼できるポイントです。

■ 診察・同意書でリスクについて説明されているかをチェック

最後に、ヒアルロン酸注入に関する合併症の可能性を診察や同意書できちんと説明されているかをチェックすることも重要です。メリットだけを話すのではなく、起こりうるリスクや、そのリスクをどう回避するのか、症状が出たらどう対処するのか、危ないサインの具体例に至るまでをきちんと説明してくれるかどうかを確認してください。さらに緊急連絡先、問い合わせ窓口があるかどうかもポイントです。

『ヒアルロン酸注入』は多くの方の悩みに寄り添うすばらしい施術ですが、重篤な副作用もあります。血管の中にヒアルロン酸を詰めてしまった場合(塞栓)の血流障害、皮膚壊死、が国内、海外で報告されています。

その事故率というのは、やはり医師が怖さを知って施術しているのか、しっかりとした準備をしているかによって大きく変わります。発見が早く適切な治療を行えば、大事に至らず回復させることができます。当院では他院施術の動脈塞栓を緊急で溶解し、後遺障害なく回復させた実績もあります。

キャンペーンの金額や魅力的な広告、加工した写真などに惑わされて気軽に予約してしまう前に、いま一度、しっかりと知識を身につけることが大切です。ヒアルロン酸注入というのはどういう治療なのか、何を目的に、どこまで叶えられる施術なのか、逆にたるみに対して他にしなければならないことはないのかなど、基礎知識をある程度身につけてからでも遅くありません。そして、長期的なメリット・デメリットを考えて誠実な診療をする医師かということを最優先に選んでください。誠実で適正な診療に当たっている医師のもとで、ぜひこのすばらしい施術の効果を体感してみてください。