抜けない疲れや不調は「副腎疲労」が原因かも?!ストレスが多い人は要注意!効果的な副腎ケアも紹介!

抜けない疲れや不調は「副腎疲労」が原因かも?!ストレスが多い人は要注意!効果的な副腎ケアも紹介!

寝ても疲れがとれない、すぐにイライラする......などの症状を感じたら、それは「副腎疲労」かもしれません。副腎はストレスから体を守ってくれるホルモン「コルチゾール」を分泌する重要な臓器であり、ストレス過多により副腎が疲れることで、さまざまな不調を引き起こします。今回は、その「副腎疲労」について解説していきましょう。

    目次
  1. 1.そもそも副腎とは?
  2. 2.副腎が分泌する「コルチゾール」がストレスダメージを抑制
  3. 3.副腎疲労はさまざまな不調の原因に
  4. 4.副腎疲労が起こりやすい時期やライフステージとは?
  5. 5.副腎疲労をケアしてコンディションを整えましょう

1.そもそも副腎とは?

副腎は、腎臓の上にある小さな臓器です。「腎」とついていますが、腎臓とは全く異なる器官で、小さいながらも体のホルモンバランスを調節する重要な役割をもっています。具体的には、ストレスホルモンであるコルチゾールを分泌してストレス反応を調整する、アルドステロンを生成して体内の塩分と水分のバランスを調整し、血圧を維持するなどの役割を果たしています。つまり副腎は私たちの気付かないところで全身の健康に大きな影響を及ぼす臓器ですので、日々のケアが大切です。

2.副腎が分泌する「コルチゾール」がストレスダメージを抑制

わたしたちがストレスを受けたら、まずは脳が情報をキャッチします。そしてすぐさまストレスに対抗するよう副腎に指令が下され、副腎はその指令に従いコルチゾールなどのホルモンを分泌します。コルチゾールはさまざまなストレスダメージを抑え、血糖値や血圧などをコントロールしたり、神経系や免疫機能などを調整して体へのダメージを防いだりする働きを担います。ただし対処すべきストレスが多すぎるとコルチゾールを大量に放出しなくてはなりません。その結果、副腎が疲れてしまうのです。

3.副腎疲労はさまざまな不調の原因に

このような「副腎疲労」は、さまざまな不調を引き起こします。具体的には、「日常的に疲れやすく、休んでも回復しにくいという疲労感」「注意力散漫や記憶力、集中力の低下」「風邪や感染症にかかりやすくなるなどの免疫力の低下」「不眠や浅い眠りが続くといった睡眠の質の低下」「イライラや不安感、うつ症状などの気分の変動」「食欲不振や過食といった食欲の変動」などが挙げられます。

また副腎がオーバーワークになることで、他のホルモン合成に悪影響がでることがあります。実は、意外と知られていませんが、コレステロールを原料にして体内で合成変換されるホルモンには、コルチゾールだけでなく、プロゲステロンやエストラジオール(エストロゲン)などの女性ホルモン、テストステロンやジヒドロテストステロンなどの男性ホルモンまでたくさんあります。

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図をご覧いただくと分かるように、男性は男性ホルモンを主に精巣で合成しますが、副腎では女性ホルモンを作ります。女性の場合は女性ホルモンを主に卵巣で合成しますが、男性ホルモンは副腎で作っています。男女ともに全てのホルモンが健康維持に欠かせないからです。

ストレスが多いと、コレステロールの使い道がコルチゾールの合成にばかり使われてしまい、性ホルモンが不足する事態に陥ってしまうのです。すると、男性では早期の男性更年期障害や勃起障害(ED)が、女性では生理周期の乱れや不妊、更年期障害などが現れる場合もあります。

さらに、甲状腺機能低下や女性ホルモンのバランスの乱れにより、ニキビ、肌の乾燥やシミ、髪のパサつきなど美容面でのトラブルや、PMS(月経前症候群)など女性特有の不調にも繋がります。見た目年齢があがることでさらに落ち込んでしまうという、負のスパイラルに陥ってしまうこともあり、注意が必要です。

4.副腎疲労が起こりやすい時期やライフステージとは?

副腎疲労は、特にストレスが多い時期や生活リズムが崩れやすいタイミングに起こりやすいです。例えば仕事や学校での忙しい時期は、休息が取れにくくストレスが増します。また季節の変わり目も、気温や日照時間の差が激しく、体が適応するのに一苦労です。そして引っ越し、結婚、出産、転職など、大きなライフイベントがあるときもストレスが加わります。年を重ねるごとに仕事量と責任は増す一方ですので、このような時期には、休むのも仕事と心得、特に意識してストレス解消や休息を心がけることが大切です。

5.副腎疲労をケアしてコンディションを整えましょう

では副腎をケアするにはどのようにすればいいのでしょうか? それには適切な栄養摂取と十分な睡眠などの生活習慣を心がけること、そしてストレス管理が重要です。自己管理が難しい場合は、医師に相談するのも一つの方法です。

まずは腸をいたわる食生活を

副腎疲労をおこす最も大きなストレス要因として考えられるのは食事です。食べたものは胃で消化され、小腸でほとんどの栄養が吸収されます。そのときに毒素や細菌などの有害物質が混ざっていると、腸の壁や粘膜に炎症が起こり、コルチゾールの浪費を招いてしまうのです。

また小腸から運ばれた有害物質を解毒するのが肝臓の役割です。アルコールや添加物など、運ばれてくるものに老廃物や毒素が多いと肝臓は疲れ果ててしまいます。肝臓の機能が低下して解毒力が弱まると、有害物質を処理できずに炎症が起き、その炎症を抑えるためにさらにコルチゾールが必要になり、副腎が疲弊してしまいます。つまり腸の負担になるような食生活を控える、アルコール摂取を控える、腸の栄養吸収を促すものをとるなどの食生活の見直しが重要です。具体的には、次のような食生活を心がけてみてください。

■ 一日3食、たんぱく質を摂取

たんぱく質は、筋肉や臓器、細胞の材料であり、エネルギー源でもある最も重要な栄養素のひとつです。腸の炎症部分の修復にも欠かせない栄養素で、コルチゾール値が高くなるほどたんぱく質代謝もあがるため、一日3食、しっかりととることが必要です。

■ 新鮮な野菜や果物を積極的に

野菜や果物には副腎の働きをサポートする栄養素が豊富に含まれています。中でもパプリカやキウイ、オレンジなどに多く含まれるビタミンCは、副腎がストレスを受けたときにコルチゾールを生成するために大量消費されます。抗酸化作用もあり、副腎を酸化ストレスから守る働きもあるので積極的にとりたい栄養素です。ほかにもほうれん草やアボカドなどに含まれるマグネシウムはストレスを軽減し、ベリー類に多く含まれる抗酸化物質は細胞のダメージを防ぎます。

■ 乳製品は控えめに

日本人はもともと農耕民族であったことから、乳製品を分解する酵素が少ない体質の人が多いです。乳製品をとり続けることで腸に炎症を起こしやすくなるため、お腹が緩くなりやすい人は控えめにしましょう。

■ 解毒作用のある食材を積極的に

外食やお弁当、お惣菜などの食事が続くと、保存料や着色料などの添加物の摂取がどうしても増えてしまいます。添加物を解毒しようと腸や肝臓、副腎の負担が増すので、デトックス効果の高いみょうがや大葉などの薬味、唐辛子やこしょうなどの香辛料、にんにくや玉ねぎなどの香味野菜を積極的にとりましょう。

■ オメガ3やココナッツオイルなどの良質な油を

前述のようにコルチゾールの原料はコレステロールです。生成には脂質が必要で、良質な油をとることが大切です。中でも亜麻仁油やえごま油などの不飽和脂肪酸、オメガ3系のオイルがおすすめです。ただしこれらは熱に弱いため、加熱調理する場合はオリーブオイルやこめ油、ココナッツオイルを取り入れましょう。

■ カフェインを避け、水分をしっかりとりましょう

水分をしっかりととってデトックスを促すことは、腸のトラブルや肝臓の機能とても大切です。目標は一日1.5~2ℓで、水のほかデトックス効果のあるハーブティーなどもおすすめです。カフェインは副腎を刺激してコルチゾールの分泌を促してしまうため、控えてください。

十分な睡眠を確保

睡眠不足や質の低い睡眠は、副腎疲労を悪化させる要因になります。十分な休息が取れていないと副腎が過剰に働き、結果としてコルチゾールのバランスが乱れます。反対に、良質な睡眠は副腎の回復と修復を助けるため、毎晩7~8時間程度の睡眠を確保することが大切です。しっかりとした睡眠をとることで副腎の機能を正常に保ち、ストレスへの対応力を高めることができます。睡眠の質を上げるためには、規則正しい生活習慣やリラックスできる寝る前のルーティンを作ることが有効です。夜のスマホは控えめにしましょう。

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適度な運動習慣を心がけて

ウォーキングやヨガ、軽いジョギングなどの適度な運動はストレスを軽減し、リラックス効果も得られます。副腎の機能をサポートし、ホルモンバランスを整えるためにもとても有効です。一方、長時間のマラソンや過度のウェイトトレーニングなどは逆にストレスを増加させ、コルチゾールの過剰分泌を引き起こすことがあるので注意が必要です。

アロマや入浴でリラックスを

ストレス過多による副腎疲労をケアするために、リラックスする習慣をつくることはとても大切です。自然の中をゆっくりと散歩する、リラックス効果の高いラベンダーやカモミールなどのアロマを楽しむ、お気に入りの入浴剤を入れたお風呂にゆっくりと浸かるなど、心地よくリラックスすることを心がけましょう。深呼吸して瞑想したり、音楽やアートなど好きな趣味を楽しんだりすることもおすすめのストレス管理法です。

このように、食生活の見直しや睡眠の確保、適度な運動などの生活習慣を続けることで、徐々に副腎疲労の改善が期待できるはずです。できることから、少しずつ取り入れてみてください。