【春の花粉症・ゆらぎ対策メイク】皮膚科医がレクチャーする肌荒れしている時のメイク術やアイテム選びのポイント!
乾燥や花粉、紫外線などの影響で、春は一年で最も肌がゆらぎやすく、肌トラブルが増える季節。肌が荒れていると化粧ノリが悪かったり、いつものスキンケアがしみたりして、メイクをすると肌荒れがより悪化してしまいそうで心配...。とはいえ、ノーメイクのまま外出するのは、様々な面で難しいですよね。そこで今回は、肌を荒れさせないメイクテクやアイテム選びについてご紹介します。
1.肌荒れ時はメイクしないほうが良い?
肌の赤みやかゆみ、カサつき、ニキビなど、肌荒れには様々な症状がありますが、基本的に肌が荒れている時は、メイクはなるべく軽い方が望ましいと言われています。肌荒れ中は肌本来が持つバリア機能が低下し、摩擦や紫外線など外部からの刺激の影響を受けやすくなっているため、普段使用している化粧品でも肌に負担がかかる場合があります。また、メイクをする時の摩擦が刺激となることもあります。できるだけメイクは控え、肌への刺激を軽減しましょう。
とはいえ、肌荒れが起こっている状態の素肌で無防備のまま外出するのはNGです。紫外線や乾燥、花粉などの外的刺激をダイレクトに受け、さらに肌荒れが悪化してしまう可能性もあります。バリア機能が低下してしまっている時こそ、外的刺激から肌を守るために、スキンケアと併せてベースメイクでも肌を保護するのがおすすめです。特に紫外線が肌に与える影響は甚大で、乾燥やターンオーバーの乱れを引き起こし、炎症などの肌トラブルを引き起こす恐れがあります。必ず日焼け止めを塗り、UVカット効果のあるベースメイクなどで肌をガードしましょう。
2.メイクやアイテム選びのポイントは?
肌荒れしている時はメイクを控えるのが理想的ですが、仕事で人前に出るなど、きちんとメイクをせざるを得ない場面も多いかと思います。そこで、肌荒れ中のメイクテクニックやアイテム選びのポイントについて解説していきます。
低刺激の化粧品に切り替える
肌が荒れている時は、肌表面にある角層の水分や油分のバランスが乱れているため、バリア機能が低下しやすく、ちょっとした刺激にも過敏に反応しやすい状態にあります。そのため、肌荒れ時はメイクアイテムを切り替えるのがおすすめです。
刺激となる香料やアルコールが含まれている製品は避け、敏感肌用や低刺激のものなど、なるべく肌に優しい成分の化粧品を選びましょう。また、クレンジングではなく洗顔料で落ちる、いわゆる石けんオフタイプのアイテムを選ぶのもGOOD。配合成分がシンプルで肌への刺激が少ないものが多く、洗い過ぎによる摩擦や乾燥も防ぐため、肌への負担を抑えたい方におすすめです。お湯で落ちるマスカラや石けんオフできるファンデーションなど、肌に優しい成分かつ、Wクレンジング不要なものを選ぶと良いでしょう。
高保湿なベースメイクを選ぶ
肌荒れした状態の肌は非常にデリケートなため、まずは保湿を心掛けることが大切です。スキンケアで肌にしっかり潤いを与えることはもちろんのこと、肌の潤いを守りながら素肌をケアしてくれるベースメイクアイテムを選ぶことで、肌荒れしにくい肌状態に整えていくことができます。
セラミドやヒアルロン酸など、保湿成分が配合されたスキンケア効果の高いアイテムを選ぶと良いでしょう。肌の潤いをキープしてバリア機能を高めることができるため、日中の乾燥を防ぎ、外的刺激から肌を守りやすくなります。また、薬用有効成分配合のアイテムなら、メイクしながら肌荒れケアやニキビ予防も可能です。
ベースメイクは最低限にする
ベースメイクで肌荒れ部分をカバーしたくなりますが、いろんなアイテムを重ねすぎると、肌への負担が大きくなります。なかでも、長時間肌に直接乗せるベースメイクは肌全体への影響が大きいため、極力肌に塗るアイテムを減らすことで、肌への刺激を少なくしましょう。日焼け止めや化粧下地、トーンアップ効果があるなど、1つで複数の役割を持つアイテムを活用するのがおすすめです。
また、なるべく毛穴を詰まらせないように、サラっとした軽いカバー力のファンデーションなど、薄づきのものを選ぶことも大切です。最近では、下地機能のあるBBやCCクリーム、クッションファンデなど、1つでベースメイクが完了するようなアイテムもたくさん発売されています。紫外線対策はマストなため、肌への負担が少ない低刺激性かつ日焼け止め効果のあるアイテムを基準に、肌状態に合ったアイテムを上手に選ぶようにしましょう。
目周りに炎症が無い場合はポイントメイクをメインにする
ニキビや酒さなど、目周りに皮膚症状が無い場合は、ポイントメイクを盛り気味にして視線を集めるのもおすすめです。肌への負担を軽減するために、ファンデーションは使わず、肌補正効果のある下地やBBクリームなどで肌全体をカバーしナチュラルにベースを整えてましょう。
アイシャドウやリップなど、ポイントメイクで顔にアクセントをつけると、自然と目元や口元に視線が集まりやすくなり、肌荒れが気になる部分をカモフラージュできます。なかでも効果的なのが、リップメイク。目元や頬に色をのせていなくても、いつもより少し濃い目のリップを塗るだけで一気に華やかさが加わり、きちんと感がアップします。特に肌の炎症がある場合は、刺激を与えないためにもファンデーションをつけないほうが良いので、この方法がおすすめです。
3. 肌荒れ中にメイクをする際の注意点
肌荒れがあるときは、肌が通常よりも敏感になっています。肌荒れを悪化させないためにも、そのほかに気をつけるべきことを紹介します。
メイクツールは清潔にしておく
メイクツールを清潔に保つことは、肌荒れを防ぐために非常に重要です。メイクブラシやパフが汚れていると雑菌が繁殖し、ニキビや毛穴詰まりなどの肌トラブルを引き起こす可能性があります。普段から清潔にしておくことはもちろん、特に肌荒れをしているときは、頻繁に洗うように意識しましょう。一見汚れていなそうに見えても、ブラシの洗浄、スポンジやパフの取り換えなど、メイクツールを定期的にお手入れすることで、雑菌の繁殖を防ぐことができます。また、手や指でメイクする場合は、事前によく洗い、手の雑菌が顔の肌につかないようにしましょう。
摩擦や長時間のメイクを避ける
メイクをするときは肌をこすらないように優しいタッチでつけ、摩擦による刺激を避けるとともに、できるだけ肌に負担がかからないよう長時間のメイクを避けることも大切です。メイクは時間とともに酸化し、肌に悪影響をおよぼす恐れがあります。帰宅後はなるべく早くメイクを落とす習慣をつけ、メイクをしたまま寝ることは絶対に避けましょう。肌に残ったメイクが毛穴を詰まらせ、酸化皮脂による炎症が生じ、ニキビなど肌トラブルを引き起こす原因になります。ただし、早く落としたいあまりに、肌をゴシゴシこすってしまっては本末転倒。メイクオフする際にも、なるべく力を入れず肌をこすらないように注意しましょう。
肌荒れ中はなるべくメイクは控え、スキンケアを重視することが大切です。どうしてもメイクをしなくてはいけない場合は、低刺激なアイテムに切り替えたり、ポイントメイクのみにしたりなど、工夫することで肌をいたわりながら、より美しい仕上がりのメイクを楽しんでください。