雑誌『MAQUIA/マキア』2017年9月号(7月23日発売 掲載ページP170~171)

特集:夏のお悩み解決美容大辞典「夏不調まるっと解決100問100答」に慶田院長の監修記事が掲載されました。

この時期に感じる、体の重さやダルさ、不眠、ニオイ、代謝ダウン、汗トラブルなど、まさに日本の"魔夏"のお悩みに立ち向かい、乗り切る方法を美と健康のプロたちが指南します。

【ドキッ!私、ニオってる!?汗とニオイを解決】
Q、そもそも汗とは何か?
A、体温調節や興奮、緊張のときに体から出る水分のことです。
特に体温調節のために出る汗は重要です。蒸発するときに体の熱を奪い、体温が上がりすぎるのを防ぎます。汗はナトリウムなどのミネラルで、保湿成分を含みます。

Q、運動したときの汗と、緊張などで出る汗、なんだがニオイも質も違う?
A、汗の種類が違います。
汗には2種類あり、運動や体温調節で出るエクリン汗はサラサラですが、緊張するときにはアポクリン汗も分泌し、脂肪酸を含んでじっとりし、常在菌に分解されることでニオイを発生させます。

Q、自分がニオっているのかわからない...確認方法はありますか?
A、肌に触れた手をかいでみましょう。
ワキや頭皮など、汗が出やすい部分に直接触れ、その手をかいでみましょう。湿度が高い日はニオイを感じやすくなります。ちなみに、体臭が他人に伝わる距離は20~30㎝ほどです。

Q、加齢臭とは?
A、40歳くらいから増える枯草のようなニオイです。
加齢臭のもとは、皮脂の中の脂肪酸が酸化して発生する、"2-ノネナール"という物質です。体の抗酸化力の低下に伴い、40歳くらいから徐々に増えていきます。酸っぱいような枯れたような独特のニオイで、主に体の中央ラインや背中から発生します。女性ホルモンのエストロゲンは皮脂分泌を抑える作用がありますが、更年期に近づいて減少すると、女性も加齢臭が出てきやすくなります。

Q、パーツ別のニオイに効果的な洗い方やアイテムは?
A、頭皮:耳の後ろ、後頭部の生え際を重点的に洗います。
  ボディ:胸や背中の上部、脇の下をしっかりと洗います。
  デリケートゾーン:専用のものを使うのも良いが、通常のボディソープをよく泡立て洗うのもおすすめです。

Q、敏感肌なので、制汗剤が使えません。
A、濡れたおしぼりで押さえてオフしましょう。
制汗剤の揮発性アルコールが刺激になることがあります。汗は洗い流すのが一番ですが、濡らしたおしぼりでポンポンと軽く抑えるだけでもすっきりします。ベビーパウダーもおすすめです。

Q、素足にパンプス、なんだかニオう。どうすればいい?
A、足裏は汗が多い部分、ストッキングを履くだけでも違います。
ただでさえ汗が多い部位で密封されて菌が繁殖します。シートなどでこまめに足を拭いて、ストッキングを履くだけでも違います。履いた靴は1日以上陰干しをしましょう。

Q、ワキは経皮吸収率が高いと聞きましたが、制汗剤を使用しても平気?
A、基底膜を通り越して体内に入る可能性はまずありません。
皮膚のバリア機能は強固で、一般的に売られている化粧品を普通に使用するぶんには、経皮吸収の心配は少ないでしょう。敏感肌を自覚している人は、肌の様子をよく見て炎症を起こしているときは避けるようにしましょう。

Q、汗くさいと思われたくないから、汗をかかないようにしています。
A、熱中症のリスク増大!
体温調節ができなくなって熱中症のリスクが増します。汗は 出すほど濃度が下がりニオイも減るので、積極的に出したほうがニオイ対策になります。

Q、汗腺は人により数が違うもの?成長により増えたり減ったりするもの?
A、個人差はありますが、赤ちゃんの頃から数は一生同じです。体表面積が少ないのに汗腺の数が一緒だから子供は汗っかきなんですね。

Q、汗をかきたくないので水分はあまり摂らないようにしています。
A、水分は必ず摂って下さい!
無理に水分を抑えるのは危険です!特に運動する時や緊張するシーンでは渇きを感じにくいので、喉が渇く前に積極的に水分を摂取する心がけも大切です。

Q、汗ジミをつくらない方法は?
A、ゆったりとしたシルエット&麻などの軽やかな服がおすすめです。
風通しの良い服を着て、汗の水分をどんどん蒸発させ、それでも気になるのなら、思い切って汗腺の機能を局所的に抑えて発汗量を減らす"ボトックス注射"を選ぶのも手です。一度注射すれば6~10カ月程度効果が継続します。

ボトックス注射(多汗症・腋臭症)』

Q、汗を拭くほど、なんだか逆に汗が噴き出る気がするのはなぜ?
A、調整機能がうまく働いていない証拠です。
体温調整力が弱い証拠です。太い血管があるワキや首に保冷剤や冷たいペットボトルを当て、もう汗を出さなくてよいというサインを体に送ってください。汗を拭くときは濡れおしぼりがおすすめ。水分が蒸発するときに熱を奪って体温を下げてくれます。

Q、口臭予防には舌のブラッシングもしたほうがいい?
A、歯のブラッシングのほうがはるかに大事です。
舌の溝にニオイ物質が付くこともあるので舌磨きも良いですが、基本は歯磨きとフロスです。特に歯の間の食べカスはフロスでしか取れません。

Q、生理前は汗のニオイも強まる気がします。
A、個人差はあるが、可能性はあります。
プロゲステロンの影響で皮脂が増える生理前は、アポクリン汗がニオイやすくなる可能性があります。また、疲労やストレスで肝機能が落ちた時もニオイが強まります。

Q、頭皮のニオイを予防する方法は?
A、定期的に頭皮のディープクレンジングをしましょう。
皮脂が多い人は頭皮のディープクレンジングを定期的に行いましょう。耳の周りや首の上の生え際を重点的に洗いましょう。洗浄成分が残ると炎症が起き、頭皮の常在菌が増えることがあるので、しっかり洗い流してください。

せっかくの夏のファッションも、汗ジミや汗くささで台無しになってしまいます。涼やかな美人になるコツとして、是非、ご一読のうえ、参考になさってください。

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