額や目尻のシワをより自然に改善できる・ちりめんジワの改善
表情ジワへのボトックス注射は、直接筋肉に注射することでその動きを止めて、シワを改善する治療ですが、額や目尻など表情に大きく影響する部位は、筋肉に効かせすぎると、喜怒哀楽を表現しづらくなることがあります。そのため、当院では診察にて、患者様のご希望や「表情の使い方(癖)」「筋肉の強さ」「シワの深さ」「皮膚たるみの程度」「眼瞼下垂の有無」などを考慮して、マイルドにシワを改善する『マイクロボトックスリフト』手技も用いながら仕上げています。筋肉の表面線維だけの働きを弱めることにより、シワを消しつつ、表情も自然に作れるので違和感のない仕上がりとなります。また、目周りのちりめんジワや額の浅いシワにも効果的で、ピンと張った滑らかな肌に整えます。
首の縦ジワ(ターキーネック・プラティズマバンド)の改善
顔がどんなに若々しくても、首のたるみやシワが目立つと一気に老けた印象を与えてしまいます。にわとりの首のような筋状に現れる縦ジワは、広頚筋の働きが影響しています。広頚筋は、口周りの筋肉と連なり、顎下~鎖骨部分にかけて首を取り囲む薄い膜状の筋肉です。加齢により拘縮(固く縮む)したり、運動で過度に発達(過収縮)したりすると、あごを上げた時や首を反らした時などに筋張りが目立つようになります。また、広頚筋は、あごから口角にかけてフェイスラインを下に引っ張る働きがある筋肉なので、口周りやフェイスラインのたるみも現れます。
首全体に『マイクロボトックスリフト』を行い、下へ下へと働く広頚筋の動きを弱めることで首の縦ジワが解消され、さらには、2週間~1ケ月程度かけて日に日にフェイスラインのたるみも改善してすっきり引き締まっていきます。首に打つ場合、深部に注射してしまうと呼吸筋を抑制して息ができないという深刻な事態を招くリスクがあるので基本的には真皮内への注射が安全です。当院では、広頚筋バンド(プラティズマバンド)の有無を診断し、広頚筋の過緊張がある場合は、引っ張り下げる力が最も強いあごの付け根部分(下顎骨への広頚筋付着部)にのみ、筋肉内にボトックスを注射しています。プラティズマバンドの改善は高い技術が求められる治療となります。
首の横ジワ(首全体に細かく広がるちりめんジワ)の改善
首は皮膚が薄く日常的に良く動かすので、皮膚が折りたたまれてシワやたるみが出来やすいパーツです。顔のシワと同様に加齢や乾燥、紫外線の影響でコラーゲンやエラスチンが減少して弾力が低下すると、さらに深く刻まれていきます。また最近は、スマートフォンの操作やデスクワークでの長時間の姿勢、枕の高さが合わないなどの理由で、若い方でもシワが癖づきやすいため、お悩みになっている方が少なくありません。
年輪状にくっきりと刻まれた横ジワには、『非架橋タイプのヒアルロン酸製剤(リデンシティⅠ)』や『ベビーコラーゲン』を使用し、シワに沿って皮膚の浅い層に少量ずつ細かく注入する方法が有効ですが、首全体に細かく広がるちりめんジワには、『マイクロボトックスリフト』が効果的です。真皮内に浅く少量ずつ注入していくと、筋肉の表面線維にも拡散して細かいシワの改善を図ることができます。さらに皮膚を引き締め、肌にハリももたらすため、ピンと張った滑らかな肌に整えます。
フェイスライン、あご下のたるみ・マリオネットラインの改善
たるみの原因は複合的ですが、フェイスラインやあご下のたるみ、マリオネットラインは、広頚筋や口角下制筋の働きも影響しています。これらの筋肉はいずれも口を「イー」とした時に下向きに強く働く「下制筋」というジャンルの筋肉です。若い頃は、この下制筋と顔にある抗重力筋(重力に抗うように上向きに働く筋肉)が綱引きのように互いを引っ張り合うことでピンと張ったフェイスラインを維持できていますが、加齢により顔の抗重力筋が衰えバランスが崩れると、広頚筋の引き下げる力が優位になり、顔の皮膚や脂肪が首になだれこむように引っ張られ、フェイスラインや口周りにたるみが生じます。また、若くても運動などで広頚筋が過度に発達している場合も同様です。加えて、40代以降で目立ちやすくなるのは、加齢により皮膚がたるみ、張力が弱まると下制筋が大きく動きやすくなるからです。
広頚筋や口角下制筋に『マイクロボトックスリフト』を打ち、顔を下げる下制筋の力を抑え、相対的に筋肉を引き上げる抗重力筋の働きを助けることで2週間~1ケ月程度かけてフェイスラインやネックラインが持ち上がり、たるみが改善されます。また、口角がキュッと上がり、口周りもスッキリします。さらに、肌がピンッと張り、細かい横ジワも目立たなくなるので印象をぐっと若返らせることができます。
皮膚の引き締め・肌質(ツヤ・ハリ)の改善
『マイクロボトックスリフト』を注射した真皮内では、新しいコラーゲンが産生されることが報告されており、肌にハリやツヤが出ます。「なんとなくシワっぽくなった」「少したるんできた」など初期のエイジング症状の改善に非常に効果的です。全体的にリフトアップし、顔立ちもキリっと引き締まります。
汗、皮脂の抑制・毛穴の開き、ニキビ改善
ボトックスには、過剰な皮脂分泌や発汗を抑える効果もあります。分泌腺自体が萎縮するので、毛穴が引き締まり、ニキビの改善も期待できます。テカリや化粧崩れを防ぎ、ベタつきのない滑らかな肌へと導きます。
マイクロボトックス・ボトックスリフトに使用する製剤
当院では高品質で安全性の高い2種類のボツリヌストキシン製剤をご用意しています。患者様がどちらの製剤を希望されるか、また治療頻度などよって選択いたします。尚、手技やダウンタイムのリスク、痛みなどは全く変わりません。
ボトックスビスタ®(アラガン・ジャパン社/日本)
「ボトックスビスタ®」は、アメリカの製薬会社であるアラガン社が製造・販売しているボツリヌストキシン製剤です。2002年にアメリカのFDA(米国食品医薬品局:日本の厚労省に相当)で承認され、現在世界80ヵ国以上でシワ治療への適応が承認されています。日本でも2009年に65歳未満の成人における眉間への表情ジワの治療、2015年には目尻への表情ジワの治療に対して、厚生労働省から承認を得ています。
日本の基準での有用性・安全性が評価され、「ボトックスビスタ®」は、徹底した品質管理と統制下にて製造や輸送・保管が行われています。当院では、日本向けの正規品を販売しているアラガン・ジャパン株式会社より直接購入しています。尚、「ボトックスビスタ®」を使用するには、アラガン社の講習・実技セミナーを受講し、施術資格を取得する必要があります。
■アラガン社の認定を受けた医師が施術を担当
ボトックスビスタを用いる治療には正しい知識と注入技術が必要なことから、アラガン社が主催するトレーニングを受け、認定を受けた医師のみが施術を行います。また、定期的に学会や研修会に参加し、知識と技術の更新に努めております。
ターゲットとする表情筋の機能を解剖学的にしっかりと理解し、「表情の使い方(癖)」「皮膚たるみの程度」「肌年齢」「眼瞼下垂の有無」など、様々な点を考慮してボトックス注射を行っています。
CORETOX® コアトックス(メディトックス社/韓国)
「コアトックス®」は、韓国のメディトックス社が開発した抗体産生リスクの低い高純度のボツリヌストキシン製剤です。2016年に韓国のKFDA(韓国食品医薬品安全庁:日本の厚労省に相当)によって承認され、有効性と安全性が確認されています。アラガン社のボトックスと同じ菌株を起源に開発され、製造工程で動物性由来物質、人血清アルブミンを完全に排除した安全性の高い製剤です。
従来のボツリヌストキシンは、短期間に繰り返し治療を受けたり、肩やふくらはぎなど大きな筋肉に高用量で繰り返し投与されたりしていると、体内に中和抗体※が産生されて、治療効果が減弱してしまうことがあります。これは、ボツリヌストキシン製剤に含まれる「複合タンパク質」が原因であるとされています。
「コアトックス®」は、複合タンパク質を完全に排除しているので、繰り返し使用しても、本来の優れた効果を長く維持することができます。そのため、継続的に治療を受けられる方やエラや多汗症(ワキ)、肩こりなど投与量が多い複数部位を治療したい方におすすめです。尚、アラガン社の「ボトックスビスタ®」は全世界で最も多く使用されている製剤で、美容領域の治療で中和抗体が発生するリスクはほとんどありません。
■中和抗体のリスクとは
抗体とは、体外から細菌や有害物質、毒物などが体内に侵入した時、異物として攻撃したり体外に排出したりする役割を担うタンパク質で、人間の体に備わった自己防御機能です。ボトックス注射は、ボツリヌス菌から人体への有用性を認められたA型ボツリヌス菌毒素を抽出したもので、これには抗原という免疫応答と引き起こすものがあります。高頻度、高用量でボトックス注射をしていると、体内に「中和抗体」が産生されて、再びボトックス注射をした時に、抗体がボトックスを異物として攻撃し、思ったような効果が得られなくなることがあります。
ボトックス注射は、美容医療以外にも眼瞼痙攣や、痙性斜頚、尖足など神経内科領域の疾患治療に用いられる安心な施術です。首や下肢など骨格筋の収縮を抑える際は、大量のボトックスを注射する必要がありますが、美容医療では主に顔の小さな筋肉に用いるため、1/10程度の少量ずつしか使用しません。異物タンパク含有量の少ない薬剤を用いて、同じクリニックで使用量を考えながら施術する限り、顔への治療でボトックス注射が効かなくなるという「中和抗体」の発生は極めて稀です。
マイクロボトックスリフトの痛み
注射を刺す回数が多いためご心配される方もいますが、十分に冷却した上で34Gナノニードルという極細針を使用しますので、強い痛みを感じることはありません。ほとんど全ての方がご辛抱頂ける程度です。痛みに敏感な方や心配な方は、麻酔クリームのご用意もございますので、ご安心ください。
マイクロボトックスリフトのリスクとダウンタイム<痛み>軽度 <腫れ> 軽度(約1時間)<内出血> 全く無い~小さく10日程度
施術直後は、打った部分に膨疹(蚊に刺されたような盛り上がり)ができますが、1時間程度で消退します。注入治療で、最も高い頻度で生じるリスクは内出血ですが、マイクロボトックスリフトは真皮層に少量ずつ注射する治療なので、内出血を生じない人のほうが多く、出てしまった場合も針の周りに小さな青あざが数日出る程度です。銀座ケイスキンクリニックでは、Stat Veinにて血管の走行を確認して出来るだけ血管を避けて注射することで、内出血のリスクを最小限にしています。安全性の高いボツリヌストキシン製剤を使用した場合、副作用もほとんどなく、アレルギーテストは不要です。ボトックスの過剰な拡散を防ぐため、施術後から数日間は治療部位を決して揉まないようにご注意ください。
マイクロボトックスリフトの持続と頻度について
ボトックス注射の効果は、施術から2~3日で徐々に現れ、約2週間で効果が安定します。持続期間は、4~6ヶ月程度で効果は徐々に弱まりますが、シワの原因となる筋肉を休ませることで小さくなるので、一般的に2回目以降からは、持続期間が長くなることもあります。ただし、効果には個人差があり、一度に多量の注射をしても効果が長くなる事はなく、拡散して副作用が出現するリスクが高まるので推奨できません。追加を希望される場合も症状が安定するまで2週間はお待ちください。
マイクロボトックスリフトの禁忌事項について
・過去にボトックス注射治療で異常反応があった方
・妊娠中や授乳中の女性
・子供を作る計画があり避妊していない夫婦(女性ですと、ボトックスを受けてから少なくとも2回生理がくるまでは避妊する、男性ですとその期間が3ヶ月になります)
・コントロール不良の糖尿病、急性感染症、膠原病、精神疾患
・注入希望部位に未治療の感染症や皮膚疾患がある方
・脊髄、末梢神経の病気に罹患している場合
※筋萎縮性側索硬化症、運動性ニューロパチー、重症筋無力症、ランバート・イートン症候群といわれる全身性の神経筋接合部の障害を持っている方。