革新的な特許技術で開発された架橋剤を含まない高純度のヒアルロン酸プロファイロは、スイス最大の民間多国籍製薬企業「IBSA社」が開発した注入剤です。架橋剤を使わずに、国際特許を取得した「NAHYCO®テクノロジー」と呼ばれる特殊な熱処処理法で、「高分子」と「低分子」のヒアルロン酸を水素結合させた次世代型ハイブリッドヒアルロン酸です。
美容クリニックで使用するヒアルロン酸製剤には、効果を維持するために、従来「架橋剤」という接着剤のような役割の化学物質が添加されています。ヒアルロン酸自体は、元々人の体内にあるものなので、アレルギーを起こすことはほとんどありませんが、この架橋剤にアレルギーや拒絶反応を起こす方が約数千人に1人の割合でいます。これに対して、プロファイロは、架橋剤をはじめとする化学物質が一切含まれていない純度の高いヒアルロン酸製剤で、アレルギーや副作用などのリスクが極めて低い、安全性の高い治療と言えます。
2015年にイタリアで販売が開始され、瞬く間に人気が広がり、現在ヨーロッパをはじめとする世界80か国以上で使用実績があります。これまでに50万症例以上が報告がされている他、国際的に著名な賞(AMEC & AESTHETICS)の受賞歴もあり、安全性や効果が世界的に認められています。
浸透・拡散性に優れ、皮膚全層を再構築
プロファイロには、「高分子」と「低分子」のヒアルロン酸が、1本(2ml)に64㎎と高濃度に配合されています。そのため、組織に均一に拡散しやすく、粘着性も高いので、注入部位に馴染んで生着することで自然な仕上がりとなり、さらに効果の持続期間も長くなります。1カ所に注入すると、そこから2cm四方に効果が波及するため、顔・首の場合は、わずか10ポイントで全体に作用します。また、注入した真皮層への効果のみならず、浸透する過程でその上方の表皮や下方の脂肪層と、多層に働きかけます。その結果、角化細胞、線維芽細胞、脂肪細胞が活性化されるので、皮膚、皮下組織全層にわたる広範囲にリモデリング効果が生じます。
■角化細胞(表皮)の再生作用(角質のターンオーバー促進・蓄積した角質やメラニン色素を排出)➡
くすみの改善・美白効果
■線維芽細胞(真皮)の再生作用(コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の産生を促進)➡
キメハリが整う・小ジワ・毛穴の改善
■脂肪細胞・脂肪幹細胞(皮下組織)の再生作用(老化や炎症で減少した脂肪細胞を増やす・脂肪萎縮を予防)➡
ハリ・弾力を高める・ボリュームの回復・リフトアップ効果
■細胞外マトリックスの再生作用➡
老化によって乱れた真皮の構造を再構築する・レーザーなど照射治療の効果を高める
細胞外マトリックスとは
真皮内には、「線維芽細胞」と呼ばれる肌の若々しさを保つコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を作り出している細胞があります。この線維芽細胞を取り囲む部分を総称して「細胞外マトリックス(ECM)」と言います。近年の研究で、この「細胞外マトリックス」が、細胞にとって物理的な足場となるだけではなく、線維芽細胞を刺激し、ホメオスタシス(常に新しい細胞を生み出し肌組織を維持していく働き)を回復させていくことが明らかになっています。
プロファイロの効果
プロファイロは1本2mlです。下記の各部位で1本使用します。1回で使用できる本数の上限は4本です。必要な本数は、骨格、皮下脂肪量、肌老化の程度、目的により異なります。
■ 頬から口元のたるみ・萎みの改善
■ 額のシワ・まぶたの窪みの改善
■ 首のシワ・たるみ・萎みの改善
■ 手背・手指のシワ・老化の改善
■ 肘のシワ・老化の改善
■ クレーター状のニキビ痕、瘢痕(傷痕)の改善
効果を最大に引き出す注入法
BAP注入法(バイオエステティックポイント注入法)
治療は、基本的に開発メーカーIBSA社が推奨するBAP注入法に基づき行います。これは加齢により真皮の萎縮が生じやすい下顔面1/3への適応と、血管や神経が通っていない解剖学的に安全性の高い箇所に焦点をあて、リスクを抑えつつ効果を最大に引き出す、とても理にかなった注入法です。
1か所につき0.2mlずつ注入し、1回の治療で1本(2ml)使用します。プロファイロは、流動性が高く、1カ所の注入部位から約2cm四方にわたって拡散するので、顔は片側わずか5ポイントに注入するだけでお顔全体に自然に広がります。(首は10ポイント)肌全体を再構築する画期的な治療であるにも関わらず、針を刺す回数は最低限に留めるため、注射を刺す際の不快感を少なくしたい、できるだけ短い施術時間で効果を得たいという方にもおすすめです。
銀座ケイスキンクリニック オリジナル注入法
顔の大きさ、骨格、たるみの目立つ位置、首の長さ、手の大きさなどは個人差が大きいため、銀座ケイスキンクリニックでは、慶田院長の経験から、注入ポイントを適正化し、一部の分注量を調整することで効果を最大限に高める独自の銀座ケイスキンクリニックオリジナルプロトコールで注入しています。
■例1:顔全体の若返り希望で口元のたるみとくぼみ目が顕著の場合・・・1回に2本4.0ml使用
➡両頬~下顎にBAP注入法で10ポイントに1本2.0ml。額~上下瞼~こめかみにメソ注入法で1.6ml、残1.0mlをマリオネットライン外側の口元のたるみに左右で0.4ml。合計2本4.0ml使用。
■例2:首が長く顎下から首全体のたるみが顕著な場合・・・1回に1.5本3.0ml使用
➡首のBAP注入法で10ポイントに1本2.0ml。顎下~フェイスライン、首外側に0.15mlずつ9か所に約1.0ml注入し残は保管。1か月後の2回目注入時に残1.0mlと追加1本2.0mlの合計で3.0mlを注入。
■例3:両手から指の老化が目立ち、手が大きい場合・・・1回に両手~手指背で1.5本3.0ml使用➡額や目回りと同様にメソ打ちのテクニックで小さな水玉をたくさん作るように細かく分注。
プロファイロの効果をより高めるコンビネーション治療
プロファイロを定期的に注入することで、肌質改善効果は期待できますが、シワやたるみが深い場合、毛穴の開大が顕著な場合、高齢の場合は、『ウルセラ』『ソノクイーン』『サーマクールFLX』『スカーレットS(ニードルRF)』などのハイフや高周波などを組み合わせて頂くことをおすすめします。熱の刺激により、線維芽細胞が刺激を受けることで、よりコラーゲンの増生効果が高まり、脂肪組織が若返るためリフトアップ効果が上がります。また、プロファイロはボリュームを出す効果は薄いため、頬のコケなどボリュームを補いたい場合や輪郭形成には、架橋のあるヒアルロン酸製剤を用いる『ヒアルロン酸注入』を併用することで、ナチュラルな若返りが実現できます。深い凹みや影をヒアルロン酸注入で整え、脂肪のゆるみと皮膚の萎縮、シワ感をプロファイロ注入で改善しつつ、合間もしくは前後でハイフ照射、サーマクール照射、スカーレットS照射、タイタン、スマスアップ照射などを受けていただくと、ヒアルロン酸注入量を最小限に、最大の効果をもたらすことができます。
プロファイロの痛み
外用麻酔クリームの効果が十分に効いてから、細い針で施術するので、刺す瞬間は部分的にチクっとした軽い痛みです。プロファイロは非架橋のヒアルロン酸製剤ですが、粘度が高く、浅層に注入するため、注入の5~10秒間独特のじわっとした痛みがあります。痛いのは一瞬で終わるのでストレスはありません。プロファイロは、皮膚の中で拡散・浸透しやすい特長があり、BAP注入法の場合はポイントが少ないので、注入時の痛みの負担が軽い点が魅力で注入治療が初めての方にもおすすめです。お痛みが心配な場合はまず1部位1本の注入をお試しください。ほとんどの方が、1回に2本以上を注入なさいます。
プロファイロのリスクとダウンタイム<痛み>チクチクする程度 <腫れ・浮腫み・凹凸> 2日間注入ポイントに膨疹様のしこり(上まぶたは3~4日程度全体的な軽いむくみ・重さ) <内出血> 無し~針痕が数日程度
皮内注射のため、施術直後から24~48時間程度、膨疹様のしこり(ブヨに刺されたような膨らみ)が出現しますが、時間と共にヒアルロン酸は拡散して膨らみは消失しますのでご安心ください。翌朝には半分以下になりかなり目立たなくなりますが、数日間少し硬さや軽い膨らみを感じることがあります。腫れや赤みを伴う場合や、むくみによる違和感(上まぶたに注入した場合は2日程度軽く浮腫みます)を感じる場合がありますが、いずれも翌日には消褪します。首や手の甲、額など脂肪の薄い部位への施術の場合は、これらの症状の消失まで2~3日かかることがあります。
また、注入治療のため、一時的な内出血が起きる可能性はあります。しかし、注入層は真皮浅層であり、27Gの細い鋭針を用いるため解剖学的に内出血が起こりづらく、そして最低限の注入ポイント(片側5か所)とした「BAPテクニック」を使用することで 内出血の可能性を更に低減させています。直後から通常通りのメイクやスキンケアが可能です。長風呂、激しい運動、飲酒は内出血と腫れのリスクを高めるので、当日のみお避け下さい。プロファイロは自然に拡散することで、組織のリモデリング効果が最大となるので、しこりを揉み解すなど治療部位に対する強いマッサージなどは、1ヶ月半は避けてください。
プロファイロの施術頻度や持続について
プロファイロは直後から効果を感じる方もいらっしゃいますが、本来の効果は、皮膚のリモデリングが進んだ3~4週間後です。ハリや弾力が高まり、肌のキメ、明るさの改善・シワやほうれい線が浅くなるなどの変化が見られます。1回目の施術から効果を得られますが、初回は、1~2ヶ月間隔で同範囲に2回施術を行うと、リフトアップ効果、肌の引き締まりや質感の違いなど、しっかりとした変化を実感できます。また、効果持続期間は半年~1年程度なので、半年後に再注入したり、1年毎に繰り返し治療を続けると、肌のコンディションを維持できます。
プロファイロの禁忌事項
下記に該当される方は、この治療を受けられないことがあるのでご相談ください。
・過去に注入治療で異常反応があった方
・妊娠中の女性
・真性ケロイドの方、異物反応を生じやすい体質の方
・コントロール不良の糖尿病、急性感染症、膠原病、精神疾患
・注入希望部位に未治療の感染症や皮膚疾患がある方
*安全のため、他院での美容医療の治療歴を担当者にお伝えください。
*麻酔薬や内服薬に対してアレルギーのある方、喘息の既往がある方は事前にお申し出下さい。但し、今までにそのような経験がなくても、外用麻酔薬に対するアナフィラキシーショック(呼吸が苦しくなる、血圧が下がるなど)を生じることは極めてまれに起こりえます。その場合は、速やかに適切な処置を致します。
*プロファイロは麻酔薬を含まない製剤のため、キシロカイン(リドカイン)アレルギーの方もお受けいただけます。ただし、その場合は、外用麻酔は用いず、局所の冷却で痛みを緩和して注入します。