ケミカルピーリング(乳酸ピーリング)の効果と特徴
ニキビの予防・治療
思春期から成人期にかけて、ホルモンの影響で皮脂の分泌量が増えることに加え、毛穴の入り口(毛漏斗部)がつまりやすくなり、中に皮脂がたまります。これがニキビのはじまり(白ニキビ)です。さらにアクネ菌が増殖して炎症がおこると赤いニキビや膿(うみ)をもったニキビになります。最新の研究で、小さなニキビも、ニキビ跡(小さなクレーター状の凹み)の原因になることが解明され、ニキビの炎症を速やかに鎮め、新しいニキビを作らないことが重視されています。
ケミカルピーリング(乳酸ピーリング)は酸によって皮膚の角層をごく薄く溶かし、毛穴のつまりを解消することで、ニキビのはじまりである面皰(白ニキビ)をできにくくします。
くすみ改善・美白効果
ピーリングの刺激で表皮のターンオーバー(代謝)が高まり、表皮の水分量が増え、ふっくらしたベビースキンに導きます。メラニンの排泄がスムーズになり、ごわついた角層が滑らかになるので、白く透明感のある美肌に変わります。なお、ピーリングで皮膚が薄くなることはありません。
レーザー・光治療の効果を高める
角質が滑らかになることで、レーザー光の乱反射が減り、ターゲットとなるシミに有効に作用します。
治療薬の浸透を高める
ピーリングすることで角質からの治療薬、美白剤、美容液の浸透が高まります。
エレクトロポレーションやイオン導入の効果もアップします。
皮膚の代謝の正常化・肌のバリア機能を強化
角質は表皮から真皮浅層を支配していることがわかってきました。健康的な表皮のターンオーバー(再生)が整うと、角質細胞間脂質や天然保湿因子(NMF)が十分に作られ、角層の接着と保水機能が高まり、肌のバリア力がアップします。瑞々しく美しい肌になるだけでなく、湿疹のできにくいしなやかで強い皮膚に変わっていきます。アトピックドライスキンや敏感肌の方にこそお勧めしたい施術です。
ケミカルピーリング(乳酸ピーリング)のリスクとダウンタイム
<痛み>無し <腫れ>無し <内出血>なし
医師の手で施術するため、酸性度と濃度の高い乳酸ピーリングを行います。施術中は、ピリピリ、ムズムズする感覚がありますが、我慢できる程度です。施術後の肌は一時的に赤くなることがありますが、ほとんどの場合1〜2時間以内に治まります。高濃度ビタミンC・アミノ酸配合の化粧水(VCAAローション)でパックし、鎮静させます。 当日は、美白剤の浸透が高いので、院内調合オリジナル化粧品をご自宅でもご使用下さい。
施術後3ヶ月間は紫外線を避けるために日焼け止めをご使用下さい。
市販の新しい化粧品のご使用は1週間ほど控えて下さい。レチノール配合の化粧品をお使いの方は3日間使用を控えて下さい。
ケミカルピーリング(乳酸ピーリング)の持続と効果
疾患、疾患の重症度、使用薬剤、薬剤濃度、によって異なります。 ケミカルピーリングに対する皮膚の反応は、個人個人(年齢などの違い)において、また同じ人でも治療時の皮膚の状態や行う季節によって異なるので効果の発現時期も様々です。 すぐに治療効果が見られない場合でも、治療目標の達成の為には根気よく続けることが必要です。
乳酸を用いた「ニキビ」に対するケミカルピーリングでは、治療直後から、毛穴からの皮脂の分泌や、膿をもったにきびが自然に破れ、膿が出やすい状態になります。
治療開始時は基本的に約2週間に1回の割合で治療するのが効果的です。続けていると新しいニキビが出てくるまでの期間が長くなるので、徐々に治療期間をのばしていくのが良いでしょう。
はじめは治療効果が見られなくても、治療を重ねていくうちに急に改善傾向を認めることをしばしば経験します。例えば、中等度のニキビで平均6回、重症のニキビで平均10回の治療後に、急速に新しく出る割合が 減少したり、ニキビのために赤くなっている皮膚が改善したりといったことも経験しています。
また、「シミ」に対しては、単体で治療するのではなく、レーザーや光治療(医療用パルスライト)照射の前処置として行います。肝斑に対しては、2~3週間毎に2、3回の治療で効果が出現します。イオン導入を併用するとさらに効果が高まります。
「くすみ」に対しては、乳酸を用いた場合、約4〜5回程度で効果が出てきます。ただし、いずれの場合も効果には個人差があります。
ケミカルピーリング(乳酸ピーリング)の痛み
施術は医師の判断で最適な濃度、時間に設定致します。 施術中は多少ピリピリした刺激感がありますが、拭き取り、冷却後は消失します。
禁忌事項
無治療の皮膚炎や生傷、感染症がある方は、この治療を受けられないことがあるのでご了承ください。まず治療を優先させ、回復後にケミカルピーリングの治療に入ります。炎症のある赤ニキビ、膿をもったニキビがあっても、ケミカルピーリングの治療はお受けいただくことができます。また、安全のため、他院での美容医療の治療歴を担当者にお伝えください。詳細はお問い合わせ下さい。