カニューレスレッドリフト(鈍針・コグ付き吸収糸)の効果と特徴
・シワの改善【 ゴルゴ線(インディアンライン)】 ・ほうれい線・マリオネットライン(よだれジワ)など ・リフトアップ【アイブロウリフト・アイリフト・目の下のたるみ改善・頬位置の挙上・輪郭の改善】 ・左右非対称の改善 |
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シワそのものに、ヒアルロン酸を浅く注入しても、満足する結果が得られるとは限りません。なぜ、ほうれい線やゴルゴ線が出現しているのか、「顔面の老化」に関する理解と、正確な見立てが必要です。注入治療に必要なのは、医師の美的感覚と立体視する能力です。顔の形状を保つ、強固な支持組織である顔面靭帯のうち、骨から皮膚に伸びる『真性靭帯(True Ligament)』は、皮膚と脂肪組織を骨につなぎとめる杭(くい)のような役割を果たしています。加齢に伴って、顔面靭帯の弾性が失われて垂れ下がると、脂肪の塊が下方に移動し、顔全体の下垂を引き起こします。カニューレスレッドリフトは、『溶けるトゲ付き糸』を、真性靭帯の基部に引っ掛けるように挿入することで、靭帯を補強し顔全体をリフトアップさせるテクニックです。
カニューレスレッドリフトは、従来の細いショッピングスレッド糸と比べ、重力による皮膚のたるみを考えた特殊な糸を使用することで、顔全体を均一に引き上げる最新のスレッドリフトです。糸のコグと呼ばれる「トゲ」がギザギザで多方向のため、ひっかかりやすく、伸縮性に優れているので、自然で非常にいいリフトアップ効果が得られます。糸は医療用の溶ける糸を使用する為、約10か月で体内に吸収されますが、糸の周辺にはコラーゲン密度が高まり、リフトアップ効果やハリが持続します。29Gという細さではあるものの鋭針に装着されたショッピングスレッドリフトでは、全顔で80~100本挿入するため内出血は必発です。一方、カニューラスレッドリフトでは、髪の生え際やフェイスサイドの目立ちにくいところに小さな針穴を開け、先端の丸いカニューレ針を挿入しますので、内出血も出にくい点も好まれます。当日から3日間のごく軽いむくみがありますが、周囲に気づかれることはまずありません。
個人差はありますが、スレッド注入後約1年間効果が持続します。こめかみの凹みや痩せたフェイスライン、萎んで張りを失った頬や顎などをボリュームアップさせるヒアルロン酸注入も併用すると、上向きに輪郭が整います。近年、このようなナチュラルな若返りが世界的な潮流となっています。注入した糸の周りに自己のコラーゲン線維が新生することが確認され、くり返しスレッドリフト治療を行っている方が若々しいことが科学的に証明されています。
カニューレスレッドリフトで目指す理想的な輪郭Heart-shaped face(ハート型の顔)とは
美しさは他者と比較するものではなく、その方の骨格と顔立ちによって微妙なバランス感覚が求められます。アジア人に理想的な輪郭とされる『Heart-shaped faceハート型の顔』は、「位置が高くボリュームのある頬、高くすっきりした鼻、引き締まった小さめの顎、すっきりしたフェイスライン」が特徴です。ところが、老化に伴って、骨や脂肪組織の萎縮、靭帯や筋膜の劣化、皮膚のたるみにより、顔の各パーツの下垂が始まります。加齢により、ほうれい線外側と口角下方の脂肪は増えるので、ボリュームが下側に移動した「逆ハート型の顔」に大きく変化します。
銀座ケイスキンクリニックの『美人顔デザイン注入』を支えるカニューレスレッドリフト
当院では、浅いシワなどの枝葉末節ではなく、全体的なシルエット(輪郭)を整え、骨格を考慮した左右対称性に着目しています。視診と触診で、患者様の加齢レベルを正確に評価し、今後生じる加齢現象を予防しつつ、確実に若返らせ、より魅力を高めることに目標を設定しています。そのため、ヒアルロン酸注入では、靭帯の補強と下垂部分の押し上げによる『True Lift Methodトゥルーリフト注入法』からスタートします。この際、カニューレスレッドリフト併用すると、靭帯強化による引き上げ効果がさらにアップします。次に、ボリューム減少部位に適正量のヒアルロン酸注入で補正することで、理想的な『Heart-shaped faceハート型の顔』に近づけます。
予算が限られた中で、どの部位の治療が優先されるべきか・・・このような点もご相談ください。また一度で、完全修正を目指さず、定期的なリタッチをすることで、ハイレベルな美しさをもたらします。挿入した糸の周囲にご自身のコラーゲン線維が増えてきたところで、適切な部位に追加施術すると、メスを使わずとも十分ご満足いただけると思います。スレッドリフトの併用は、「ヒアルロン酸を入れすぎちゃった顔」にしないためにもおすすめできる治療法です。
カニューレスレッドリフト(鈍針・コグ付き吸収糸)で狙う真性靭帯とは
顔にはコラーゲン線維が太くより合わさった顔面靭帯(じんたい)があり、強固な支持組織として、顔の形状を保っています。顔面靭帯には骨から皮膚に伸びる『真性靭帯(True Ligament)』と筋膜から皮膚に伸びる『偽性靭帯(False Ligament)』があります。真性靭帯は、皮膚と脂肪組織を骨につなぎとめる杭(くい)のような役割を果たすため、特に重要です。
ところが、顔面靭帯は加齢に伴って、弾性が失われて垂れ下がり、脂肪の塊が下方に移動し、顔全体の下垂を引き起こします。『カニューレスレッドリフト』は、鈍針に装着されたコグ付き生体吸収糸(溶ける糸)を、真性靭帯の根元に引っ掛けるように挿入することで、靭帯を補強し顔全体をリフトアップさせるテクニックです。真性靭帯のない部位には偽性靭帯(筋膜と脂肪組織)の補強と引き上げを図ります。
この治療法は、解剖学の知識と、注入経験、骨格を見極める力が欠かせません。銀座ケイスキンクリニックのドクター陣は、顔面の解剖学を学び、安全で効果的な治療に尽力しています。
カニューレスレッドリフトに使用する生体吸収糸と治療の実際
糸は小さなギザギザ(コグ)がついた生体安全性が高いPDO(Polydioxanone)で、組織に適度に引っ掛かるので、頬位置を上げ、たるんだ輪郭をリフトアップし、ほうれい線やマリオネットラインも直後から改善させます。最大のメリットは、ダウンタイムのすくなさと、効果のバランスです。糸が細い鋭針に装着されているショッピングスレッドと異なり、先端の丸い鈍針(カニューレ針)に装着してあるため、内出血はほとんど生じません。また、糸の太さもショッピングスレッド(6-0)に比較して2-0とやや太く、棘(トゲ)の固定効果が高い点も魅力です。
外用麻酔後、担当医が、骨格とたるみの状態から糸を挿入するデザインを決めます。刺入部位を冷却し、局所麻酔の注射をし、鋭針(先端のとがった針)でカニューレ針を入れる針孔を開けます。その穴からカニューラスレッドをゆっくりと挿入します。皮膚を手繰り寄せながら引き上げ、カニューレ針を目的の位置まで挿入後、針を抜くと糸だけが残ります。引っ掛かりを確認後、刺入部の皮膚をっ少し押し込みながら糸をカットします。糸は皮膚の中に入り、見えなくなります。
カニューレスレッドリフト(鈍針・コグ付き吸収糸)による安全なリフトアップ
カニューレスレッドリフトには先端の丸い鈍針に装着されたコグ(トゲ)付きの溶ける糸を使用します。21Gのカニューラで挿入することで、口周りなど顔面動脈が走行するエリアにも内出血や血管障害のリスクを最小限に安全な注入が可能になっています。顔面解剖学マスタークラス履修
慶田院長とは、2015年4月25日から26日に韓国で開催された、ヒアルロン酸フィラー注入経験豊富な医師のための、顔面解剖学マスタークラスで講義と実習を受けています。日本国内では法律上叶わない、冷凍保存のご遺体での実習はその後の注入治療の糧となっています。慶田院長と高山副院長は2016年10月15日に日本で開催されたGALAAにて顔面解剖学をスライド講義と3D動画で深く学びました。慶田院長と高山医師、、服部医師は、2017年10月22日に日本で開催されたアラガン社のセミナーで解剖とヒアルロン酸注入の実技を学びました。慶田院長は2018年3月24日から25日タイで開催される顔面解剖学マスタークラスで講義と実習を受ける予定です。注入治療を熟知した解剖学の教授が、顔面の美容医療に関わる医師向けに作成した動画やスライドは何度見ても勉強になります。私たちは定期的に受講と実習を繰り返し、患者様の安全のために身を引き締めて診療にあたっております。
カニューレスレッドリフト(鈍針・コグ付き吸収糸)のリスクとダウンタイム
<痛み>注入時に少し、1週間ほど軽い違和感<腫れ> 3日間ほど少し(個人差あり)<内出血> ほとんど無し(個人差あり)
外用麻酔を塗ると15分ほどで表面の感覚がほとんどなくなります。デザインを決めた後、刺入部位を冷却し、鋭針(先端のとがった針)でカニューレ針を入れる針孔を開けます。カニューラスレッドをゆっくりと刺入します。皮膚を手繰り寄せながら引き上げ、カニューレ針を目的の位置まで挿入後、針を抜くと糸が残ります。引っ掛かりを確認後、刺入部の皮膚をっ少し押し込みながら糸をカットします。糸は皮膚の中に入り、見えなくなります。2日間ほどで針孔が閉じるまで、小さなテープを貼って過ごします。ごく稀に、挿入した糸が押し出されて出てくる場合がありますが、糸をカットすれば問題ありません。靭帯を狙って深く糸を挿入する施術なので、皮膚の凸凹などは心配ありません。また、太く長い糸を縫い綴じるような施術ではないので、開口障害なども心配ありません。
Stat Vein(スタットヴェイン)で表在血管を可視化し、出来る限り血管を避けて針孔を開けるポイントを選択し、ポイントごとに十分な圧迫止血を心掛けています。このような取り組みで、注入による内出血のリスクは少なく、出たとしても軽く済むようになりました。もし、目立つ内出血が出現した場合は、フォトフェイシャルM22の部分照射を行うと短期間で消退させることもできます。
メイクは針孔を避けて頂ければ、直後から可能です。また洗顔、軽い入浴、食事、接触も当日から制限はありません。飲酒、サウナ、長風呂、激しい運動は内出血のリスクを高めるので、当日のみお避け下さい。
効果の減弱を避けるため、特に医師の指示がない限り定着するまでの約1か月程度、マッサージや圧迫は控えてください。
カニューレスレッドリフト(鈍針・コグ付き吸収糸)の持続と頻度について
効果は施術直後から鏡でご確認いただくことが出来ます。注入したスレッド(生体吸収糸)は代謝・分解されてしまうことから、平均して10か月から1年くらいで効果が弱まります。挿入した糸の周囲に自己のコラーゲン線維やヒアルロン酸などが新生するため、1年後に完全に元に戻ることはありません。半年以内にタッチアップをしたり、1年毎に繰り返し治療したりすると、効果の持続期間は延長します。リフトアップ効果だけでなく、若々しい肌に戻すことができる施術なのです。