太田母斑
太田母斑とは、青あざの一種で、頬を中心とした眼の周囲の片側に多くみられ、日本人始め、東洋人の女性に好発します。青色からやや褐色の小さい点が集まって斑状になり、時に白眼にも青あざを認め、眼球メラノサイトーシスと呼ばれます。出生直後から目立つ場合と、思春期頃から悪化する場合があります。
また、成人してから下まぶたの外側に左右対称に点状に生じるものを遅発性両側性太田母斑(後天性真皮メラノサイトーシス(ADM))と呼び、肩から上腕部に同じような青色の斑がみられるものを、伊東母斑と呼びます。病理学的には本来は存在しないはずの真皮深層にメラノサイトとメラニンがあり、表層から見ると青っぽく見えます。治療法として皮膚を削ることや植皮手術が行われていましたが、現在はレーザー治療での「切らない治療」が可能です。
レーザー治療の代表的な治療器は、Qスイッチ・ルビーレーザー、Qスイッチ・アレキサンドライトレーザー、Qスイッチ・YAGレーザーなどです。皮膚表面にはダメージをあたえず、その下の真皮にある色素細胞(メラノサイト)を選択的に焼灼することができます。