面皰、コメド、白にきび、黒にきび
面皰(コメド)とはにきびの初期症状で、毛穴の出口が閉塞することで皮脂が貯留してできた、小型の丘疹のことを言います。
通常肉眼的にみられない、病理学的変化(顕微鏡レベル)の段階である微小面皰から、肉眼的に見られる面皰に進展します。主に男性ホルモンにより皮脂腺は活性化され、皮脂分泌が亢進します。さらに毛包漏斗部(毛穴入り口部分)の角化が亢進することで、毛包内に皮脂が貯留して、アクネ菌(にきびの原因菌)が増殖します。面皰には閉鎖性面皰と開放性面皰の2種類があります。
閉鎖性面皰はいわゆる白にきびのことで、毛孔が角質により閉じて、毛包内に皮脂の充満とアクネ菌のかたまりがみられます。
白にきびは開放性面皰に移行するものと、炎症性皮疹(赤にきび)に移行するものがあります。開放性面皰はいわゆる黒にきびのことで、毛孔が開大し、毛包漏斗部とその周辺の表皮メラノサイトより産生されたメラニンや過酸化された皮脂により黒くみえます。面皰が炎症を伴わないのに対し、炎症性皮疹とは赤にきび(紅色丘疹、膿疱)のことを指します。
赤にきびからさらに炎症が深部に進行していくと、囊腫・結節となり瘢痕(にきび跡)を残すことになるため、早めの段階での適切な処置・治療が重要です。面皰の主な治療法は、炭酸ガスレーザーや針で穴を開け、清潔な操作で脂を取り出す面皰圧出法、ケミカルピーリング、レチノイン酸やアダパレン(ディフェリンゲル®)などの外用治療、肌の代謝を整え皮脂の分泌を抑えるビタミンC、B₂、B₆などの内服などが有効です。