グリコール酸
グリコール酸とはAHA(α-ヒドロキシ酸の略)の一種のピーリング剤です。AHAはフルーツによく含まれている事からフルーツ酸とも呼ばれます。
AHAにはグリコール酸の他にクエン酸・リンゴ酸・乳酸などがあり、クリニックでケミカルピーリングを施術する場合にはこれらのAHAが多く使われます。その中でもグリコール酸は分子量が小さく浸透率が際立って高い(皮膚への透過性が優れている)ため、クリニックの施術で最も多く使われています。
ケミカルピーリングには濃度だけでなくpH(酸性度)も大きく関与します。クリニックで施術するグリコール酸によるケミカルピーリングは20-80%の濃度、pH2.0前後と強酸性であるのに対し、家庭用スキンケアでは10%以下の濃度、pH3.0~7.0です。AHAの中でもグリコール酸に関しては、ピーリング直後から古い角質が表層から剥離する事で新しい皮膚が表に出るのではなく、表皮表層からグリコール酸が浸透し、表皮細胞の酸レセプターに結合することで間接的に表皮基底層に働きかけ、新しい表皮細胞の増殖と分化(ターンオーバー)を促進さます。この過程で古い角質を脱落させ、十分な厚みを持った新たな表皮と適切な角層を保ち、皮膚のバリア機能を高める作用がある事が分かってきています。
独特のピリピリとした感覚は、グリコール酸が肌の角質に浸透しているサインです。古い角質の除去に加え、グリコール酸にはコラーゲン線維の生成を促進させる作用があるため、小じわを改善したり、ニキビを出来にくくさせたり、古い角質が無くなる事でくすみを改善させたり出来ます。また、クリニックでの施術においてはレーザーや光治療のお肌への透過を良くし、治療効果を高めるための治療の前処置としても使用されます。