ビタミンP(フラボノイド化合物、ヘスペリジン、ルチン、ケルセチン)
ビタミンPはビタミンに近い働きをするビタミン様物質で、ヘスペリジン、ルチン、ケルセチンの総称です。
また、フラボノイド化合物、バイオフラボノイドと呼ばれることがあります。みかん由来のポリフェノールで、特に柑橘類に多く(その中でもスジの部分は実の300倍含有)、ほかにタマネギ、そばをはじめ様々な植物に含まれ、黄色い色素として古くから染料としても用いられています。
また、壊れやすいビタミンCを安定させて、優れた抗酸化作用の発揮を助けるほか、毛細血管の血管壁を緻密にする働きがあります。そのため栄養素や酸素が血管に出入りする機能(透過性)を適度に調整し、細菌が侵入しやすい状態や出血を予防する効果があります。
血管の収縮をコントロールする酸化窒素が活性酸素と結合して動けなくなると、血管が収縮したままになり、血圧が上昇する原因のひとつになりますが、ビタミンPはビタミンCと共に活性酸素を除去する働きがあり、高血圧予防に効果的です。
また、中性脂肪の増加は善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増加させて動脈硬化を起こしますが、ビタミンPには中性脂肪を減らす効果があるため、脳出血などの出血性疾患を予防する作用も期待できます。