表皮
表皮とは、厚さが平均約0.2ミリのとても薄い膜です。皮膚の最上部表面にあり、上から角層(角質層)、 顆粒層、有棘層、基底層の4つの層から成っており、その大部分を「ケラチノサイト(角化細胞、かくかさいぼう)」と、それが変化した細胞が占めています。
表皮は外部からの異物の侵入や体の水分の蒸散を防ぐバリアとなって、内部を保護し肌を守る役割をしています。角質層(角層)は、表皮の最も外側にある層で、扁平な核のない角化細胞が重なってできています。
角質層にある天然保湿因子は水分を保持し、角質細胞間脂質は角質層から水分が失われていくのを防ぐ働きをもっており、正常状態では10~20%の水分を含んでいます。顆粒層は、扁平・紡錘形をした1〜2層の顆粒細胞からできています。
顆粒層では細胞質中にケラトヒラリン顆粒という顆粒を含み、紫外線が肌深部に浸透するのを防ぐ役割をしています。有棘層は表皮の中で最も厚い層です。有棘細胞は互いに棘のような形をした細胞間橋でつながっていて、細胞同士がしっかりと結びつき表皮の強度を保っています。これらの細胞と細胞の隙間にはリンパ液が流れており、栄養を運び老廃物の交換などを行う役割を担っています。
基底層は表皮の最下層にあり、真皮と接しています。円柱状の基底細胞が1列に並び、新しい細胞が次々に産生されています。基底細胞の間にはメラニン色素を生成するメラノサイトが点在していて、紫外線が当たることでメラニン色素が産生されます。メラノサイトが周囲の基底細胞にメラニンを分配し、私たちの肌は核を有害な紫外線から守っているのです。