雑誌『なごみ』2016年10月号(9月28日発売 掲載ページP116~117)
特集「茶人のためのヒザケア入門 知っておきたいヒザの黒ずみのこと」に慶田院長の監修記事が掲載されました。
『なごみ』は淡交社が発行する、茶人の風雅なライフスタイルをサポートする月刊誌です。
10月号・11月号・12月号で、ヒザのトラブル解消法について、美容皮膚科の立場から慶田院長が解説します。
今回取り上げるのは、多くの方がお悩みになっているヒザの黒ずみについてです。ヒザに限らず、肌の黒ずみの大きな原因は、メラニン色素です。摩擦や圧迫など、物理的な刺激を受けると、肌が作るメラニン色素が多くなってしまいます。また乾燥も大敵で、肌の表面近くの角質の水分量が減りバリア機能が低下すると、代償性に角層が厚くなり、肌がくすんでしまいます。正座をする機会が多い茶人のみなさんは、ヒザに刺激が加わりやすいと言えますので、まずは原因を知り、保湿をするなど、その対処法を勉強しましょう。
◆ヒザの黒ずみ2大原因
気になる黒ずみの原因は、古い角質が溜まっていたり、メラニン色素が過剰に沈着している状態です。まずは以下の二大原因を覚えましょう。
◎物理的刺激
ヒザやヒジは脂肪など皮下組織が少なく、骨と皮膚が近い部分です。物理的な刺激がダイレクトに加わる部分なので、皮膚を刺激から守るために作られるものがメラニン色素なのです。紫外線だけでなく、摩擦や圧迫などの物理的刺激も大敵です。
◎乾燥
ヒザやヒジは、皮脂を分泌する皮脂腺が少なく、乾燥しやすい部分です。水分量が少ないと、光をきれいに反射せず、くすんだ印象になります。しっかりと保湿ケアをしましょう。
ヒザは、伸ばしたときに皮膚が寄ってメラニンの密度が高くなるので、そもそも黒ずんで見えやすい部分です。
◆メラニン色素が生まれる仕組み
基底層の色素細胞メラノサイトから生まれたメラニン色素は、周囲の表皮細胞に受け渡され、表皮のターンオーバー(生まれ変わり)により、垢と一緒に排出されます。一時的な刺激で生まれたメラニン色素は、時間が経てば消えていくのですが、慢性的に刺激が加わっていると、メラニンの排出が間に合わず、黒ずんでしまいます。また年齢を重ねると、肌の生まれ変わりが遅くなり、色素沈着が残りやすくなります。
◆保湿クリームはたっぷりと
ヒザの乾燥対策・保湿クリームの塗り方にはコツがあります。保湿成分セラミドやヒアルロン酸などの入ったクリームを、ともかく、たっぷり、何度も塗ることが大切です。また、古い角質を落とすために、細かい粒子が含まれたスクラブを頻繁に使用するのは、逆効果になることもあります。使用頻度は、二週間に一度程度に留め、使った後はしっかりと保湿しましょう。
◎一回に塗る量の目安
クリームを、指の第一関節に載せ、これを手のひらの面積に塗るのが基本になります。肌の保湿機能を改善するためには、この分量を一度に三回、同じ部分に塗りましょう。直後はべたべたするくらいたっぷり塗るのが効果的です。
◎塗る回数は一日二回
クリームは、朝・晩、一日二回塗るとよいでしょう。着替えるお部屋と、脱衣所にクリームを一本ずつ置いて、朝着替えるとき、夜お風呂上りにたっぷり塗りこむことをおすすめします。
◎ポイント
保湿クリームは、肌に載っていればいいので強くすりこむ必要はありません。ヒザの場合、長時間肌にとどまってくれるよう、水分の少ないやや重めのクリームがよいでしょう。
是非、ご一読下さい。