雑誌『婦人画報』2016年4月号 (3月1日発売 掲載ページP242~243)
特集『婦人画報婦人科 今月のお悩み外来 春の肌あれ』に慶田院長の監修記事がされました。
花粉に黄砂...。さまざまなものが浮遊する春は成熟世代の"揺らぎ肌"にとって要注意の季節です。
女性ホルモンのエストロゲンには、真皮層にあるコラーゲン線維やエラスチンの合成を促進する働きがあります。エストロゲンは肌の張りや弾力を保ち、シワ、たるみ、乾燥を予防してくれていました。ところが更年期世代は美肌と密接に関係するエストロゲンを失うことで、肌バリアが低下。ターンオーバーも遅くなり、肌の乾燥やトラブルが増えやすくなります。特に春は花粉や黄砂、紫外線(9月中旬と同じ)など環境因子も加わるため、注意すべき季節です。肌のバリア力を強める対策として注目すべきは、角層ケア。角層の中でも水分保持力の80%を占めるのが角質細胞間脂質。その主成分はセラミドです。肌のバリア力を高めるには、セラミド入りの保湿化粧品で補ったり、水分を抱え込む性質のあるヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンなども同時に補給することが大切です。
肌あれが増える原因はエストロゲンの低下だけではありません。シミ、シワ、たるみなど肌老化の原因の8割近くは、紫外線や喫煙、環境ストレスなど外的な要因です。特に、紫外線対策は今や美容の常識ですが、それだけでは不十分です。今、PM10(=10μm)以下の微小な大気汚染物質による肌への悪影響が懸念されています。ドイツの女性を対象にした研究でもPM10以下の大気汚染では、汚染レベルが高いほど肌老化が早いという結果もでています。
大気汚染のダメージを防ぐには、できるだけ汚染物質を肌に付着させないことが大切ですが、付着したあとは刺激が少ない方法ですみやかに取り除きましょう。対策として、日常のケアや、からだの内側から肌のバリア機能を高めて、肌荒れを予防する方法などを紹介しています。
是非ご一読下さい。