雑誌『家庭画報』2017年7月号(6月1日発売 掲載ページP232~233)
特集「50代からのお悩みに、もしもしビューティウェルネス相談室」に慶田院長の監修記事が掲載されました。
今月のお悩み
【うっかり日を浴び、シミ、くすみが......すぐに効果の出る方法はありますか?】
エステの代わりに美容医療でお肌のケア。毎日のインナーケアで肌色に効果実感!
◎夏はシミを取り去るより肌を底上げする治療を
シミやくすみが気になるものの、夏真っ盛りの今、レーザーや光治療などの美容医療を受けても良いのかと、質問を多く受けます。Qスイッチレーザー、フォトフェイシャルやアキュチップ等の高出力部分照射で、シミをかさぶたにして取り去る治療は、真夏や南国への旅行直前は避けたほうがいいでしょう。治療による炎症後色素沈着が強い紫外線の影響で長引くことがあります。ただし、日中の外出が少ないかたは、施術後しっかり日焼け対策をすることを前提で施術することも可能です。
一方、真夏でもおすすめなのが、低出力のフォトフェイシャルやジェントルレーズなどです。マイルドな治療なので、炎症を誘発せず、光の熱エネルギーによる適度な刺激がターンオーバーを整え、コラーゲンやヒアルロン酸を生み出す線維芽細胞が活性化されるので、みずみずしくハリのある透明感のある肌になります。ダウンタイムがほとんどなく、治療直後からメイクが可能なのもうれしい点です。
当クリニックでは、フォトフェイシャルとジェントルレーズ照射にはケミカルピーリングがセットになっています。夏にたまりがちな古い角質を穏やかに除去するので、相乗効果でくすみが晴れ、繰り返すとバリアも強化されます。
◎イオン導入や点滴を組み合わせてさらに明るく
レチノールのイオン導入、高濃度ビタミンC点滴も夏におすすめの施術です。レチノール(ビタミンA)は高い抗酸化作用があり、紫外線の害を消去してくれるので、日焼けしにくい肌をつくります。イオン導入の場合、外用に比べて40~50倍の量を浸透させることができるのでより効果的です。レチノールのイオン導入時には、ビタミンCとアミノ酸の美容液導入も併用しますので、透明感とみずみずしさがよりいっそう引き上がります。
高濃度ビタミンCの点滴は、ビタミンCの血中濃度を一気に上げ、高い抗酸化作用を狙います。当クリニックでは美容目的ですので、25000mgのビタミンCを30分ほどで投与します。シミやくすみのもととなるメラニン量をコントロールして、黒いメラニンを白く還元します。また高濃度ビタミンC点滴は、コラーゲンを増加させて肌弾力を高めるという美肌効果にとどまらず、全身のストレスへの抵抗力や免疫力もアップさせます。
フォトフェイシャル、レチノールのイオン導入、高濃度ビタミンC点滴の3つの施術を一度に受けることも可能です。日差しを浴びてしまった後に明るい肌色を取り戻すのはもちろん、レジャーや旅行前に肌質を底上げしておくことでシミ、くすみをしっかりと防くことができます。紫外線の影響を受けやすい7月から9月までは、フォトフェイシャルをエステ代わりに月に一回受けるのが理想的です。高濃度ビタミンC点滴やイオン導入だけなら、1~2週間に1回のペースでお受けいただけます。ビタミンCは体にストックが効かない成分なので、定期的に十分な量を摂取するのをおすすめします。
◎リゾートでは"飲む日焼け止め"の併用を
これらの施術を受けても決して安心せず、的確なセルフケアも続けることが、シミ、くすみの再発防止になります。もちろん毎日の日焼け止めは欠かせません。特にリゾートでは、2~3時間おきに薄く塗り重ねるのが理想的です。しかし、汗で流れたり、衣類についてしまったり、日焼け止めは完璧にはいきません。『うっかり日焼け』を防止するためにヘリオケアという"飲む日焼け止め"サプリメントの併用をおすすめします。そのほか、シミ、くすみを防ぐインナーケアとして、ビタミンC、トラネキサム酸、ハイチオール、ビタミンEの内服も効果的です。
◎シミやくすみを誘発する柑橘類にご用心
塗るホームケアとしては、ビタミンA・C・Eを配合したオイルがおすすめです。これらのビタミンは"ビタミンACE(エース)と呼ばれ、透明感の高い若々しい肌を保つカギとなる成分です。顔はもちろん、首やデコルテのシミ予防にも効果的です。また、最近登場した医療機関専用美白剤『ルミキシルクリーム』も軽やかな使い心地で顔全体にのばしやすいので、人気があります。
シミが目立つ部分やレーザー、光の部分照射でシミをかさぶたにして取り去った後のケアには強力なビタミンAである『レチノイン酸クリーム』や定番の医療機関専用美白剤『ハイドロキノンクリーム』を外用します。
紫外線が強い夏のあいだは、食べ物にも気をつけましょう。柑橘類やセリ科の野菜は、紫外線の感受性を高めてしまうので、日中はグレープフルーツジュースやオレンジジュース、セロリやパクチーなどの摂取を避けましょう。抗酸化作用の高いブルーベリーやストロベリー、クランベリーなどのベリー系の果物やトマトやパプリカなどの緑黄色野菜、ビタミンAを多く含む鶏肉や豚肉のレバー、ビタミンEを含むナッツ類を選び、体が錆びない食事を心がけることも、透明感の高い肌を目指すために必要です。
家庭画報世代になったら、クリニックでの施術、ホームケア、日々の食生活と多方面からシミ、くすみに取り組むことが、いつまでも若々しい肌色、肌質を保つ秘訣です!
【肌色、肌質が若返る定期的な施術を】
◎ケミカルピーリングで古い角層をオフ
メラニンが滞ってくすんだ層をフルーツ酸でごく薄く溶かす施術。
フォトフェイシャルやジェントルレーズの施術前に組み込まれており、光やレーザーによる治療の効果を高めます。
◎フォトフェイシャルで肌全体を明るくする
最新のフォトフェイシャル機器、"フォトフェイシャルM22"を使用し、低出力の光を当てることで肌のトーンが明るくなり、繰り返し受けることでシミと赤みが薄くなります。また、肝斑が混在するシミにも照射でき効果を発揮します。スポット状のシミや赤い血管腫、赤ら顔などに部分照射をオプションでプラスすれば、より切れ味の良い治療結果に。
◇初回トライアル(全顔)30,000円。ケミカルピーリングとパック、手背の照射込み。
◎高濃度ビタミンAのイオン導入
エンビロンの高濃度ビタミンA(レチノール)をイオン導入します。レチノールのクリームを塗るより、40~50倍の浸透率があり、紫外線の影響を受けにくい肌になります。フォト◇フェイシャルM22などいろいろな施術のオプションで、1回10,000円。5回セット40,000円
◎高濃度ビタミンC点滴をプラス
内服だと、大量に摂取しても尿中に出てしまいます。点滴で、一気に血中ビタミンC濃度を上げることで、肌の隅々まで行き渡り、美白効果を発揮し、免疫力もアップします。
◇高濃度ビタミンC点滴25g初回トライアル12,000円。
【シミ、くすみの毎日のお手入れは内服薬も】
◎シミに効く内服薬と"飲む日焼け止め"を
ビタミンC(シナール )、肝斑を改善するトラネキサム酸(トランサミン)、抗酸化作用が高いビタミンE(ユベラ)、メラニン生成をブロックするL-システイン(ハイチオール)を処方します。(価格は25日分で各1000~1500円)。
飲む日焼け止め、ヘリオケア(30カプセル 6,000円)は肌と目を日焼けから守り、光老化対策の新常識に。
◎朝晩のスキンケアでもシミ、くすみ対策を
超浸透型ビタミンCローション(プロラヴィッシュローション)⇒トラネキサム酸乳液(TAエマルジョン)⇒ハイドロキノン(HQクリーム )またはルミキシルクリーム⇒最後にモイスチャーACEオイル。また、3日に1回はグリコール酸ローション(GAローション)でホームピーリングケアもおすすめです。価格は4,000~10,000円。
【複合的なシミ、肝斑、くすみにはレーザー治療】
◎シミをマイルドに消すジェントルレーズプロ
ダウンタイムのないレーザー治療、ジェントルレーズプロは顔全体を短時間で照射します。肝斑の目立たない人、くすみよりシミが気になる人、顔色や産毛、毛穴の黒ずみが気になる人におすすめです。
◇顔全体 初回トライアル25,000円。ケミカルピーリングとパック、手背の照射込み。
◎ピンポイントでシミを消すアキュチップ
濃いシミにスポット照射する光治療です。シミはいったんかさぶたになり、数日ではがれピンク色の肌が出てきます。ルミキシル、ハイドロキノン、レチノイン酸などのクリニック専用美白クリームの外用が必須です。
◇各照射治療のオプション(径5mm大)1ショット1,000円。
シミと呼ばれる状態にはさまざまな種類があり、それぞれの性質・濃さなどによって治療法も異なります。カウンセリングでは、正確な診断から導かれる、お一人お一人のお肌に最適な治療法をご案内します。
是非、ご一読ください。