雑誌『美的』2018年10月号(8月23日発売 掲載ページP128~129)
特集「エイジングの元凶「酸化」のこと、知っていますか」に慶田院長の監修記事が掲載されました。
くすみやテカリだけじゃない、放っておけばシミやシワ、たるみの原因にもなります!
【体内の酸化はシミやたるみ、皮脂の酸化は乾燥肌の原因に】
体や肌の老化について語られるとき、必ず出てくるのが「酸化」というキーワードです。何によって人は酸化して、肌にどう悪影響を及ぼすのか?酸化の悪影響を防いで健康な肌を保つには、どうしたらいいのか?難しいけれど、美肌を保つためにはぜひ知っておきたいことです。
人は呼吸によって酸素を吸い、生命を維持しています。酸素は生きる上で欠かせないものですが、吸った酸素のうちの約3%が『活性酸素』に変化します。活性酸素は不安定な分子なので、安定を求めて体内で活動する際に、細胞の核やたんぱく質などを損傷させしまうのです。少量の活性酸素は細菌やウイルスへの防衛反応として働きますが、多すぎる、体の老化が進んだり、疾病の原因になったりと、さまざまな悪影響を及ぼします。肌においては、細胞のコラーゲンの断裂や変性劣化により、シワやたるみが進行します。
ここまでは体の内部の話ですが、肌表面においても酸化は起こります。分泌した皮脂は、空気に触れると数時間で酸化していきます。紫外線にあたればさらに酸化しやすくなります。酸化した皮脂は刺激物となって肌に炎症を起こし、バリア機能を乱して乾燥や肌あれの原因になります。
肌に酸化を起こさないために気をつけるべきことは、まず、皮脂をきちんと落とすことです。乾燥肌だからといってお湯だけで洗っていると皮脂が落とせずより乾燥を招くので、きちんと洗顔料を使いましょう。また、抗酸化作用のある食べものやスキンケアを取り入れることどちらも、ビタミン類を含むものはおすすめです。スキンケアやインナーケアを見直して、若々しい美肌をキープしましょう!
◎加齢とともに酸化するのは、あたり前のこと
酸素を吸って生きている以上、体内で活性酸素が発生し、少しずつ酸化していくのはあたりまえのことです。ただし、体内には酸化と戦う酵素が備わっています。活性酸素を分解し、無毒化する酵素が働くことで、人間は健康で若々しく健康な体と肌を保つことができます。
◎加齢によって酸化はより進みやすくなる
体内で活性酸素と戦う酵素には、スーパーオキサイド、カタラーゼなどの種類があります。加齢によってそれらの酵素の働きや、酵素を作り出す力は徐々に弱まるので、年を重ねるにつれ、酸化は進みやすくなります。
◎紫外線を浴びると、より酸化が進む!
紫外線を浴びなくても皮脂の酸化は進みますが、紫外線を浴びるとより酸化が進行することがわかっています。皮脂が多く、紫外線を浴びやすい男性の頭皮がにおいやすいのは、頭皮の酸化した皮脂が主な原因です。
◎酸化は、肌の免疫力にも影響を与える
肌の表皮には免疫細胞があり、肌への異物の侵入を防いでいます。この免疫細胞は酸化に弱いということが、資生堂の研究によりわかっています。酸化した皮脂を放置しておけば乾燥の原因になるだけでなく、免疫力が低下することにもあります。
皮膚と体の老化に悪影響を及ぼす活性酸素について、お分かりいただけましたでしょうか?是非、誌面もご一読ください。